05 おてて繋いで散歩しよ

 【注意! 現代地球設定です!】

 フーフーフフーンを使うと、手を繋ぎたくなる〜♪
 思わずそんな鼻歌が出るほどに、ミチルはご機嫌だった。
 
 エリオットとおてて繋いで、街をお散歩。
 道行く人がみんな振り返る。「なんて素敵なイケメンかしら」「隣のオクサマ(?)もとっても素敵」と思われている気がした。

「今日は随分と機嫌がいいな、ミチル」

「ん? うん、えへへ♡」

 だって隣には超絶な地球一(?)イケメンがいて、自分の手を握り、愛情溢れる眼差しで見つめてくる。
 これが幸せでなくて何だと言うの。
 ミチルはエリオットの手をぎゅっと握って、リズム良く振ったりしてみる。

「まあ、このおれ様と連れ立って歩くんだ、機嫌良くねえと困る!」

 ミチルが笑えばエリオットも幸せ。

「うふふふ! うんうん♪」

 そしてエリオットが幸せならミチルはもっと笑う。
 何これ幸せのスパイラルじゃん。究極の循環じゃん?

 おーててつーないで、ランララーン♡
 街行く人が二人を振り返る。「大丈夫かしら、あの人達」「美形だけど紙一重っぽいわね」──これが街の本音である。


 
「ミチル、スーパー寄ってくだろ?」

 歩みを止めたエリオットが、目の前のいつものスーパーを指差した。

「あ、そうだね。夕飯の買い物して行こう」

 おてて繋いで散歩の後は、一緒にらぶらぶスーパーなんて。

「うふふふ!」

 ──ほんとに大丈夫かしら、あの人達。

 二人の世界に雑音(街の声)は聞こえない。
 ウッキウキでショッピングを楽しむ気マンマンのミチルであった。



「ダメったらダメ!」

 だが数分後、らぶらぶだった二人は突然の仲違い。

「イヤダ、これ買えよ!」

「先週も買ったでしょ! 月にひとつって約束でしょ!!」

「ヤダアァア! 買えよぉ! モケモンチョコレートぉ!!」

 エリオット(見た目が二十五歳)が地団駄踏んでお菓子コーナーから動かない。

「コレ! コレにぜってえキラシールが入ってる気がすんだよぉ!」

「買わないよ! 今月は色違いモケモンが出たって喜んでたでしょ!」

「でーもぉお、コレにおれはすんげえインスピレーションを感じるんだよぉ!」

「ダメ! 戻しなさい!」



 そんな押し問答を繰り返す事五分。いいかげんにすれ違う人のヒソヒソ声が冷たくなる。

「ミチルのケチぃい!」

 スーパーで。
 駄々をこねるイケメン。
 つまり、スーパーダダメンが爆誕している。近所ではそう揶揄されてもいる。

「も、ど、す!」

「……」

「も、ど、せ!」

「……チッ」

 惚れた弱みで大抵はエリオットが諦めるのだが、毎度の駄々こねが近所ではすっかり笑いもの。
 大変なのはこの後だ。ヘソを曲げたエリオットの機嫌を回復させなければならない。

「エリオットぉ」

「……んだよ」

「ボディソープ、切れそうだったよね。泡のやつ買ってこ」

 ミチルは身を切って特大のエサを投げた!



「! いつものヤツだな、取ってくる!」

 急に目をランランと輝かせて、エリオットは売り場へダッシュする。

「ふっふっふ、こいつはおれが管理するからな」

「はいはい」

 エリオットの目がにまあと笑う。ボディソープをしっかりと握って離さない。

「これを使えるのはおれだけなんだ。お前は黙っておれに洗われろよな!」

「はいはい」

「あわあわの、ふわふわで、お前の♡♡♡を丁寧に洗うぞぉ……♡」

 いやあん、外でそんな事言わないでえん♡ ……とか思っちゃうミチルである。

「はいはい、エリオットに、お・ま・か・せ♡」

「よぉーし、すぐ帰るぞ!」

 ──ヒソヒソヒソ!!(by 街の皆さん)



 スーパーダダメンは、家に帰ってスーパー♡♡メンに変身するのです……
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