IFストーリー:龍が如く7(サブストーリー)
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全ての事が終わり
平和になった異人町は
今まで通りの生活を送っていた
ミッちゃんはマスターに言われ買い出しに出ていた
その間にある男がサバイバーに来店した
その時サバイバーにはマスターと俺だけがいた
「邪魔するで」とサバイバーの扉を開いたのは元近江連合若頭渡瀬さんだった
「渡瀬さん!!どうしてこちらに?」と驚きの声を上げカウンターの席で固まってしまった
「自分は荒川の所の」
「春日一番です」こちらへと俺の座っている横の席、カウンターの一番奥の席を勧め。渡瀬さんはその席に座り俺に向き直り話し始めた
「そうやった。春日や。後は・・・」
「今は皆出てます。それとこちらはここサバイバーのマスターです」
「そおか。この間は助かった礼を言う」
「で渡瀬さんは礼を言うためにこちらにいらっしゃったんですか?」
「それもあるがちゃう。会いに来たんや」
「誰に?」
「それは・・・」
渡瀬さんの声を遮り買い出し中のミッちゃんが帰ってきた。買い出しの袋を持った趙とハン・ジュンギも店の中に入ってきた。途中で合流し買い出しの荷物持ちを勝って出たみたいだ
「ありがとね2人とも助かったよ」
「いいよー美月ちゃんのためだからね」
「いえいえ、美月のためですから。今度から重たいものがある時は呼んでください。直ぐ向かいますから」
趙とハン・ジュンギは片手に買い物袋を持ってミッちゃんに答えていた
「ただいま・・・」
いつもならマスターに“ただいま戻りました”の声をはっきり言うミッちゃんの声は途中で途切れ渡瀬さんに釘付けになっている
「ごめん!2人ともこれもマスターに渡して」と言ったと思ったらミッちゃんは慌てて2人に持っていた買い出しの袋を預け今入ってきた扉を出ていった。荷物を渡された2人は驚いて固まっていた
「「美月?」」と振り返っても、もうミッちゃんは外に出てしまい見えない。荷物を持っている2人はミッちゃんを追うこともできずマスターに渡し2人とも俺の左隣に腰掛けた
「すみませんウチのスタッフが慌ただしくて」と渡瀬さんにマスターが言うが渡瀬さんは嬉しそうな顔でミッちゃんが出ていった扉を見ていた
「かまへん。変わってないようで安心したわ。驚いたり、予想外の出来事が起こると逃げる癖治ってへんのやな」とカウンター越しにマスターと渡瀬さんは向かい合った
「え?渡瀬さんミッちゃんと知り合いなんですか?」と俺は思ったことを質問していた
「そやあの家出娘はな。いらん責任を感じて家を出よった。あれはお嬢の所為ちゃう。どっち言うとワシらが悪いんや。親父もワシもお嬢があそこまで思い詰めてるなんて思ってもなかったんや。状況が状況でお嬢のこと後回しにしたら病院から消えとった。あんな傷でどこにいったかも分からん。ほんまに心配したんや。ずっと探しっとったし。いつ帰って来てもいいようにしとった。今回見つけたからには会いに行こうかと思うてな」
「え?家出娘って!あんな傷って?」
「なんや知らんのか?お嬢は元7代目近江連合会長黒澤翼の娘や。ワシの親父やった人の娘やで。ワシはずっとお嬢の面倒を見とったんや。お嬢が10歳の時からな。あんな傷っていうのは撃たれた傷や。丁度心臓の上の所や。もう少しずれとったら死んでたでお嬢は」
「「「ええぇぇぇぇ!!!」」」マスター以外全員が驚きの声を上げた。その時マスターの目が少し動いたように感じた。扉を気にしているように見えた
「ほんまに知らんかったんやな。お嬢はいつも大切なことは言わん。それを聞き出すのが大変やからな」
「そんなことないもん」
いつのにか帰ってきていたミッちゃんが扉の前に立って小さい声で否定していた
「ほんまのことやろお嬢」
「・・・違うもん。あの時は言っても聞いてくれなかったでしょ。そういう状況にお父さんが持っていってたから・・・で何しに来たの?」
「聞いてへんかったんやな。お嬢に会いにきたんや。それ以外になにがあるんや」
「そっか。もう会わないと思って蒼天堀行ったのに・・・」と迷子の子供のような声で俯きながら言うミッちゃんに少し呆れた、でも優しい声で渡瀬さんは答えた
「あほか、ワシがお嬢に気付かん訳ないやろうが。あの時は近江の若頭としてのワシやからな。若頭の責を果たしただけや。そしたらお嬢に話しかけることも出来んかったんや。ほんまは直ぐにでもお嬢の元にいきたかったんやで」と言いながらこっちに来いと言う素振りを見せる渡瀬さんにミッちゃんは抵抗もなく渡瀬さんの元に歩いていくがいつもより少し怯えているように見える
「どないしたお嬢?何そんなビクビクしとるん?・・・お嬢にワシは怒ってへんで。心配しとっただけや」と言い終わる時にはミッちゃんは渡瀬さんの目の前まで歩みを進めていた
「ほんまにどないしたんやお嬢?」と優しい声、優しい手つきでミッちゃんの頭を撫でる。撫でる??あのミッちゃんを?!と驚いている俺の横で趙とハン・ジュンギが悔しそうにしていた。この2人からしたら思わぬ伏兵に心が大いに荒れてそうだが今はミッちゃんだ
「なんで、勝さん。なんで」と今にも泣きそうな声で渡瀬さんになんでと伝えるミッちゃんはいている方が痛々しかった。守ってあげなくてはと思うほど弱々しかった
「ほんま、あほやなお嬢は。まあしゃーないか。勝っちゃんのこと気にしとるんやろ?」
「気にするよ!しない方がおかしいじゃん!直樹さんはお父さんに撃たれて亡くなったんだよ。お父さんの企みは前から知ってた。私助けられた。あの時もう少し早く着いていれば」
いつも冷静なミッちゃんが声を上げて渡瀬さんに訴えていることに俺は驚いた。いつも仲間の誰よりも冷静でこんなに感情の起伏があるミッちゃんを俺は知り合ってから初めてみた。どれだけ渡瀬さんに心を許しているかわかる。まだ俺はそこまでミッちゃんの信用を勝ち取れていなかったんだと思うと悔しくてしょうがない
「そやな、せやけどお嬢それはお嬢の所為やない。ワシや勝っちゃんの所為や。お嬢は堂島はんの命は救ったやろ」とミッちゃんを諭すように言う渡瀬さんの声にミッちゃんと渡瀬さんの間で何がったのかすごく気になった
「・・・」
「あの時ワシはなんでもっとお嬢と話さんかったんやと後悔した。お嬢に背負わせんでいい業を背負わせてしまった事に後悔した。あの時なんでワシはお嬢の横にいないんやと後悔した」
「だってあの時は!」
「そうや、“だって”とか“たら”“れば”なんて今言ってもしょうがないんや。今現在が全てやからな。それはお嬢もわかっておるやろ」
「分かってるだから今の私がいる」
「そやろうな。堂島はんに聞いたで。今回の解散後の策考えたのお嬢なんやろ。よう頑張ったな」
「うん」
「7年のうちに成長したんやな。予測が予知レベルになっていて驚いたわ。堂島はんも驚いとったで“すごいですね。これだけ的中するのは”ってな」と誇らしげに言う渡瀬さんは自分の子を褒められ嬉しそうにする親のソレだった
「・・・」
「で、お嬢はどこに向かって行ってるんや?ケンカも強くて頭も切れて。社会的地位もある」
「何言ってるの勝さん?私はバーテンダーだよ。バーテンダー以外になるつもりはない。他のジョブは全部マスターへの恩返しのためにとってるだけだもの」
「そうなんか?」
「そうだよ。会計士も税理士も弁護士もね。次はバリスタの資格でも取ろうかなと」
「ミッちゃん!弁護士資格もあるのか!」と俺は驚きの声を上げた。足立さんに聞いて弁護士の試験が難しいのを知っているから余計に驚いた
「去年司法修習を受けてたからさ私と連絡付きにくかったと思うけど?サバイバーにもあまり顔出さなかったしね」
「確かに去年は連絡付き辛かったかも」
「そう言われればそうですね」
ミッちゃんの言ったことに納得する2人を置いて渡瀬さんは話を続ける
「お嬢にとってそれは恩返しなんやな」
「マスターには7年前。拾ってもらった恩あるからね。今にも死にそうな17歳の子を何も聞かずに拾ってくれたから」
「何言ってやがる美月。俺はお前の素性を知っていただろうが」
「えっそうなのマスター?」
俺は驚きの声を上げマスターに向き直った。俺の横にいる趙とハン・ジュンギもミッちゃんの過去が気になるようで真剣に聞いている
「俺はお前が生まれた時から知っている。お前の出生の秘密も。5歳の時誰が里親になったのかもな。それでお前が幸せになれるならとお前を見送った。なのに久しぶりに会ったら死にかけ、家出して来たって言われたらすぐに調べたさ。俺にとってお前は姪っ子だからな」
「姪っ子・・・自分どっかで見たことある顔やと思ったら・・・」とマスターの顔をじっくり見て話そうとする渡瀬さんの口元にミッちゃんの手が遮る
「勝さんダメだよ。マスターはマスターだから」
「そおか。お嬢が言うならそれでええわ」
「マスターにも色々秘密があるんだねえ。ちょっと気になるかも」
趙が聞こうとするがマスターは秘密については話さなかった
「そりゃな。生きていれば秘密の一つや二つあるもんだ」
「へーいつか聞いてみたいもんだ。マスター」
「またいつかな」
「話変わんねんけど、お嬢はこれからもここで生活するんやな?」
「うん。そうだよ」
「さようか。それよりお嬢。家にいるあの男はもう解放してええんやな?」
「ああ!忘れてた。いいよ。ありがと勝さん。もし使えそうなら会社で使って」
「あの解散式後家に帰ったら見知らぬ奴がおって。西原に聞いたら手紙を持って来たんや。ほんまに驚いたで。使えそうやったら使うわ」
「あの家勝さんが住んでるでしょ。だから近江連合から逃げるには一番安全じゃない。勝さんは務所にいたから西原さんに頼んだんだけど正解だったね」
「何言っておるんや。あの家はお嬢のやで。ワシはあの家を管理しとっただけや」
「そうなんだ」
「で、あの男はお嬢とどう言う関係なんや。お嬢に心酔してんであの男。ほんまに何してん?」
「命を救っただけだよ」
「それがあれになるんか?お嬢の先見も考えもんやな。はあ、お嬢の人たらしは父親譲りやからしぁないか。さて、ワシは帰るわ。ほな」と言って席を立ちお代を置いて店を出て行った
「美月行ってこい」とマスターに言われミッちゃんは慌てて渡瀬さんの後を追って行った
「大丈夫か二人とも?」
「春日くんさいつも通り野暮だよね」
「そうですね」
「美月にとって渡瀬は大切な奴だからな。変に拗れてたからなこれで美月のわだかまりが無くなればいいんだがな。そうなるとお前たち二人からしたら溜まったもんじゃないか?」
「「・・・!」」」
「それってどう言うことだマスター」と言うと先程渡瀬さんを追って行ったミッちゃんが笑顔で店に帰って来た
「おかえり美月」
「ただいまマスター」
「大丈夫だったようだな」
「うん。ありがとうマスター」といつもよりニコニコしているミッちゃんを見て横の二人を見ると渡瀬さんに嫉妬しているようだった
END
おまけ
ここからイチさんとの会話だけ
↓↓↓
「ミッちゃんおかえり」
「ただいまイチさん」
「よかったな。で、よければ詳しく教えてくれるか?」
「何を教えればいい?」
「うん?何でそんなにニコニコしてるのか?かな」
「勝さんのメッセージID聞いたからかな。前、BJの事務所行き時言っていた。『縁はつながりますからね。色々と今回の事で私は今まで途絶えていた縁もまた繋がるような気がするんでるよね』の途絶えていた人が勝さんだよイチさん」
「ああ、あの時言ってた!あれが渡瀬さんだったのか。なら蒼天堀に行った時言ってくれればよかったのに」
「ふふ。あの時イチさんにそんな余裕はなかったと思いますけど。でもあの時会わなかったから全てが上手くいったと思いますから。あれでいいんですよ」
「でも、話したかっただろ」
「まあ、それはそうですね」
「にしてもミッちゃんは色々と出てくるな」
「そうですね。色々ありますから色々と」
「後何個ぐらい驚きの事実があるんだ?」
「うーん、2つ、いや3つかな」と少し考えてから言うミッちゃんに俺はまた驚きの声を上げてしまった
「そんなにあるのか。それはいつか話してくれる内容なのか?」
「どうだろう。2つは話す予定だけど。後一つはわからないや」
「そうか話せるようになったら話してくれな!」
「うん。ありがとうイチさん。さてとご迷惑おかけしたので私から一杯サービスしますね。何がいいですか?」
「お、いいのか?じゃミッちゃんのオススメいただこうかな」
おまけのおまけ
メッセージアプリ《勝さん》