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〈壱〉の巻

花鳥風月記かちょうふうげつき安部清明物語あんべせいめいものがたり





  〈登場人物〉



   安部あんべ 清明きよあき/せいめい

 町外れの屋敷へと住まう呪術師じゅじゅつしの男。呪術じゅじゅつとは、人をのろう事ではなく。神霊しんれいなどへと働きかけ、望むがままに超自然的な現象を起こさせようとする行為・まじない、呪法じゅほうの事であり。呪術師じゅじゅつしとは、それを生業なりわいとする者の事である。



   安部あんべ 輝明てるあき/こうめい

 安部あんべ一門の現・当主とうしゅ清明きよあきにとっては長兄ちょうけいにあたり、昔は後妻ごさいの子である清明きよあきを余りこころよくは思っていなかった。妻であるあさひやまいを治すべく、わらにもすがる思いにて清明きよあきの元を訪れる。



   あさひの方

 輝明てるあきの妻で、日向ひなたの母。安部あんべ一門の陰の立て役者。輝明てるあき日向ひなたの前では良妻賢母りょうさいけんぼな女性であり、清明きよあき清明きよあきで昔から彼女には恩義おんぎを感じている。近年、体を壊し、病床びょうしょうへとしている。



   日向ひなた

 輝明てるあきあさひ末娘すえむすめ天真爛漫てんしんらんまん好奇心旺盛こうきしんおうせい。大の母親っ子で、叔父になる清明きよあきにもなつき、やがて清明きよあきの屋敷へも頻繁ひんぱんに出入りするようになる。





   安部あんべ 聡明としあき/そうめい

 清明きよあき輝明てるあきの父で日向ひなたの祖父。輝明てるあき正妻せいさいの子で、清明きよあき後妻ごさいの子としているが。清明きよあき出生しゅっせい詳細しょうさいについては一切、不明である。




 
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