異邦人大系 (+版) 一章『不穏との遭遇』
「僕は、僕が先生の“足枷”になる事は望みません──」
「だろうな。じゃあ、死んどくか?」
銃口が向けられる。
──ガガンッ
──バチバチッ…
銃弾を食い込ませた
優人の
「先生が来るまで抗うか?」
──ガウンッ
「舐めるなよ?」
軽く出力を上げた氷堂の銃弾が
優人の多重結界を容易く貫いてみせた。
氷堂は攻撃特化型の能力者。僅かな
力加減で、その威力は変幻自在だ。
銃弾の掠めた優人の頬から血が伝う。
「そういえば。祟場の友人は昔、蜂の巣にされて死んだそうだな」
「……?」
「今からそうなるお前を見たら、奴は。一体、どんな顔するかな…?」
──ガチャリッ
「…………っ、??」