異邦人大系 (+版) 一章『不穏との遭遇』
数週間が経過しようとしていた──。
「───
「先生は?」
「ちょっくら野暮用──」
「分かりました」
「あ、優人」
「はい?」
「買い物だけ頼むわ」
「了解です」
「余り遅くならないようにするから」
「気にしないで下さい」
「…ん。悪いな」
「いえ」
そう軽く微笑んで
優人は
消えた第三指揮官の事で
最近、
優人も百も承知だった──。
(俺にも何か先生の手伝いが出来たらいいのに───)
優人は鞄を肩に掛け、
夕焼けの街へと踏み出した。
1/12ページ