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神戸棺ーKanoto Hitsugiー 1

ーーーーー「ねえねえ知ってる?「あの子」、赤雪なんだって!!」

「えー!?うっそだぁ〜だって目に赤い雪が見えないじゃーん!もう、〇〇ってば!ほんと、バカみたいな嘘ついて〜!
あ、そう言えば駅前のお洒落な雑貨屋でセールやってるんだって!!行こうよ!」

「ちぇっ。はーい…仕方ないなー。」

「やった!!ほらほら行くよ!」

「ちょ、早いって!」

「もー、〇〇遅い!先いってるからね!」

「はいはいのろまな私めはゆっくり行きますよー。」

「帰っちゃ駄目だからね!」

「はいはい。
……全く。人が折角「あの子」が赤雪だって教えてあげたのに…。あとで死体になってても知らないからね〜。」





ーーー昔々…とはいっても数十年前のことだった。
日本の何処かで、からだ中から赤い雪の結晶を振りまきながら、一人の赤ん坊が生まれた。
赤い雪が舞う様子はとてもこの世のものとは思えないほど美しかったが、それと同時に、「未知」でもあった為恐れられた。哀れなその赤ん坊は、恐れおののき半狂乱となった両親にくびり殺されそうになった
ーーーが、両親の指が首に触れそうになった時、1陣の風が吹き、部屋中を黒い霧で覆った。霧が晴れた時には、赤ん坊は消えていたそうだ。

その話が世間に知れ渡るまで1日もかからなかった。そしてーーー


日本全国で、百分の一の確率で、赤い雪を伴った赤ん坊が産まれてくるようになった。
政府はその赤ん坊たちを「赤雪の子供」と呼び、原因を解明しようとしたが、いざ捕らえようとするとやはり黒い霧が渦巻き、するりと赤ん坊が消えてしまうので
、「赤雪の子供は人の子ではない」と言って対赤雪研究班、通称「SS」を全国に設置した。


だが数十年経った今でも、原因は解明されていないのが現状で、遂に爆発した国民の不安により、十八年前に、赤雪の子供を問答無用で殺害することを許可する、「赤雪処分法」が誕生した。


そして政府は血眼で全国各地で虱潰しに赤雪の子供を探し、ようやく、一人の赤雪の子供を確保した。しかし得られた情報は、たった一つ。
「赤雪の子供は瞳に赤い雪が見える」
ということ。





「……まぁ、それだけじゃ、無いんだけどねー。分かったことは、さ。」


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