純愛 番外編
ヒロイン名前設定
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文化祭2日目。
『…何か言いたそうだね(汗)』
私のデビルの衣装を見て、物言いたげな顔をしているクラピカ。
「…派手な衣装だな(汗)」
『え!?それって、変ってこと??』
「変とは言っていない。ただ派手だと言っている」
『うちのクラスの人達は、みんな派手なの!!』
「そうか…だが、スカートも短いのではないか?」
心配げな目でスカートを見て言うクラピカ。
『短くないし、これが普通だよ!』
「そうなのか?だがそれでは他の男がいやらしい目で見てしまうだろう…(汗)」
『誰も見ないよー!…なんかクラピカ、お父さんみたい』
「…………(汗)」
とボソッと言うと、クラピカは深いため息をつき、それ以上何も言ってこなかった。
私は約束通りクラピカと回っていた。
『ねねっ、次どこ行く?』
今日もホスト姿のクラピカに聞くと、ここに行くかとパンフレットに指差した。
それは私の大好きなチュロス屋!!
『行く!!まだ一回も食べてないし♪』
「では行こう」
私とクラピカはチュロス屋に向かった。
チュロスで思い出したけど、高1の文化祭は私とクラピカはまだ付き合ってなくて…
でもクラピカが私の分のチュロスも買ってきてくれてたんだよね。
それで教室でやってたアイドルのライブを鑑賞してるとき、クラピカがチュロスを食べさせてくれて、それで…
初めてクラピカにキスされたんだっけ。
きゃーーーー♥
思い出しただけで恥ずかしい!!
でも、最高の幸せ過ぎた文化祭だったなー♥
私達はチュロス屋に着き、メープル味のチュロスをクラピカにおごってもらった♪
「食べるか?」
そう言ってチュロスを持ち、私の口に近づけるクラピカ。
高1の時と一緒だ。
でもあの時とは違う。
いま私とクラピカは付き合ってるから、前程は恥ずかしくない…
パクッ
チュロスを一口食べ、口でもぐもぐしながらクラピカを見つめた。
「美味しいか?」
クラピカは優しく笑みを浮かべながら、私の唇に付いた砂糖を親指でふき取る。
『うん、美味しい♥』
今もこうしてクラピカと文化祭を過ごして、チュロスを食べさせてもらってる私…
本当に幸せ♥♥♥
「お二人さん♪何いちゃいちゃしてんだァ?」
なんて言いながら二人組が近づいてきた。
『レオリオ、香奈江!』
2人は手を繋いでいた。
「お前らもチュロス買ったんだな!俺達もさっき食ったんだ!」
「そうか」
「つか俺らそろそろクラスの当番じゃねーか!?」
教室の時計を見て慌てて言うレオリオ。
『そうなの?じゃあ私、香奈江と回って…』
そう言ったとき…
「いや、待っていろ」
と言われる。
『…待ってる?』
「テーブルで待っていてくれ」
あぁそうか、香奈江と回ってたら愁登くんと会った時の昨日と同じパターンだ。
『了解』
そう言って私達は『メイドクラブ☆ホスト喫茶』へ向かった。
「ねぇねぇっ」
その途中、他校の生徒の女の子二人組に話しかけられた。
…てゆうか愁登くんと同じ学校の制服…?
一人は普通の子だが、もう一人は完全なギャルだった。
…なんでこの二人仲良いんだろう?
なんて関係ないのに思ってしまう。
「何か用か」
クラピカが冷たく答える。
「ホスト喫茶んとこのクラピカくんだよね?うち昨日めっちゃカッコイイと思ったんだよね!」
「よかったら一緒に写真撮ってください」
そう言われ、クラピカは面倒くさそうな顔を浮かべる。
『…いいじゃん、せっかくの文化祭だし』
私がそう言うと仕方ないと言う顔を浮かべて二人の間に立つ。
その時、派手な女の子にキラッキラのデコレーションされたスマホを渡された。
「写メよろしく」
『はぁ…』
と愛想笑いを浮かべてスマホを受け取る。
『撮るよー』
適当にそう言ってボタンを押す。
ピロリーン、そう音が鳴ると私は画面を確認する。
『これでいいかな?』
そう言うとギャルは私からスマホを取る。
「OKOK、サンキュ。今からどこ行くの?」
ギャルは馴れ馴れしく聞いてくる。
『…クラス』
そう呟くと…
「じゃあ私らもお腹空いたし行こ、詩織」
「うん」
そして私達はクラピカのクラスに向かった。
「たくっ、モテる奴は大変だな~(汗)」
と見ていたレオリオが他人事のように言った。
「…………」
クラピカは無言でクラスに向かう。
クラピカとレオリオは裏?から教室に入って行き、私と香奈江は気が遠くなるような列に並んだ。
「あれ、あんたは入んないの?」
ギャルが話しかけてきた。
『私クラス違うし』
「え?クラピカくんとどうゆう関係?」
『一応付き合ってるけど…』
「マジで!?見えなー」
…クラピカに釣り合うような女じゃなくてすみませんね。
なんて苛立っていると…
「梓、失礼だって」
と詩織ちゃんが言う。
しばらく話し、ようやく教室に入る。
「いらっしゃいませ」
ホストの格好をした男が案内してくれた。
テーブルに案内され、私達は4人で座った。
そこで私はずっと気になっていたことを聞く。
『二人は佐熊愁登って人と同じ学校だよね?その人のこと知ってる?』
そう聞けば梓ちゃんが答える。
「あー…佐熊くんは結構有名だよ」
「結構モテるけどー…」
『けど?』
梓ちゃんの言葉に首を傾げる。
「派手な子とよく話してるけど、可愛いギャルとか愁登のタイプじゃないみたい。愁登が今まで付き合ってきた子は可愛くない子が多いんだよね」
そう言いながら頼んだジュースに口をつける梓ちゃんに詩織ちゃんが注意を促す。
「可愛くない子って失礼だよ」
「別にブスって言ってないしー。でも基本地味だよねー」
そんな二人のやりとりを聞きながら、そう言えば愁登くんの友達も『ウケるー』とか言ってたな…なんて考える。
何がウケるのか分からないけど。
でも私に失礼だろ、なんて思いながらも別に好かれたい訳じゃないし気にしないけど。
…とそのとき、
「おっお客様!?」
「大変混んでいるのでちゃんと並んで…」
「っるせーよ!!」
騒がしい声がする。
嫌な予感がした私は入り口に背を向けて俯く。
だが、激しい足音が近づいてきた。
「見つけた!!」
そう言いながら声の主は私の肩を掴む。
『…っひゃ』
私は思わず声を漏らす。
目の前に座る梓ちゃんが…
「あり?愁登じゃん、凛と知り合い?」
とめちゃくちゃフレンドリーに話しかけた。
恐る恐る振り返ると私の肩を掴む張本人が愁登くんであることが分かった。
「ん?梓じゃん、お前こそ凛と知り合いかよ」
「さっき友達になったじゃんね?」
そう笑いかけられ、私はそこでニコッと笑い返すほどメンタルは強くない。
ともかく、肩を…肩を離して欲しい。
「凛、一緒に回ろうぜ」
…嫌だ。
今日こそ私に復讐しようとしてるもん!!
「愁登くんひょっとして凛ちゃんのこと好きなの?」
詩織ちゃんがそう聞く。
私と愁登くんの関係は全っくそんな甘いものじゃ…
「っそうだよ!!」
愁登くんがいきなり叫んだ。
その瞬間、店内は一気に静まり返った。
私は目を丸くして愁登くんを見る。
……え?
まさかの展開に私は驚きを隠せないでいる。
何コレ、ドッキリ?
あぁ、そう言って私を安心させといて後から利用するとかそうゆう話?
愁登くんの言葉が嘘にしか聞こえなくて、頭の中がごちゃごちゃする。
「本気だから。だから凛、俺と付き合え」
愁登くんは命令口調で言ってきた。
私に彼氏がいるということを知っている何人かの客や店員が私に憐みの目を向けている。
『…あの、私愁登くんがそんなこと思ってるなんて知らなくて…えと』
その時、私以外言葉を発していない静まり返った店内でクラピカが低い声で発した。
「お待たせしました」
私のテーブルからそう離れていないテーブルに頼まれたメニューを置いていた。
その際、一瞬だけクラピカと目が合った。
「知らなくてもいい、これから知ればいい」
愁登くんが真剣に言ってきた。
私がぶつかったことネタにして強引にでも付き合わせるような人だと思っていた。
なんて考え事をしていると愁登くんと目が合った。
「俺、凛が好きだ」
改めて言われると恥ずかしい。
『あの、私…付き合ってる人いて』
そう言った瞬間、愁登くんの目付きが変わった。
「誰?」
私はさりげなくクラピカに目を向けるがこちらを向いてもいない。
あくまで関わる気はないらしい。
私が黙ると愁登くんが…
「誰だよ!!」
と言いながら私達が座っていたテーブルを蹴った。
「っきゃ」
香奈江が小さく叫ぶ。
「愁登落ち着きなって。凛にはカッコイイダーリンがいるんだよ」
梓ちゃんがそんなことを言う。
「連れて来いよ、そいつ」
低く、怒り気味で言う愁登くん。
クラピカが登場したら、どうするのだろうか。
…な、殴るのかな。
そう考えると顔がサーッと青くなる。
「おいクラピカ、何とかしろよ!」
「このままじゃこの店荒らされるって」
そんなひそひそ声が聞こえてくる。
クラピカどうするんだろ…
そう思ったとき。
「…お客様、ここは一応店内なのでもう少しお静かにお願いします」
冷静で丁重に注意を呼びかけたのはクラピカだった。
「うるせーよ、関係ねー奴は黙ってろ」
愁登くんが睨み付ける。
バリバリ関係あるんだけどね。
「いや、ここで騒ぐのは止めろと言っている」
「『止めろ』って客に向かって言ってんのかてめぇ!!」
愁登くんがクラピカに少しずつ近づいていく。
私を含む周りの人たちが息を飲む。
「…店から出よう。他の客の迷惑になる」
「上等だ、コラ!!」
そう言ってクラピカと愁登くんがこの場から去る。
もちろん私も半強制的に連れて行かれたのだが。
「俺今めちゃくちゃイラついてんの分かる?」
ここは駐車場の奥にある少し広いペース。
文化祭真っ最中の今、人が来ることはまずない。
『あのっ…愁登くん、関係ない人巻き込むのはどうかと…』
知らん顔したお返しに『関係ない人』を強調して言ってやった。
「うるせーよ」
そう低い声で愁登くんが言った瞬間、やっぱり不良は不良だなと実感してしまった。
「てめぇも何とか言ったらどうなんだよ」
さっきからクラピカは黙っている。
クールだから何を考えているのかは分からないけど、殴り合いの喧嘩はしたことないはず…
「暴力で私を黙らせたところで、この女はお前を好きにはならない」
そうクラピカが言った瞬間、愁登くんはクラピカの左頬を殴りかかった。
しかしクラピカは瞬時にその攻撃を避ける。
綺麗に交わしたクラピカに更に腹が立ったのか、愁登くんはクラピカに何度も殴りかかる。
だが、一発もクラピカの体に触れられず、クラピカは愁登くんの後ろに回り、左腕を捕えた。
「…っ!離せコラッ!!」
腕を拘束されて身動きが取れない愁登くんは顔を歪ませて怒鳴った。
クラピカは冷たい目で愁登くんの頭を見つめる。
「貴様に良いことを教えてやろう。凛の彼氏は、この私だ」
愁登くんは目を見開き、無理矢理クラピカの腕から逃れる。
「てめぇ…ッ!!」
解放された手でクラピカの胸倉を掴む。
そして愁登くんはクラピカの左頬を殴った。
『っきゃ!!クラピカ!!!?』
私はそう叫んでクラピカのところに駆け寄る。
クラピカは愁登くんを睨み、冷たく言い放つ。
「…今のパンチ、まさか全力か?」
その言葉で更に怒りに燃えた愁登くんは、再びクラピカの胸倉を掴む。
「ちょっ…!!」
一瞬、驚きの余り声も出なかった。
『っもう止めて!!人に暴力振るうなんて最低だよ!!』
そう言った瞬間、愁登くんは私を睨み付ける。
「勝手にしろ、お前なんかもう知らね」
そう言って愁登くんは近くの壁を思いっきり蹴り…
「…でも昨日は楽しかった」
と私に聞こえるか聞こえないかくらいの声で呟くと去って行った。
愁登くんがいなくなると、私は安心したのか涙が零れ落ちてきた。
クラピカは優しく話しかけて来た。
「何故お前が泣くんだ」
体育座りの状態で表情は腕で隠れてよく分からないけど、殴られたときに切れた唇が痛々しかった。
『なんかホッとしたら泣けてきて…。ごめんね。殴られたとこ、大丈夫?』
そう聞くと…
「大したことはない、少し痛むがな」
と言って少し笑顔を見せてくれた。
でも私は直ぐに気まずくなって俯く。
「凛...」
そう言われて顔を上げると…
ちゅ…
唇に柔らかいものが当たる。
血の味が少しした。
『…クラピカ?』
なんだかいつものキスと違う気がした。
「調度時間だ。このまま回るか?」
クラピカは立ち上がり、私に手を差し出す。
『うん』
クラピカの手のひらに自分の手を乗せて、手を握られ、私は立ち上がった。
私とクラピカは校内を回った。
すると…
レオリオと香奈江に再会し、声をかけられる。
「おいクラピカ!顔どうした!?」
クラピカは私の方をチラ見してから…
「転んだ」
「ハァ?転んだァ!?ウソつけ!!あのヤンキーにどうせ殴られたんだろ!?凛は変な奴に好かれるなー!」
『別に好かれたくて好かれた訳じゃないし!私もこんなこと初めてでビックリしたんだから!』
とレオリオに言った。
「クラピカくん、でもなんで教室(ホスト喫茶)で彼氏だって言わなかったの?」
香奈江の質問に私はピンときた。
ナイス香奈江!!
確かになんであの場でカッコよく「私が彼氏だ」なんて言ってくれなかったんだろ??
『そうだよ!なんで言ってくれなかったの?』
と聞いてみると…
クラピカは一つため息をついて、答えた。
「私があの状況で言えば、奴を誰にも止められなくなるだろう」
…あ、そっか。
確かに言ったらそのままクラピカに殴りかかって、店は大騒ぎだったかも。
さすがクラピカ。
「ほら、あの人他校の人と…」
あの時店内にいた人達はクラピカの怪我の理由が分かるみたいで、ひそひそと話し声が聞こえた。
文化祭も終わり、ほとんどのクラスが片付けを始めた。
もちろん、私のクラスも。
「水上さん今日さー、昨日一緒に回ってたK高の人に告白されたんでしょ!?」
クラスメイトの女子に言われ…
『聞いてたの?』
と聞けば…
「私はバッチリ見たよ!!てか結構後輩とかにも広まってるみたいだよ」
そんなに!?
そう言われて私はため息をついた。
帰り道。
隣を歩くクラピカは唇の横に絆創膏が貼ってある(私が貼ったんだけど)
申し訳ない気持ちで小さく声をかけた。
『…顔、痛いよね?』
「大丈夫だ」
とクラピカは素っ気なく答えた。
『クラスの人に何か聞かれた?』
「皆、私の傷の訳を知っていたから笑っていた」
…笑われたって。
「もう気にするな。お前が怪我をしなくて良かった」
そう言われて、思わずドキッとしてしまう。
クラピカは私の顔を見ずに…
「見るな」
と言って、ちょっと恥ずかしそうだった。
昨日と今日の二日間。
恐くなったり、驚いたり、泣いたり、笑ったり…と、とても忙しかった。
相手を殴る強さより、私を守る強さを持ったクラピカは、いつもの100倍ずっとかっこよかった。
高校最後の文化祭は…
クラピカをよりもっと大好きになったのでした♥
ありがとう...
クラピカ。
これからもずっとずっと、大好きだよ。
next…