純愛 番外編
ヒロイン名前設定
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ホテルに到着し、ロビーに一旦全員集まった。
「部屋割りだけど、私は莉子と。クラちゃんママはクラウスくんと。で、香奈江ちゃんとレオリオくんは同じで…凛はクラピカくんとね」
そう言ってそれぞれ部屋カギを渡すお母さん。
『うん。でも…』
「7時にご飯だから、そこ(右奥)のレストランに来てね。それまでお風呂とか自由にしちゃいなさい。じゃ、またね~」
お母さんは私のそんな言葉に気にも止めずに、エレベーターへと向かって行った。
どうやら皆無を言わさず私は今夜、クラピカと同じ部屋を使うらしい。
皆は笑って話しているのに、緊張で黙り込んでしまう私。
部屋に到着し、一緒に歩いていた香奈江とレオリオが隣の部屋に入るとクラピカがわざとらしくため息をついた。
『…そんなに嫌なの?』
「何がだ?」
『私と同じ部屋』
と尋ねれば当然のごとく
「そうではない」
と素っ気ない返事が返ってきた。
荷物を抱えたクラピカと私は部屋のドアを開けた。
その部屋を見た瞬間、私は目を大きくした。
大きな窓の外は、綺麗な海の景色。
清潔感溢れるカントリーな部屋で、ソファーとテーブルとダブルベットが一つ…
って、ダブルベッド!?
もうっ、お母さん!!
思わず固まってしまう私。
しかし、クラピカは…
「いい部屋だな」
そう言って、いつもと変わらずの態度で荷物を床に置いた。
『うん、そ、そうだね』
クラピカと一緒に住んでるのに、こうゆう場所で二人きりは…
なんだか新鮮で、緊張しちゃう。
クラピカは全然普通だし…私も普通にしなきゃ。
それにしても、同じ部屋になったのになんでこう平然としてられるのかなぁ?
初旅行なのに余り楽しそうに見えないし…
浮かれてるのは自分だけな気がしてきた。
コンコン…
ドアをロックする音が聞こえて、私はドアを開けた。
「準備終わった?一緒に温泉行こ!」
『香奈江!うん、ちょっと待っててっ』
そう言って荷物から洗面用具と下着を小さめの鞄に入れて、香奈江とお風呂場へ向かった。
クラピカとレオリオは二人で部屋に残ってるらしい。
「なんか旅行ってわくわくするね!」
香奈江が笑顔でそう言い
『そうだね』
と小さく返事をした。
…私だって最初はそう思ってたよ。
「何かあった?」
『え、なんで?』
「そんな顔してるから」
…さすが香奈江。
『何もないよ』
「………………」
『や、本当何もないよ。ただ、私が…』
そう、私が浮かれて張り切り過ぎてただけ。
クラピカはいつもと変わらない。
黙る私を見て香奈江は…
「せっかくの旅行なんだし楽しも?」
と言った。
『うん。なんかさ…クラピカっていつもクールだからさ。こうゆう旅行の時はテンション上がるのかなと思ってたんだけど、いつもと一緒だしさ。余り楽しそうに見えないし…』
「凛さっきから自分のこと責めてない?期待してた自分が悪いんだって」
…図星だ。
っていうか実際そうだ。
突然だったけど初旅行だから楽しんでくれるのかと勝手に勘違いしてたから…
クラピカはいつもと変わらない…。
何も言わない私に香奈江は…
「旅行だもん、少しくらい何か期待して当然だよ」
と優しく言ってくれた。
お風呂場に着き、私と香奈江は服を脱いで体を洗った後、露天風呂に浸かった。
平日の夕飯前だからかお客が全然いなくて、貸し切り状態。
『はぁ…気持ちいい~』
「あのね凛!私今日ね、レオちゃんとHするんだ…」
恥ずかしそうに、でも嬉しそうに言う香奈江に
『マジ!?』
と聞けば…
「うん、せっかくの旅行だし。実はね、私…今日が初めてじゃないの…」
なんて言われて、一瞬頭が真っ白になった。
『え、初めてじゃないって…もしかしてもうヤってたの!?いつ!?』
すると香奈江は恥ずかしそうに俯いて、申し訳なさそうに言った。
「うん…ごめんね。今年のお正月ぐらいにしたんだ。すごい恥ずかしくて凛にも言わなきゃって思ってたんだけど中々言えなくて…今日言おうと思ってたの」
お正月って…
えーーーー!!
『半年以上も前じゃん!!』
「うん…(汗)」
『あ、そう言えば確かお正月はレオリオが香奈江ん家に泊まったんだよね?』
「そうなの。そん時でさ…ほんとごめんね」
『いいよ、正直ちょっとショックだったけど』
色々忙しかったし、こうゆう話は中々言いずらいよね。
私はまだ処女だし。
じゃあ、二人はお正月から一度もシてないのか。
つかレオリオめ、彼女の家でスるなんて!
香奈江はもう経験済み…
レオリオとシたんだ…
…………
ヤバイ、なんか想像してしまう///
『あのさ…どうだった??』
「え、どうって?」
『やっぱり緊張したでしょ??』
「うん、めちゃくちゃ緊張した」
『レオリオに強引にされてないよね!?』
レオリオって肉食男子っぽいし、なんかそういうのに関しては強そうだし…
すると香奈江は首を横に振って…
「全然!むしろレオちゃんの方が私よりもすごい緊張してたかも…」
『まじで?』
レオリオの方が緊張…
なんか想像できない。
「凛は今日初Hじゃないの?」
なんて香奈江が言ってくる。
私は、2年以上もクラピカに我慢させてる。
…あんな真面目でクールなクラピカも男だもんね。
普通の男子だったら我慢の限界かな?
でも前回断っちゃったし。
だけどあの時とは状況が違う。
あれ?
スるの…かな?
そう考えた瞬間、顔がブワッと赤くなる。
香奈江は安心したように笑った。
「やっぱり凛もだね。恥ずかしいけど…せっかくの旅行だし、シたら二人の距離が縮まるし、昼間の分も楽しめるんじゃない?」
『…そうかな。つか香奈江、経験したらちょっと大胆になったね』
「え、そう?ただ…レオリオくんだから嫌じゃないかなって///」
恋する乙女のような香奈江に、私は可愛い♥って思った。
昼間は私が溺れたりとか色々あったしな…。
せっかくの旅行だもん。
距離は縮めたい。
それに…クラピカとなら嫌じゃないよ…。
.
クラピカside
「よぉ、お邪魔するぜー」
レオリオが部屋に訪ねて来た。
「さすが水上の母ちゃんだ。ホテルもキレイだし、何より香奈江と同じ部屋にしてくれたとはな!」
全く、幸せな奴だな。
と呆れながら吐いた。
「あぁ…」
「今日どうだった?」
「普通だ、とりあえず疲れたな」
「水上、まだへこんでるか?」
「いや、少しは元気になったが…」
「部屋に行くまで全然喋ってなかったみてーだが、喧嘩したか?」
とレオリオが聞いてきた。
「多分私が悪い。せっかくの旅行だから優しくしようと思う」
「それはいい考えだ、水上初めてだろ?最初から激しくはいかんな」
親父臭いレオリオを呆れた目で見つめる。
「…お前、何の話をしている」
「え?だから夜の…」
「馬鹿か」
「は?お前はそうゆうこと考えてねえのか?」
「…考えている。先程も言ったが凛が嫌ならしない」
「別に嫌じゃねーだろって」
…これでも1回拒否られているのだよ。
「お前はどうなんだ?永井は嫌がらないのか?」
「まぁ最初はちょっと嫌がってたがすぐに受け入れてくれたぜ?俺も初めてだったから俺のが緊張で嫌がってたな。男がリードしなきゃダメだな」
「そうか…」
あの永井が、直ぐに受け入れたのか。
「お前今香奈江のエロい想像したろ?」
「何を言う、馬鹿なこと言うな」
そんな話をして、私達も温泉に向かった。
レオリオが服を脱ぎながら
「今日は念入りに体洗わねーとな」
と言い出すから私は軽くそれを聞き流した。
温泉を出て凛と永井を待つ。
二人が来てからホテルの中のレストランに向かって夕食を食べることになった。
美味しい料理をそれぞれ食べながら、レオリオと永井が今日の出来事を楽しそうに話した。
「今日レオちゃんったら、海で泳いでたらねー…」
「香奈江が超可愛くてなー」
私と凛はそんな話を聞きながら、特に自分達は話さなかったーーー…
凛side
夕食はバイキング。
私は好きな物ばかりをお皿にたくさん乗っけた。
クラピカは、バランスよく野菜も乗っけている。
この性格の違いよね…。
お母さんとクラピカのお母さんは楽しそうに話しながら夕飯とお酒も楽しんでいる。
「みんな、食べ放題だからいっぱい食べておきなさいよ。夜お腹空くからね」
「分かってるって」
そう言う莉子はデザートばかり食べている。
よく甘いのばっかり食べられるな~と思わず引いてしまう私。
夕食を食べ終えた頃、各自部屋に戻ると8時を回っていた。
ホテルに来てから初めてまともに二人きりになったから、なんだか緊張してきた。
それに、よ、夜の営みのことが頭にちらほら浮かんじゃって…
何話したらいいか分かんない。
クラピカは窓を開けて何を考えているのか、窓の外を眺めていた。
『…なっ、何か見える?』
そう言って隣に座るとクラピカはゆっくり私の方を見た。
…ヤバい、心臓うるさい。
顔近いし、こんな近距離でしかも真正面で見つめられたら…。
さりげなく視線を逸らすかのように窓の外に目を向ける。
『…わ、星綺麗だね』
満点の…とまでは行かないけれども、いくつもの星がキラキラと輝いている。
クラピカはそんな私の横顔をじっと見ている。
…め、めっちゃ視線が気になる。
どんどん赤くなる顔。
雰囲気に耐えられなくなって、その場から離れようと立ち上がった時、腕をグッと捕まれた。
『…っえ?!』
そのまま腕を引かれ、クラピカはそのまま私の体を抱き締めた。
『…クラピカ?』
恐る恐るクラピカを見上げてみれば、クラピカは私をじっと見つめて口を開いた。
「お前、何を考えている」
『…は?』
自分がさっきまで考えていたことを思い出して顔を真っ赤にする。
やだ、めっちゃヤりたいみたいじゃん!
クラピカは片手で窓を閉めて、私をお姫様抱っこしてベッドへと下ろし覆い被さる。
『っつ、何…んっ』
やだ、待って…まさかもう!?
クラピカの肩越しに見えていた天井も視界いっぱいにクラピカの顔が広がって見えなくなった。
『ちょっ…』
何度も何度もキスしてくるクラピカ。
いつものクラピカじゃないみたい。
最初は抵抗していたけど、だんだんクラピカのキスに目に涙が溜まるほど溺れて力が入らなくなっていた。
きっと今、私の顔は真っ赤だ。
クラピカはキスを一旦止め…
「すまない…だがもう止まらない」
と言ったかと思ったら私の胸に触れた。
『やっ、…ちょっと、待ってっ…』
私の言葉にクラピカは私を見つめた。
『その…準備してくる…』
「何の準備だ?」
『あの…女の子には、色々と…』
まだ歯磨きもしてない…
「駄目だ、これ以上は待てない」
そう言って再び私にキスを落とした。
クラピカは一旦キスを止めると…
『…待っ、あぁっ…』
浴衣のすき間から私の胸を触った。
「…まだ緊張しているのか?」
脅えたような目を向けたら…
「怖いのか?」
と聞かれる。
『こ、怖い…っ』
ギュッと目をつぶると、クラピカが私の頭を優しく撫でてきた。
「大丈夫だ…。何も怖がらなくてもいいのだから…。それとも私が怖いのか?」
優しく尋ねてくるクラピカに私は首を横に振る。
「絶対に優しくする…私を信じてくれ…」
そう言ってクラピカは私を優しく愛撫し、時にキスを落とした。
クラピカを信じてみたい…。
でも、本当にどうしたらいいのかもわかんない。
もし、私に幻滅しちゃったら?
クラピカ、後悔しちゃうかも…。
色んな不安が押し寄せる。
『や…やっぱり、待って…っ。その…』
嫌われるのが怖くて、小刻みに肩が震えてしまう。
「…まだだったか。十分我慢したつもりだったんだが。…凛がシたくないのなら、お前が望んでくれるまで待とう」
顔が無表情でも、クラピカの気持ちは声から伝わってきた。
ずっと…我慢、してくれてたんだよね?
「…。また無理矢理しようとして悪かった」
そう言ってクラピカが私から離れて、ベッドの端に移動し私に背を向けた。
『え…』
小さく呟けば
「近いと私の理性が崩れる」
と私の方を見ずに言った。
「まだ早いが、もう寝よう」
…ちょ、ちょっと待ってよ。
はだけた浴衣を直しつつ、私はクラピカの近くに寄る。
『あの…』
「何だ」
苛立っている様子のクラピカ。
『…嫌じゃない』
蚊の鳴くような声で言うと聞こえなかったのか
「もう寝ろ」
なんてクラピカは掛布団をかけてしまった。
…せっかくの旅行なのに、背を向けて眠るクラピカ。
ベッドの中で会話とか楽しみにしてたんだけどな…。
それに、私だって緊張はしたけどクラピカとヤる覚悟、してたよ?
クラピカの掛布団を捲り…
『ごめんね。ちょっと怖かったけど嫌じゃないよ』
と言った。
私の顔は多分真っ赤だ。
クラピカは少し目を丸くして
「知らないからな…」
と言って私の腕をぐいっと引っ張って自分の横に寝かせた。
『きゃっ』
クラピカは私の上に馬乗りになって…
「一つ断言しておくが、もう私は抑えが効かない」
と言って顔を首筋に埋めた。
『っあ…』
クラピカの手は私の感じるツボを的確に狙った。
初めて触れた男の人の体はとても大きく、とても温かくそして心地良かった。
「怖がらないでくれ、絶対に優しくする…」
クラピカの声と優しい目が、安心をくれた。
そして何度も唇を重ねてきた。
クラピカの唇はとても温かく…優しくて…。
こんなに不安なのに…こんなに恥ずかしいのに…
体も心も、何もかもがクラピカを求めている。
「凛…愛している…」
『クラピカ、愛してる…』
初めて言われた愛してるって言葉。
嬉しすぎて、幸せすぎて、私の目からは涙が溢れた。
そして二人は一つになった。
…一つになって、つながった。
なんか変な感じがした。
クラピカはきっと笑うかもしれない。
だから口に出さないけど、愛してるって言われて、愛してるって言って、一つになった瞬間ね…
幸せすぎて涙が出たんだよ。
クラピカと一つになれてね、すごくうれしかった。
後悔なんてしてない。
クラピカの愛をいっぱい感じて…
今までで一番幸せを感じた瞬間だった。
.
目を覚ますと時刻は夜中の3時だった。
クラピカが着せてくれたのか、私は下着をちゃんと着用していて、浴衣も着直してあった。
何より、私の頭の下にはクラピカの腕が。
つまり私はクラピカの腕枕で眠っていたようだ。
極めつけに私はクラピカに優しく抱き締められていた。
クラピカを見つめれば優しい顔をして眠っている。
『寝顔可愛いー…』
そう呟きながら私はまた眠りについたーーー…
そして朝、私は起こされた。
「…おはよう、凛」
『おっおはよう///』
クラピカの滑らかな鎖骨が出ているのを見て、昨日のことを思い出す。
私、クラピカと、とうとう…
キャー♥♥
どうしようっ!!
恥ずかしすぎて顔が見られない////
一人で思い出して浮かれていると…
「凛、朝風呂入るか?」
と聞いてきた。
『…入る』
そう言いながら少し寝癖を直して、部屋を出たと同時にレオリオと香奈江が隣の部屋から出てきた。
「あれ?お前らも風呂か?」
そんなレオリオの言葉にクラピカは
「そうだ…」
と呟く。
温泉に入ろうと浴衣を脱いでいる時に気付いた。
昨日は気付かなかったけど、昨日の情事の痕跡としてキスマークが至るところに残されていたようだ。
それを見た香奈江が…
「激しかったんだね♥」
なんて言ってくるから顔を赤くしてジッと香奈江を睨む。
『そうゆう香奈江は?シたんでしょ?』
と聞けば
「うん…最高だった」
と恥ずかしそうに言う香奈江に私はからかった。
『も~正直者~♥のろ気ちゃってっ』
温泉を出たら、昨日のレストランで皆は集まり、バイキングなのでそれぞれお皿に食べたいものを乗せていた。
「で、どうだったの?」
お母さんとクラピカのお母さんに囲まれて尋ねられる。
『え?ど、どうって?///』
「お兄ちゃん、男らしかった?」
そう聞いてくるクラピカのお母さんに、私は顔を真っ赤にしながらこくりと頷いた。
「きゃー♥おめでとう凛ちゃん!!」
「すっかり大人の女の子になっちゃってっ!!」
二人にからかわれる私。
この親は…どんだけ変わってるんだが。
「なになにー?何の話?」
すると莉子が興味津々で話に入り込んできた。
「中学生はまだいーのよ、ダーメ!」
「えー!?」
お母さんは莉子には教えずに目の前の料理をお皿に盛った。
「何となく想像はつくけどね」
とボソッと呟く莉子にギクッとする。
莉子はニヤリと笑って
「お姉ちゃん、感想聞かせて~♪」
『…ジュ、ジュース取りに行こっと」
「こら、待てえい!」
逃げる私を莉子は追いかけた。
旅館を出たらお母さん達が服屋を見て回っている間、私達は嫌がるクラピカを無視して6人でプリクラを撮ったりした。
そして夕方、旅館に戻って荷物を取り、料金を払うと私達は電車で帰った。
クラピカの隣でスマホをいじっていると…
ポン
クラピカが私の膝に小さな袋を置いた。
『…何これ』
そう呟くと
「お土産だ」
という素っ気ない返事が。
袋を開けたら小さな猫のキーホルダーが入っていた。
『ヅラにゃんこ!え、くれるの!?』
「あぁ」
ご当地ヅラにゃんこのキーホルダー。
クラピカが選んでくれたのか、と思うと嬉しくて思わず笑みが溺れてしまう。
莉子がそんな私とクラピカの様子をニヤニヤ見守っていた。
クラピカと初の海旅行。
そして、夜の初体験。
私は一生、この日を忘れない。
クラピカ…
愛してくれて、ありがとう。
私も、愛してるよ…
next...