一章 運命を変える出会い
「願い?」
「ええ、私に出来る事なら
なんでもかなえてあげる」
女は頬に手を伸ばし
そのまま顎を撫でるが
僕はすぐさま振り払った
「そんなものはない」
「本当?」
「あったとしても、お前に教えるわけがない」
そうだ、何故こんな怪しい店にきたのかわからないが
こんな女に言うわけがない
「警戒心が強いのね、いいことだわ」
女は笑って答える
「アナタ・・・名前は?」
「・・・・・・」
「ちなみに私のなまえは侑子。
壱原侑子」
「聞いてない」
「まぁ、偽名なんだけどね」
「聞いてない!!」
なんなんだこの女は!!
「帰る!!」
「帰り方わかるの?」
振り返り立ち去ろうとすると
後ろから声がかかる
そうだ、道に迷ってたんだ
それでも・・・
「こんな所にいるよりマシだ」
「辛辣ねぇ」
クスクスと笑う女、壱原侑子を背に
出口の方に歩いてゆく
「またいらっしゃい。
草摩・・・慊人ちゃん」
「え?」
振り向くと店の中から外にでていた
僕は名前なんて名乗ってない
なのになんであの女は知ってるんだ?
戻って問いただすべきか
迷ってたところに
「慊人!!」
見知った顔、紫呉が前から走ってきた
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