〈壱〉の巻

うたぬくもりに懐古的かいこてきねつ”を宿やどして~





  〈登場人物〉



   白蛇はくだ

 生来せいらいの姿は、“白子しろこ”と呼ばれるアルビノの白いへび。数年の短い生涯しょうがい衰弱すいじゃくし切っていた死の間際まぎわ清明せいめいにより拾い上げられ、彼の式神しきがみとされた。やがて、仮の“人として”の姿を与えられ清明せいめい達のもとで少しずつ成長して行く。



   安部あんべ 清明せいめい

 元は、人として生まれながらもすでに人ならざる謎多なぞおおき人物。白蛇はくだ玄武げんぶを初めとし、数多あまた式神しきがみ達を配下へと置く。

某陰陽師ぼうおんみょうじ安倍あべの氏とは全くの別人であり、赤の他人である。

花鳥風月記かちょうふうげつきに登場する“安部あんべ 清明きよあき/せいめい”は、彼の人としての生前せいぜんの姿である。



   玄武げんぶ

 本来の姿は、かめの姿をした水の精霊せいれい清明せいめいへとつかえる式神しきがみ達の一番の上役うわやくで教育係。普段は、人間の青年の姿を取ってはいるがその実年齢は誰にも計り知れない。




 
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