詩
しゃらしゃら、雪が降る
塵も積もれば山となる
冷えた指が温まって、また雪に触れて冷えるのが好き
私は辞書を手向ける
捲る度に白の中へ飛ばす
春は来なくて構わない
別に来たって厭わない
跡形も無く消えるそれに
私を拾って流して欲しい
コンクリートの上
雪融け水の汚さ
埋もれたりしない
転んだりしない
私は辞書を千切り捨てる
去年の冬への手向けとして
しゃらしゃら、音がする
歩く人さえ見掛けない
窓越しに、意味も無さそうに墜ちていく雪を見るのが好き
コンクリート
雪融け水の汚さ
眠ったりしない
悩んだりしない
私は冬に死にたい