番外編
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クラピカと結婚して幸せな専業主婦のわたし♡
最近、近所で仲良くなった独身の女の子と飲みに誘われて…
楽しく女子トーク!♡
だと思ったのに…
合コンなんて聞いてない‼
わたしは結婚してる素敵な旦那サマがいるんだってば~‼
しかもそこで知り合った男に誘われて
呑んでるし、記憶ないし…。
次の日にクラピカに言われた一言。
「かなり積極的だったぞ」
わたし、記憶のない間に
クラピカに何言っちゃったの!?
「ソフィアさん、つまんなそうですね」
目線を隣に向けると男がニコニコと笑っている。
これが楽しくやってられますかって。
隣に座っていたのは同い年で最近仲良くなった近所のクロエさん。
…だったはずなのに、いつのまにかそいつが座っていた。
はぁー…と私は本日、何度目かもわからないため息をついた。
帰りたいよ…。
二人で飲もうって誘われてきたのに、そこで待っていたのは5人の男達。
わたしは結婚してるって知ってるはずなのに!!
合コンなんて聞いてない!!
一人イライラする私の隣で男が…
「ソフィアさん?」
と話しかけてくるから
『まぁ、つまらないですから』
と素っ気なく呟く。
「うーわ、めっちゃ正直!男欲しくないの?」
その言葉にムッとする私。
なんか女バカにしてんのか、って言いたくなった。
『わたし結婚してるんで』
そう言って目の前のカクテルを飲む。
初めて飲んだカクテルは甘くて、ほぼジュースみたいだし、これなら飲める。
名前も知らない男はクスクスと笑って…
「結婚してんの!?マジで!?ソフィアさんだってまだ若いっしょ!?その歳で結婚とかありえねーっ」
なんて言ってきた。
完全にムカついた私はお酒をこいつにぶっかけたいのを堪えて…
『私の勝手でしょ』
と大人の反応。
チラリと横を見ればまだニコニコしてる男。
ホント、帰りたい…。
合コンって分かった時点で帰ろうとも思った。
だけどクロエさんに頼まれたんだ。
合コンに好きな人がいるから私に協力してもらいたいと。
しかも目を潤ませて。
他のコに頼めばいいのに。
でも女の子の涙に弱い私は帰る事も出来ずに残ったわけだ。
しかし今、気づいたらクロエさんが男に変わっていて。
クロエさんを探してみると目当ての人の横で…
しかも大胆なことに彼の膝に手を置いて話していた。
恋してる顔のクロエさん可愛いー
…じゃなくて。
協力頼んどいて何!?
一人でも大丈夫じゃん。
とまたため息をつく。
「ソフィアさんため息多いね。幸せ逃げるよ~」
ほっといてよ。
…わたし帰ろうかな。
そう思いながら時間の確認をしようと携帯を見る。
と、メールがきてる。
それはクラピカからだった。
<すまない。今夜は遅くなる>
と単調に書かれていた。
じゃあ今帰ってもクラピカいないじゃん。
たぶん夜10時まで仕事かもな。
はぁ…と浅くため息を吐くと…
「俺ら抜けまーす」
と明るい声が聞こえた。
そう言った人の隣で恥ずかしそうにクロエさんが笑って、私にピースを小さく合図する。
わーおめでとう。
…じゃなくて!
クロエさんがいなくなったらわたしどうすればいいの!?
てか、わたしいる意味ありました?
なんてだんだんイライラは頂点に近づく。
『はぁ…』
もういいや、一人で飲もう。
そう呟いてわたしは立ち上がる。
『わたしも帰ります』
今回の合コンのセッティングした人にそう伝えてお金を渡すと、その人は自分のことに精一杯なのかはいはいと軽く流された。
……。
店を出て気づく。
『何でついて来るんですか?』
振り返ると先程の男。
「だって他の人たち今にもちゅーしそうな雰囲気だったから気まずいかなーって」
ニコッと笑う彼の顔はまだ幼さが残っている。
『そうですか、さようなら』
そう言って足を早めると…
「真っ直ぐ帰るの?」
と何故か隣に並ぶ男。
『一人で飲むんです。あなたに関係ないでしょ』
強気で睨みつけてやれば…
「いーとこ知ってるよ。一緒に飲もうよ」
なんて言われる。
『嫌です』
速攻で答えてやれば男はなんで、と眉を下げる。
あーもう!!
『わたし夫がいるの!超ラブラブなの!!』
そう言ってやるとしばらく沈黙が流れ、お互い見つめ合ったまま時が止まる。
見つめると言うより私は睨み付けていたが。
その時、男が吹き出した。
「ハハッソフィアさんめっちゃ自意識過剰だねー。俺別にソフィアさんのこと狙ってないし、ただ俺も飲みたいけど一人でって気分じゃなかっただけなんだけど」
そう言われ、私の顔は一瞬にして赤く染まる。
自意識過剰って…!!
…最っ悪。
しかも何、ラブラブなの!
とかいらない情報流してんのよ、わたし…
最近はクラピカ仕事で忙しいからラブラブでもないのに。
穴があったら入りたい気分だ。
「じゃ、飲みに行きましょうか」
これ以上変に警戒しても余計恥をかくだけだと思って大人しくついて行く。
大人しく、と言ってもいつでも逃げる準備は出来てる。
ホテルなんかに案内したらこいつの顔殴って全力疾走してやるんだから。
そう思っていると着いた場所は明るい居酒屋。
店員さんも明るいおじさんと綺麗なお姉さんだった。
親子だろうか。
直ぐに警戒心も薄くなってわたしは微笑む。
「ハハッソフィアさん今日初スマイルだよー」
そう言う彼に娘さんがサワーを私と彼の前に置きながら…
「ちょっと誰ー?この人、クラの新しい女?」
とニヤニヤしながら言う。
…クラ?
そう思いながらそっと彼女をチラ見する。
彼はそんな視線に気づいたのか、ニコッと笑う。
「こいつ、リンは俺の幼なじみ」
へぇー。
って、そうじゃなくて。
「クラって名前なんですか?」
そう聞くと…
「ソフィアさんホントに合コンに興味なかったんですね」
と呆れたように言いながら教えてくれた。
本名、ルシス・クラウド。
苗字の頭文字二つをとって『クラ』。
「ソフィアさんもクラって呼んでもいーよ」
『結構です』
と冷たくサワーを一口飲む。
夫の名前と同じなんてあだ名でも呼べない。
しばらく他愛もない話をしているとクラウドさんがバカにしたように言ってきた。
「ところでソフィアちゃん一気飲めないの?お酒弱い?可愛ーい」
実際お酒が弱い私は、さっきからちびちびと飲んでいる。
でもバカにするような言い方に負けず嫌いな私は思わず…
『まさか!!』
と言いながら一気に飲み干した。
『おかわり』
そう言ってクラウドを睨むと…
「やるじゃん」
と言われ、少し優位に立った気分。
ここで止めておけばよかったんだ。
調子に乗って強くもないサワーをガバガバと飲み始めて3杯目に入った頃には…
もう頭がクラクラするほどだった。
『キャハハ~ヤバイ~きーもーちー!ん?どお?わたしって、やればできんのよ~』
顔を真っ赤にして叫ぶわたしにリンさんが…
「もう止めたら?」
と言ってきたのは覚えてる。
しかし、クラウドは…
「いーよ、ソフィア可愛いから。はっちゃけちゃいなよ」
そう言って自分のビールを渡して来た。
彼がわたしのことを呼び捨てで呼んでくることに気にも止めていなかった私は、相当きていたはずだ。
『お!さんきゅ~クラいいやつなら~』
「ならって何だよ」
そう言ってプッと笑うクラウドさんを無視してわたしは一気に飲み干した。
そこからわたしの記憶は…
ーーーーーない。
「ただいま」
真っ暗な部屋。
…そうか、今夜は近所のクロエさんと飲みに行くと言っていたな。
まだ帰っていないのか。
パチン、と電気をつけて着替えるクラピカ。
適当にテレビをつける。
23時を回った頃、ソフィアが遅いことに気付く。
…遅いな。
そう思った時、携帯が鳴った。
『着信:ソフィア』
…電話?
終電逃したのか?
「もしもし」
「もしもーっし!ソフィアの旦那さんですか」
電話口から聞こえてきた声に頬が引き攣る。
ソフィアを呼び捨てにしていい気はしない。
「そうですが」
「こいつ今べろんべろんに酔っちゃって、まともに会話も出来ないんですよ」
え。
べろんべろんに…
私が黙ると相手は続けた。
「家も分からないし良かったら迎えに来てもらえませんか?無理なら今夜は俺んちに…」
相手が言い終わらないうちに答えた。
「大丈夫です。迎えに行きます」
場所を詳しく聞き、家を出た。
酔った女を家に泊めるなど、よく旦那に言えるものだな。
そう若干思いながらも、それはその男に下心がないことを示している。
私は言われた場所に車で向かった。
居酒屋に着き、車を止めると暖簾をくぐる。
…あれか?
というよりあれしかいない。
『これ水なんらけどービール欲しーい』
騒ぐ女の隣でニコニコする男と、困ったように笑う女と中年男性。
二人はこの店の人だろう。
「あの」
そう近づいたとき…
『あ!クラピカー!クラピカとクラ、上の名前がいっしょ~面白ーい』
とソフィアが笑う。
何を言いたいのか分からないが、とりあえず相当酔っている事だけは分かる。
「あぁ、この子の旦那さんですか?」
女が疲れたような顔をして言う。
凄く申し訳ない。
「すみません」
頭を下げてからソフィアの腕を引き、立たせようとする。
『キャー変態ー!さわらないで~!あれ、クラピカァ~?』
はぁ、と重いため息を吐く。
「…あの、失礼ですけどソフィアちゃん酔うといつもこうなんですか?」
控えめに聞く女性に私は答えた。
「いえ、酒が弱いからいつもはこんなになるまで飲まないのですが…」
そう答えると女は…
「もう!クラのせいじゃん!」
と叫ぶ。
何故私のせいなのだ、と一瞬思ったが…
女の向ける目が男の方を向いているから、私ではないと気付く。
「だって酔ってるソフィア可愛いから」
『あはー!可愛いとかぁ嬉しい!!ちゅーしちゃうもーん』
そう言ってソフィアが男に顔を近づけたとき、私はソフィアの肩を掴んだ。
…酔った勢いで何をしている。
『へ?』
そう言って振り返るソフィア。
「帰るぞ」
私がそう告げるとソフィアは…
『えー!やらやらぁ!!ソフィアもっと飲むぅ』
と騒ぎ出す。
…はぁ。
本当に勘弁してくれ。
嫌がるソフィアの腕を掴みながら会計を済ませると、ため息をつく。
「ソフィアの知り合いですか?すみませんでした」
男に謝ると、男は笑って答える。
「知り合いってゆーかまぁ…合コンで初めて今日会ったんですけどね。大丈夫ですよ」
…合コン?
初めて聞く単語に眉をひそめながらも頭を下げて、ソフィアをおんぶする。
『あひゃ~クラピカァ~今からどこに行くのぉ?』
「家だ」
『クラピカ冷たい~ソフィアちゃん拗ねちゃうよ?』
なんて一人で騒ぎ出す。
車に乗り、家に向かっている最中、テンションの上がった彼女は、とにかく煩かった。
「お前水でも飲んでろ」
そう言って私の飲みかけのペットボトルの水を渡すと…
『ビールがいい』
と答える。
「馬鹿か」
調度その時赤信号に差し掛かった。
『クラピカ…』
そう言いながらソフィアがそっと私の太腿に触れた。
ソフィアは余りボディタッチをしない方だから一瞬驚いたが…
「何だ?」
と冷静を装うと
『えっちなことしたい…』
などと言い出した。
「は?」
その一瞬青に変わり、車を発進させる。
…本当に酔い過ぎだ。
ソフィアから誘ってくるなど早々ある事ではない。
目が、本気で誘っている…
「馬鹿か、今運転中だ」
そう言ってあしらおうとするが、ソフィアの手が太腿から下腹部に移動した。
「…っ」
おい、よせっ!
普段したがらないソフィアが自らの私に触れるなど初めてだ。
あぁ…くそっ…
私はソフィアの手を掴んだ。
本能に打ち勝つのだ、オレの理性!!
「止めろ、お前酔い過ぎだ」
そう告げるとソフィアはムッとした表情を浮かべて言う。
『クラピカは私を抱きたくないってゆーの!?』
「…酔っているお前は面倒臭いな」
そう言うとソフィアは黙った。
大人しくなったか?
そう思って見ると、泣いているソフィアに少しギョッとした。
「おっ、おい」
そう声をかけると…
『なんれ面倒臭いって言うのお~…嫌いにならないで』
と泣き始めた。
…私のせいか?
そう思うと本当に面倒臭くてついため息を吐いてしまった。
涙は女の武器と言うが本当に強烈な武器だ…。
舌打ちをすると、車を道路脇に止めた。
そして、ソフィアの後頭部に手を回して強引にキスをする。
『あー!クラピカがちゅー』
酔った彼女は切り替えが早いのか、嘘泣きだったのか、すっかり泣き止んだ様子のソフィアが言い終わる前に再び口を塞ぐ。
『…んっ』
口をゆっくり離すと肩で息をし、目がとろんとしていた。
ソフィアが私に抱き着く。
『…クラピカ』
私はソフィアの腕を離すことが出来なかった。
…積極的なんてもんじゃない。
柄にもなく、私は頭の中で葛藤する。
『わたし、クラピカとならここででもいいよ?』
そう言って上目遣いを向けてくる。
…いや、いいよじゃないだろう。
と思いながら、私の心臓の鼓動は早くなる。
「…運転する」
小さく呟きながら抱きつくソフィアを放そうとするが、私の胸に顔を押し当てたまま首を振る。
『…離れたくないよ』
…本当に、誰なんだお前は。
普段のソフィアとかけ離れ過ぎている。
「家に着いたら、激しくしてやる」
そう言うとしぶしぶ顔を離し、私を見上げる。
涙目で見るな。
その瞬間…
ちゅ。
私の唇にぷっくりとした私よりも一回り小さい唇が当てられた。
「!!??////」
ビックリし過ぎて声が出ない私は、相当動揺していた。
『あ!クラピカ顔真っ赤ぁ~!かーわいい!!』
ニッコリ笑って言うソフィア。
くそ、帰ったら覚えておけ。
『ねぇ…今すぐじゃないとやらって言ってもダメ?』
ソフィアは若干回らない舌と上目遣いをしてくる。
「……駄目だ」
酔っ払っているソフィアを車でするなど、私のプライドが許さない。
それに近所に聞こえるほどの大声で喘ぎそうだ、今のこいつは。
そう思いながら運転を再開し、自宅に着いた。
…が。
「…寝てる」
すやすやと眠るソフィアは先程まであんなに酔っ払っていたのが嘘のようだ。
相当飲んでいたし仕方がないだろう。
「…私以外の男の前で二度と酒なんか飲むな」
と小声で呟いてからソフィアを抱き上げ、部屋まで連れて行った。
ベッドに寝かせるとアルコールの臭いのする妻に口づけてから私も眠った。
次の日。
ソフィアは昼過ぎまで寝ていた。
起こそうかとも思ったが、あれだけ酔っていたのでそのまま寝かせた。
しかし、しばらくしてからソフィアの部屋に様子を見に向かい、ドアにノックをすると…
『は~い…』
ソフィアの声が聞こえる。
やっと起きたようだ。
『…あれ、わたしいつの間に家に…って、頭いったーい。ガンガンする』
独り言を言うソフィアに私は声をかけた。
「おはよう」
『んー』
だるそうに返事をするソフィア。
「二日酔いだ」
『あー…だから頭痛いのか。確かに昨日飲み過ぎたし…あーもう一眠り。頭痛くて起きてられない…』
「ソフィア」
名前を呼ぶ私を鬱陶しそうに見る。
「昨日のこと覚えていないのか?」
『…昨日?』
ソフィアは少し考える仕草を見せてから適当に答えながら布団を被る。
『何かあったっけ?』
なんだか軽くあしらわれたように感じた私は、苛立ちを覚えながら布団を捲り上げた。
『ちょ、何!?』
驚いているソフィアにキスをし、黙らせる。
「私に黙って合コンか?いい身分だな。「クラ」って男と仲良く飲んで楽しかったか?」
昨日のことを思い出したら、無性に腹が立つ。
『…クラ?っあ!あれは…仕方なかったの』
小さく呟くソフィアを睨み付けて…
「は?」
と言うとソフィアは私を見上げ、少し大きめの声で言った。
『だって!合コンなんて知ってたら行かなかったし!クラと飲んだのだって成り行きで仕方なかったの!!』
何故か偉そうに言うソフィアに私は冷たく言い放つ。
「だが行った。『クラ』って男と二人で飲んでいただろう、合コンが嫌なら直ぐ帰って来い」
『だから、仕方ないじゃんってば!!』
「仕方がない…か?」
男とあんなに酔うまで飲んだことも、その一言で済ましたソフィアに腹が立つ。
私はソフィアの上に覆い被さった。
『きゃっ、ちょ、何…!?』
「あれだけ酔っていて記憶がないのだからな」
はぁ、とため息をつく私を見上げるソフィア。
『あ、あれだけ?』
小さく声を絞り出すソフィアにニヤリと笑顔を向けると青ざめる。
「かなり積極的だったぞ」
『…うそ』
「嘘ではない。店の人にも迷惑をかけたから、私が代わりに謝った」
『…それは、ごめんなさい』
頭痛いくせに知らない自分の行動にドキドキしてるのが丸分かりだ。
「『クラ』って奴にもキスするとこでな。昨日会ったばかりの男にソフィアと呼ばせるとは、いい度胸だな」
『キス?!嘘!!』
「お前、何故あんなになるまで飲んだ」
『…乗せられちゃって』
こいつ馬鹿か?
私はため息を吐くとソフィアに馬乗りになる。
「昨日、私に抱かれなくて怒っているのか?」
と怪しく笑う。
『…な、なんで私が怒るのよ』
「『私を抱きたくないってゆーの?』って言ったのはお前だ」
そう言った瞬間、ソフィアの目が大きく開いた。
『うそ!!』
「嘘ではない。では、望み通り…」
私はソフィアに覆い被さった。
言い訳はゆっくり聞かせて貰う。
だからその前に、お前を味合わせてくれ。
私はソフィアの唇にキスをもう一度落とした。
END♡