詩
その肌の色は君の残像
触れられなくて良い
幻想だと分かっている内なら
風が吹けば良いんだけれど
蒸し暑い夏が訪れる
空は水色と白
一番良く聞こえるのは蝉の声
前を歩こう
君が思考に耽るから
僕の背中か足らへんを
視界に入れて進めるように
時々話し掛けて
短い返事を大事にしよう
夏休みが始まる
だって君はいつもと同じ
今がとても大事みたいな
僕だけが焦心
「どこへ行こうか」
咄嗟に振り返ると目が合う
だって君はいつもと同じ
ジリジリ歪む道だけが夏
涼しい顔をして
揺れる髪 君の影だけが夏
その肌の色は君の残像
夏が終わっても
変わらない残像
勉強漬けの僕らの明日も
無いみたいな
嘘みたいな僕と君は