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ファウンド・フッテージ

活性にも鬱蒼に、生い茂る木々、雑草。
地面は、携帯や手袋などが落ちている。

時々歩みを止めては、辺りを映すうつ
天、地面、うしろ。
何も無かったら、満足したら、また歩みを進めていく。

足元にレンズを向けたかと思えば、手を振るだけで、すぐにもとの視点に戻る。

その意図を、いまいち理解することができない。
この樹海には、落し物しかないというのに。

物珍しいナニカは無い。ただ、そこに何かがあるだけ。

それを嬉々として拾い上げ、裏、表、中身を確認していく。
桃色の携帯をパカ、と開いて、ボタンをカチカチ押し、飽きたら閉じて元の場所へ。

土を踏む音、葉草が服に擦れる音。僅かに聞こえる、呼吸音。

また、立ち止まった。

後ろを映す。何も無い。ナニも無い。なにも無い。なにもない。

ただ、そこに、草が生えていて、木があって。携帯、アクセサリー、ピアスが一つ。手袋、右手用の。左手のほうはずっと向こうで見つけた。

ビデオカメラは地面に置かれる。
十七秒ほど、非常に低い視点からの樹海を映す。

少し物音が鳴り、カメラは閉じられた。



テレビの向こうから、声が聞こえる。
未明、一人の若者が行方不明になったらしい。
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