Buona preghiera
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「ゔぉぉぉい!!!!!ふざけんじゃねえぞクソジジイ!!!XANXUSを元に戻しやがれ!!!!」
瓦礫まみれになった城とも呼べる大きな古い屋敷にスクアーロの怒号が響き渡る。
叫ぶ彼の傍らで他の仲間達も殺気を隠さず9代目を見つめる。
しかし、9代目は彼らの殺気を物ともせずに淡々と言葉を紡いだ。
「XANXUSにはこの件の主犯としてしばらく眠ってもらう。
君達VARIAは今後無期限の謹慎とする。良いね?」
「いい訳ねぇだろぉ!!元はテメェがXANXUSを騙したのが…」
「スクアーロ。もういいよ、帰ろう。」
「イリア!!!何言ってやがる!!!」
スクアーロの言葉を遮って私は口を挟んだ。
私も、もちろん怒る彼らと同じ気持ちだが、それ以上に
今の義理の兄…XANXUSをこの場に居させたくなかったのだ。
「ボスはもう動けない。私達だってこの完全に囲まれた状態じゃ、もう戦えない。これ以上犠牲を出す前に退がった方が良い。スクが一番わかってるでしょ?」
「チッ…」
舌打ちをしながらもスクアーロが納得したと認識して
私は再び9代目に向き合った。
「9代目、一つお願いがあります。」
「何かな、イリアーレ?」
「謹慎命令は受けます。けど、せめてボスの身柄は私達で預からせてください…」
9代目は私からの要望に少し悩んだ素振りを見せながらも
直ぐに私の目を見つめ直した。
「良いだろう。君達の好きにしなさい。」
「しかし!9代目!!こいつらは大罪人ですよ!!!」
「良い。大罪人であってもイリアーレが私の娘であることは変わりない。娘の願いは叶えてやりたいものだろう?」
「…9代目がそう、仰るなら…」
「ありがとうございます。行こう、みんな」
「イリアーレ」
了承を得て立ち去ろうとする私を9代目が引き止め、
目を細め何とも悲しそうな顔で言葉を掛ける。
「私は、君もそうだがXANXUSのことを血は繋がって居なくても本当の子供だと思っている。そして心から愛しているよ。それは今までもこれからもだ…」
「…それは今言うことでもなければ私に言うことでもありませんよ、9代目。」
私の言葉に9代目は目を伏せた事にも構わず私は話し続ける。
「ボスをこの姿にした貴方を私はもう愛する事は出来ないけれど、兄様は貴方のことを最後まで愛そうとしていましたよ。それだけ覚えて置いてください。さようなら、お父様-------」
その言葉を合図に私たちは屋敷を後にした。
そしてアジトへと帰った私たちを包むのは
冷たい冬の空気と、9代目から死ぬ気のゼロ地点突破を受け氷漬けとなったXANXUSの姿…すなわちボスを失い、作戦が失敗したことの絶望感だった。
その後、今回ヴァリアーが起こしたクーデターは
「ゆりかご」と呼ばれ私達は謹慎の名目の下、身を伏せる
生活を送る事となった。
仲間のみんなが希望を失っていく中、
私ただ一人だけが後に待っているかもわからない幸福を
祈ることをやめられずに居た。
そしてそれは今も-----------
あとがき
プロローグはお察しと通りゆりかごを大きく改変してお送りさせて頂きました。
本編はヴァリアー編くらいから始まります。
主人公の設定に関しては
年齢:17歳(ゆりかご時:10歳)
属性:雲(微量の大空)
生い立ち:元孤児院育ちだが既に9代目の養子となって居た
XANXUSに拾われる→ヴァリアー入隊
生い立ちに関しては本編で詳しくやって行こうと思います。
それではご閲覧ありがとうございました。