【DKBL】カップルごちゃまぜ超短編チャレンジ!

 毎朝、ジュリの腕の中で目を覚ます。
 朝日に透けるジュリの髪。
 キレイだなって見惚れている。

 ややもすると、もっと綺麗な瞳が開く。薄い茶色の宝石が、光を宿してヨウタを映す。
 そこに映る自分はきっと抜けた顔をしているんだろう。
 ヨウタの朝は、忙しなく騒ぐ心臓をおさえる事から始まる。

「おはよ……ヨータ」

 ジュリが輝く顔で微笑むから、ヨウタは動けなくなる。
 もっともジュリが抱きしめる腕を離さないので、ジュリが起きるまでヨウタは身動きが出来ない。

「はよ……」

 毎朝ちょっと不貞腐れて呟く。
 ジュリばかりサマになっていて悔しいのだ。
 こんなにドキドキしているのは自分だけではないだろうかと。

「はあ……ヨータぁ」

「な、なんだよ」

 ジュリは呆れたようなため息を吐く。
 ヨウタには意味がわからない。起きたばかりなのに、まだ何もしていないのに。

「あのね、そういう顔、無防備にしないでくんない?」

「えっ、そういう顔って、どんな顔だよ?」

 ヨウタが聞くと、ジュリはますます深くため息を吐く。
 それから少しワルイ雰囲気を帯びて、ニヤと笑った。

「僕の事が好きで好きでカッコイーって言う顔!」

「ハ、ハアァ!?」

 体中の血が一気に熱くなる。ヨウタは慌てて飛び起きようとした。
 だが、力強くジュリに抑えられて仰向けのまま抱きしめられた。

「まだ起きちゃダメ」

「遅刻するだろ……」

「ダメ♡」

 重なる心音。それすらも愛しい。
 ジュリの全てが愛しくなっている。
 
 こういうのが恋愛ってヤツか。
 ヨウタはジュリの背中に手を回してそっと目を閉じた。
3/5ページ
スキ