一章 運命を変える出会い
次の日、何故か僕はまた
この店にきていた
「なんなんだいったい・・・」
替えの車は故障していない
学校終わり、迎えをまってた筈なのに自然と足がこちらに向かっていたのだ
「連絡しないと・・・」
普段まったく使わないがこういう時は便利だなと思いながら
運転手にメールを送っとく
「本当・・・僕は何をやってるんだ」
車なんて待たせておけばいい
ここからすぐに立ち去ればいいのに
「それはアナタがココに来たいと望んだから」
「っ・・・!・・・いたのか・・・」
「そりゃココは私の店ですもの」
・・・やっぱり可笑しい
こんなに近くにいるのに
こんなにも普通に話せてる
僕は女が嫌いだ
この世のすべての女が
母も、使用人たちも
僕にとって特別な存在である女たちでさえ、例外じゃない
大っ嫌いな筈なのに
どうしてこんな、しかも黒髪の女ってだけでも嫌なのに・・・
女、壱原侑子はクスクス笑ってる
「今日は名前、教えてもらえるかしら?」
「教えなくても知ってるんだろ」
「ええ、でもアナタからちゃんと聞かないと」
「・・・慊人。草摩慊人」
「そう、慊人ちゃんね」
「ちゃんは辞めろ」
壱原侑子はクスクス笑いながら
手招いて店にあげようとする
「いらっしゃい、お茶を淹れてあげるわ」
帰らなきゃ、帰らなきゃいけないのに
僕は靴を脱いでこの店に上がってしまった
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