一次創作短編
「なんて時間まで起きてるのさ……」
少し温まった液晶から、そんな文句が感じられる。
「はぁ、文句あるに決まってるでしょ。ボクは寝る必要ないけど、キミは違うじゃないか。
それに、スマホが熱いのはキミのせいだろ。少しは休ませてあげたらどうなんだい」
仕方がないだろう。眠れないのだから。
それに、この時期は寒くて手離したくない。
……風呂に入る気力は、もう少しで沸き上がる。
「沸き上が……って、風呂だけに!とか言うつもりかい?キミは本当にジョークが好きだね」
それもそうだ。私は文系と言っても過言ではない。
小中高、図書委員を貫いてきたのだから。
「関係ないと思うなぁ。
……それで?懐かしさに浸った衝動書きかい?」
ああ。実家ではないが、少し覗き見したら、こうだ。
私はつくづく根に持ちやすい者らしい。
「なら、語り部気取りはやめてくれないかな。せめて、もはや見慣れた敬語か……極端に素を出すかのどっちかに……」
どう転んでも黒歴史に終わることだ。
別に、生んだことを後悔しているわけではないが。
「だろうね。むしろお気に入りだろ?
こうして、短い物語を書いているのが証拠だ。キミはボクを捨てられない」
全くもって、図星である。
まず、私は今までの子達を捨てたつもりは無いが。
……テセウスの船、と言われればそれまでだけども。
「あの場に戻る気はあるのかい?」
どうとも言えない。
後ろ髪を引かれてはいるが、いまいち仕事が忙しい。
それに、ここ最近の私は"変化"している。
覗く程度で済ませているのだ。劇的に変わった、と、はっきり言える。
「……ボクを使って、自分の気持ちを確かめるのか。
まぁ、頭の中で考えて、それでおしまい。なんてよりかはマシだと思うよ。
ボクはキミの思考に基づいた発言をしているけれど……考えを文章に書き起こすのは、世間も褒めてくれるんじゃないかな。」
許して欲しい。こうでもしないと、自己を否定するだけの骸に成り下がってしまう。
自問自答をして、自分を都合良く認めないと、私は私がわからなくなってしまう。
「勝手にしなよ。
せいぜい、昔言われた『図々しくなってもいい』なんて言葉に縋っていればいいさ」
懐かしい。何年前だったか忘れてしまった程に懐かしい。
今でも、ふと思い出すんだ。それ。
「ふぅん。それで?気は済んだかい?」
まぁ、ほどほどに。
たまには、痛々しい自分を大切にするのも悪くないだろう。
わざわざ付き合わせて悪かった。
「別に?怒っているとかはないよ。
ボクはね、少しでも好かれるようなキャラクターになれればいい。
そういう設定で、埋め込まれた思考回路だとしても、好かれて悪い気はしない。キミがそうなんだから、ボクもそうだ」
我ながら、いい名前を考えたと思う。
もっとも、苗字は借り物に近いが。
「"黒江 紫日兎"……なんて厨二病くさいんだ。
はは!ボク達の名前なんて、キミの趣味にしか沿えないからねぃ」
…自ら黒歴史を掘り起こしてしまった……
「バカみたい。いや、バカだったか」
せっかくだし、デザインの一変でもしようか。
あの画像を変える気はないが。
「せいぜい頑張りなよ。時間がある時にね」
それじゃあ、ひとっ風呂あびてくる。
「またいつでも呼んでくれよ。自己満足の道具になってあげるよ。黎江さん」
……虚しいな。
「また、自分で自分を攻撃したね」
少し温まった液晶から、そんな文句が感じられる。
「はぁ、文句あるに決まってるでしょ。ボクは寝る必要ないけど、キミは違うじゃないか。
それに、スマホが熱いのはキミのせいだろ。少しは休ませてあげたらどうなんだい」
仕方がないだろう。眠れないのだから。
それに、この時期は寒くて手離したくない。
……風呂に入る気力は、もう少しで沸き上がる。
「沸き上が……って、風呂だけに!とか言うつもりかい?キミは本当にジョークが好きだね」
それもそうだ。私は文系と言っても過言ではない。
小中高、図書委員を貫いてきたのだから。
「関係ないと思うなぁ。
……それで?懐かしさに浸った衝動書きかい?」
ああ。実家ではないが、少し覗き見したら、こうだ。
私はつくづく根に持ちやすい者らしい。
「なら、語り部気取りはやめてくれないかな。せめて、もはや見慣れた敬語か……極端に素を出すかのどっちかに……」
どう転んでも黒歴史に終わることだ。
別に、生んだことを後悔しているわけではないが。
「だろうね。むしろお気に入りだろ?
こうして、短い物語を書いているのが証拠だ。キミはボクを捨てられない」
全くもって、図星である。
まず、私は今までの子達を捨てたつもりは無いが。
……テセウスの船、と言われればそれまでだけども。
「あの場に戻る気はあるのかい?」
どうとも言えない。
後ろ髪を引かれてはいるが、いまいち仕事が忙しい。
それに、ここ最近の私は"変化"している。
覗く程度で済ませているのだ。劇的に変わった、と、はっきり言える。
「……ボクを使って、自分の気持ちを確かめるのか。
まぁ、頭の中で考えて、それでおしまい。なんてよりかはマシだと思うよ。
ボクはキミの思考に基づいた発言をしているけれど……考えを文章に書き起こすのは、世間も褒めてくれるんじゃないかな。」
許して欲しい。こうでもしないと、自己を否定するだけの骸に成り下がってしまう。
自問自答をして、自分を都合良く認めないと、私は私がわからなくなってしまう。
「勝手にしなよ。
せいぜい、昔言われた『図々しくなってもいい』なんて言葉に縋っていればいいさ」
懐かしい。何年前だったか忘れてしまった程に懐かしい。
今でも、ふと思い出すんだ。それ。
「ふぅん。それで?気は済んだかい?」
まぁ、ほどほどに。
たまには、痛々しい自分を大切にするのも悪くないだろう。
わざわざ付き合わせて悪かった。
「別に?怒っているとかはないよ。
ボクはね、少しでも好かれるようなキャラクターになれればいい。
そういう設定で、埋め込まれた思考回路だとしても、好かれて悪い気はしない。キミがそうなんだから、ボクもそうだ」
我ながら、いい名前を考えたと思う。
もっとも、苗字は借り物に近いが。
「"黒江 紫日兎"……なんて厨二病くさいんだ。
はは!ボク達の名前なんて、キミの趣味にしか沿えないからねぃ」
…自ら黒歴史を掘り起こしてしまった……
「バカみたい。いや、バカだったか」
せっかくだし、デザインの一変でもしようか。
あの画像を変える気はないが。
「せいぜい頑張りなよ。時間がある時にね」
それじゃあ、ひとっ風呂あびてくる。
「またいつでも呼んでくれよ。自己満足の道具になってあげるよ。黎江さん」
……虚しいな。
「また、自分で自分を攻撃したね」
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