オリジナル編〚完〛
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ーーーーーあれから8年後。
ソフィアは32歳になった。
ピンポーン。
『はーーいっ!!』
待ってましたと言わんばかりのスピードで、ソフィアは玄関のドアを開けた。
そこには…
「ソフィア!!」
「久しぶり」
「よっ!!お邪魔するぜ~!!」
『ゴン~!!キルア~!!レオリオ~!!』
アレンが産まれる日に3人と出会ってから、12年ぶりの再会。
電話と手紙でそれぞれ連絡を取っていたが、住む国が遠いのと中々都合が会わない為、長年の再会になってしまったのだった。
身長が伸びて(172㎝)顔立ちが整っているが未だ童顔である27歳のゴン。
ゴンと同じく身長が伸びて(176㎝)、相変わらずポケットに手を入れて、すっかりイケメンになった27歳のキルア。
貫禄があり、大人の色気が漂うダンディな34歳のレオリオ(193㎝)。
すっかり大人になってしまった三人に動揺しながらも、懐かしい顔にソフィアの目に涙が溢れだす。
『すっごい久し振り~!!みんな、会いたかったよぉ~っ!!』
涙をこぼし満面の笑顔で言うソフィア。
「あ~あ、泣くと思ったぜ」
「ったく、相変わらず泣き虫だな~ソフィアは~!!」
「アレンが産まれる時に会いに来てくれた以来だもんねっ!!」
三人は涙を流すソフィアを見ながら笑いあう。
そこへ…
「こんにちは!!」
「…はじめまして」
玄関に姿を現した12歳のアレンと10歳のクレア。
三人は大きく目を見開いた。
「お!?ソフィアの子ども、こんなにデカくなったのか!!しかも娘は初めてだな!えっと、名前は確か…」
「アレンとクレアだ」
奥から聞こえた低い声に三人は目を向けた。
12年ぶりに見たクラピカ(33歳)の姿にゴンはそれは嬉しそうに笑って名前を呼んだ。
「クラピカ!!」
「久しぶりだな、皆」
「お~!!クラピカ!!すっかり父親面だなァ~!!元気だったか!?」
「あぁ、レオリオは…余り変わってないな」
「もともと老け顔だからな」
キルアの言葉にレオリオががおうと吠える。
「老け顔言うな!!ったく、オメェーらは何年たっても性格は変わらねーな!!」
『ゴンとキルア、すっごく背が伸びたね!!わたしよりも背が高いから一瞬誰かと思っちゃったよ!!』
「ソフィアはチビになったな!」
いたずらな笑みを浮かべて言うキルアに、ソフィアはわざと怒りながら言い返す。
『キルアが大きいのっ!さっ、入って入って!!今日はゆっくりしてってね♡』
ソフィアは急いで大量のご馳走を準備する。
クレアは出来上がった料理やお皿やグラスを運ぶなどの手伝いをしていた。
クラピカとレオリオは二人でお茶をしながら久々の会話に盛り上がっている。
ゴン、キルア、アレンは格闘テレビゲームに夢中だった。
「あ~!!また負けたぁー!!」
「キルア!もっと手加減してよ!これじゃあオレ達勝てないよ!」
「へへー。ゲームには絶対負けねー!つかアレンはともかくゴンが弱すぎんだよ」
その三人のやり取りの中、クレアがアレンに声をかける。
「お兄ちゃん、早くここ片づけて。ママに怒られるよ」
「あーうん。キルア!この場合どーしたらいいの?」
しかしのん気なアレンは一向にゲームを片付けようとはせず、それどころかキルアからゲームの攻略法を教えてもらっている。
「ねぇ、聞いてる?いいから早く片付けて」
仁王立ちになってアレンを睨み付けるクレアに、アレンは攻略本を見せて尋ねる。
「分かったよ、直ぐ片づけるから。なぁクレア、このリバーサルの意味分かるか?」
「…リバーサルとは「反転、逆転」を意味し、キャラクターが操作不能の状態から操作可能な状態になった瞬間に、最速のタイミングで技を繰り出すテクニックよ」
クレアの薀蓄(うんちく)に、ゴンとキルアが目を丸くする。
「凄いね!さすがクラピカの娘だ!!」
「つかなんでそんなこと知ってんだ?」
その会話のやり取りを見ていたレオリオが笑いながらクラピカに話し出す。
「しっかしクレアはあれだな!お前にホントそっくりだな!!」
「そうか?ソフィアにも言われるが…」
「顔も似てるし、薀蓄のうるさいところ、人見知りでド真面目で、でも意外に何処か抜けてる性格もそっくりだな!!」
「…お前は私をどう思っていたのだ」
台所に向かおうと目の前を通りかかるクレアにレオリオが話しかける。
「クレアちゃん、さっきからママのお手伝いしてて偉いなぁ!ちょっとおじさんと一緒に話さねーか?」
「…遠慮しときます」
高飛車な猫のように首をプイッと向けて歩き出すクレア。
それを見たゴンとキルアは大笑い。
目を吊り上げて、レオリオは語気をあらげた。
「おいクラピカ!!お前の娘、生意気なところもそっくりだぜ!?」
「仕方がない、クレアは面食いだからな」
「女で愛想がないと良くねーぞ!?」
「でも顔はスゲー可愛いからいいんじゃね」
キルアの言葉にクレアは立ち止まり、キルアの方へ振り向いた。
「……//////」
何故か恥ずかしそうに顔を赤くして、何度かキルアの顔を伺うクレア。
そんな様子のクレアにレオリオはじっと見つめて目を細める。
「……惚れたな」
その呟きに、アレンとクラピカは驚きの声を出した。
「え!?Σ」
「何!?Σ」
それからのクレアはキルアにべったりくっついていた。
「キルア、チョコレート食べる?」
「マジ?食べる~♪」
「仕方がないから食べさせてあげる♡ あーん…」
「パクッ。…美味い☆」
な、なんて軽々しい…
そんな二人に見てもいられないクラピカは怒号を飛ばした。
「おい、クレア!お前にその、あーん…などまだ早い!!」
「おいおい、キルアにヤキモチかぁ~!?」
隣で面白そうに肘でツンツンしながらからかうレオリオ。
「違う!まだクレアには早いと言っているだけだ!!」
しかしクレアはお構いなしに父親の前でキルアにチョコレートを食べさせている。
その隣では、ゴンとアレン#がハンター試験の事を話していた。
「ゴン、ハンター試験って大変?」
「うん、大変だった。思ってたよりも凄い厳しい試験で、悔しい思いもたくさんした。でも…オレは、合格よりももっと大事なものを見つけたから、試験を受けて本当によかったよ」
「大事なもの?」
「アレンもハンター試験受けるの?」
その質問にアレンは近くにソフィアがいないか確認すると、そのまま考え込み床を見つめる。
その会話を聞いていたクラピカが代わりに答えた。
「本人は受けたがっているが、ソフィアが反対している」
その時…
『なにー?なんの話?』
自分の名前が聞こえて皆の会話に入ってきたソフィア。
気まずそうに下を向くアレン。
しかしクレアが正直に話の内容を母に打ち明ける。
「ハンター試験のこと」
『あぁ、ダメに決まってるでしょ。まだ子どもなんだから』
呆れながら言うソフィアにゴンが口を開く。
「でもオレとキルアもアレンと同じ歳だったよ」
その発言にアレンは目を見開き、反射的に大声を出す。
「え、そうなの!?」
『ゴンとキルアはハンターになれる素質があったから受かったの。アレンはわたしに似ておっちょこちょいだし、しっかりしてないからダメ!』
「確かにソフィアは見てて危なっかしかったなァ~」
「だよな、スゲー見てられなかった」
お茶を飲みながら言うレオリオとチョコレートを食べながら言うキルア。
『ちょっと二人とも~!』
「まぁまぁ、見てみんな!!すっごいご馳走だよ~!!」
ゴンの声につられて全員はテーブルに移動した。
大きいテーブルには埋め尽くす数々の料理とお酒が並べてある。
ゴン、キルア、クラピカ、レオリオ、ソフィア、アレン、クレアはその料理に手をつけながら会話を楽しんだ。
5人はお酒を飲みながら、それぞれ今までにあった色々なことを報告し合い、盛り上がった。
久々の楽しい幸せな時間に、お酒を飲む手が自然と進む。
余りの楽しさに浮かれて大量にお酒を飲んでしまったソフィアは、完全に酔っ払ってしまった。
『…クラピカぁ…』
隣に座っているキルアをクラピカと勘違いしてしまったソフィアは、キルアの体に寄りかかる。
「お、おい…ソフィア///!?」
そのままキルアの膝の上でごろんと寝転がってしまったソフィア。
そんなソフィアをクラピカは無理矢理起こして自分の体に引き寄せる。
「私はこっちだ。全く…」
怒り気味のクラピカは、キルアの頬がうっすらと赤くなっていることに気がついた。
…まんざらでもないか。
まぁ、当然といえば当然だろう。
今では友達でも、昔キルアは本気でソフィアを愛していた。
その彼女にあの甘えた声で突然寄り掛かって膝の上で寝てしまうなど、冷静に考えたら相当凄い状況だ。
しかし、いくら酔っているからとはいえ私とキルアを間違えてしまうとは…(怒)
「酒よえ~なァ、ソフィアは!おいクラピカ、寝室に運んでやれよ」
「あぁ、そうだな」
レオリオに言われて、クラピカはソフィアを抱きかかえ2階の寝室に運んだ。
ビールを飲みながら顔を赤くしているキルアに、クレアが不機嫌そうに尋ねる。
「…キルアはママが好きなの?」
単刀直入の質問にキルアは思わず飲んでいたビールを噴き出した。
「はぁ////!?」
「だって顔真っ赤だし、初めから何度もママの顔見てたわ」
「ちげーよ!!さ、酒飲んでるからだよ!!///」
そこへ話に食いついてきたレオリオ。
「おいおい、オメェまだソフィアのこと諦めてねーのか!?やめとけって!!オメェ彼女いんだろ!?」
「ソフィアの事はとっくの昔から諦めてるっつーの!!ってか、はぁ!?彼女なんていねーよ!!どっから出たんだその情報!!」
「なに今更ばっくれてんだよ♪ゴンから聞いたぜ?」
「はぁ?おいゴン!!てめぇ、なに言ったんだ!?」
「え?アルカ、彼女じゃなかったっけ?」
「オイちげーよ///!!アルカは妹だよ!!」
そこへ2階から戻ってきたクラピカ。
「なんの話だ?」
「父さん!キルアに彼女いるんだって!キルア!どんな人!?」
「私よりも可愛いの?」
アレン、クレアも聞く体制を取って尋ねる。
「だーーから、妹だって///!!ゴン!!お前も彼女いるんだろ!?早く皆に言えよ!!」
ゴンに彼女!!!?
初耳だったレオリオ、クラピカは目を大きくして驚き、急いで尋ねる。
「なにーー!?ゴン、とうとうお前もか!?いつからだ!!誰だ!?どんな子だァ~!?」
「私も興味がある。歳はいくつなんだ?」
ゴンは恥ずかしそうに照れながらも笑顔で答える。
「もうそんな一辺に聞かれても答えられないよー!!3年ぐらい前から付き合い始めて、歳はオレの1つ下、エリンって子。なんていうか…その、可愛い子だよ////」
「この~いっちょ前にノロケやがって~!!結婚するときはぜってェ教えろよ!!」
「わっ!痛いってレオリオ~!!」
レオリオはゴンにヘッドロックをかましながら、嬉しそうに笑った。
「良かったなゴン。是非ともその彼女、見て見たいものだな」
穏やかに微笑みながら言うクラピカにゴンは元気な笑顔を浮かべる。
「うん!今度連れて来るよ!!」
その後も6人は恋愛話で盛り上がり、やがてアレンのハンター試験の話になった。
「オレ、どーしても父さんみたいな立派なハンターになって、いつか色んな国も旅してみたいんだ!」
目を輝かせて楽しそうに言うアレン。
「そっかぁ…やっとアレンもハンターになるんだね!」
ゴンの言葉にアレンは口元に笑みを乗せたまま、元気のない声で呟く。
「でも、母さんが反対してるから…」
下を向いて落ち込むアレンに、レオリオとキルアが笑って励ます。
「大丈夫だアレン!!オレもソフィアに説得してやっからよ!まだ諦めんなって!!」
「オレ達も言えばソフィアも折れてOKくれるだろ」
『……だめよ』
後ろから突然聞こえたソフィアの冷たい声に、全員は瞬時に後ろに振り向いた。
そこには、絶対に譲らないといった目でアレンを見つめて立ち止まっているソフィアの姿。
アレンは目を見開いたまま呆然と呟く。
「母さん…」
「起きたのか、もう酔いは覚めたか?」
心配げな面持ちで尋ねるクラピカに、ソフィアは答えずに真剣な眼差しでアレンに告げた。
『アレン、まだここに居なさい。アレンはわざわざハンターの道に進まなくても、他にもたくさん道があるでしょ?ここはお母さんの言う事を聞いて諦めなさい』
しかしアレンは、弾かれたように顔を上げて首を振った。
「嫌だ!オレ、絶対に諦めないよ!どうしてもハンターになりたいんだ!!」
しかしソフィアはきっぱり言い切る。
『だめよ!』
「でも…!」
更に言い募ろうとするアレンの言葉を遮って、ソフィアは激しい口調で怒鳴った。
『だめって言ったらだめなの!!ハンター試験はとても危険なの!!死ぬかもしれないのよ!?そんな試験を受けさせる親が何処にいるの!!』
「…………」
アレンの目が、大きく揺れた。
そして、アレンは拳を握り締め、何かを堪えるようにぐっと唇を噛んで、うつむいた。
「ソフィア!アレンならきっと大丈夫!合格するよ!だからアレンを信じてあげようよ!!」
必死に説得するゴンだが、頭に血が上っているソフィアは、更に激しい口調で続けた。
『でも何があるか分からないじゃない!!』
レオリオが激しい口調で説得する。
「アレンから話を聞けば、アレンはその歳で念が使えるようじゃねーか!!それにクラピカが今年の試験官だぞ!?クラピカもいるんだから何も心配いらねーじゃねーか!!」
『そんなの試験官だから何かあっても助けられないよ!!』
「クラピカは賛成だよね?」
ゴンに尋ねられたクラピカは、冷静に答えた。
「正直に言えばハンターを進めたくはない。私もソフィアと同じ気持ちだ。だがアレンの決心は固い。ここは息子を信じるしかないだろう」
「クラピカもそう言ってるぜ?ここは…」
『だめッ!!』
キルアの言葉を遮ったソフィアに、キルアは冷たく言い放つ。
「いい加減にしろよソフィア!心配で寂しいのは分かるけど、それじゃあアレンはいつまでも外の世界に出られねーだろ!?」
くいと顎をしゃくるレオリオに促されるように視線を泳がせたキルアは、ソフィアの目に涙が溜まっていることに気がついた。
ぐっと唇を噛んで、瞬きをせずにアレンの胸の辺りをじっと見つめている。
瞬きをすれば涙が零れ落ちそうだから、ソフィアは目を見開いていた。
クレアはそんな母親を真っ直ぐに見つめて静かに話しかける。
「…ママ、お兄ちゃんなら大丈夫だよ。私はお兄ちゃんの夢を応援したい」
言葉が見つからないソフィアに、アレンは口を開いた。
「母さん…お願いします。オレ、絶対合格して帰ってきます。ハンター試験を受けさせて下さい!」
ソフィアははっと息を呑んだ。
自分を見つめるアレンの眼差しは静かで、一点の揺らぎもなく澄み渡り、強い意志の光を覗かせている。
ソフィアはぐっと唇を噛みしめた。
そして、静かに言った。
『…好きにしなさい』
その言葉に、アレンは感動の笑みを浮かべた。
「ありがとう、母さん!」
息が苦しい。
胸の奥が重くて苦しい。
子どもの成長って、こんなにも早かったんだ。
まだまだ子どもだって思ってた。
でも、自分がそう思い込んでいただけ。
気がついたときには、もう立派に成長していた。
ついこの間、産まれたばかりのような気がしていたのに…
わたしの背中を着いて回る小さな赤ちゃんだったのに…
いま、目の前にいる子どもは驚くほど大きくなって、自ら辛く厳しい道を選択する強い心を持っていた。
大きくなったね…アレン。
こうして全員はもう一度飲み直し、アレンの合格祈願に乾杯の音頭をとった。
そして、楽しい夢のような幸せな時間はあっという間に過ぎて行ったーーー…
ーーーーアレンの出発の日。
さあさあと、雨が降っている。
雨音は、いつかの冬の日を思い起こさせる。
目覚めたときより幾分か、雨音が弱まってきた。
部屋の窓を開けて見上げると、北側の空から雲が薄くなっているのが分かった。
時期にやみそうだ。
パジャマ姿のままアレンはリビングに向かった。
台所でソフィアが朝食の支度の真っ最中で、忙しなく動き回っている。
台所の傍で立っている息子に気づいて、ソフィアは顔を向けてきた。
『あぁ、おはようアレン!』
「おはよう」
笑顔を見せるソフィアに笑い返して、アレンは母の手元を覗き込んだ。
「母さん、なに作ってるの?」
『お弁当よ。長旅になるからお腹空くでしょ?』
「うん、ありがとう!」
『朝ごはん出来てるから、早く食べちゃいなさい』
「うん」
頷いて、邪魔にならないように少し下がると、忙しそうに動き回る母の背中をアレンはしばらく見つめていた。
いつの間に、母はこんなに小さくなったんだろう。
以前そう口にしたら、それは違うでしょと反論されたことがある。
逆よ。アレンが大きくなったから、小さくなったように見えるだけだって。
「……ほんとだね」
誰にも聞こえない声でつづって、アレンは台所を出て今度は奥の一室に向かう。
まだ息子の出発まで時間のあるクラピカが、仕事の書類を紐で繰っていた。
「父さん、おはよう」
「おはよう。急がなくていいのか?」
「大丈夫!着替えるだけだから」
「本当か?寝癖も凄いぞ」
父の言葉にアレンは部屋にある前身鏡で確かめる。
「あ、今日に限ってひでーぇ」
そんな息子にクラピカは微苦笑した。
「本当に、お前は母さんと似ているな。天然で寝癖が酷いところなど、そっくりだ」
アレンは眉を寄せた。
「そうかな?オレ、母さんほど天然じゃないよ」
「そういう、自覚がないところもよく似ている」
アレンは困ったような顔で笑った。
「そんなに、似てるかな…」
「あぁ、似ているよ」
面白そうに笑うクラピカ。
確かに、クレアも父さんに似ている。
クールで真面目でいつも落ち着いてて…頭が固くて頑固なところとか。
オレは母さんに似てるってよく言われるけど、母さんは女だから余り似ているといわれても、反応に困る。
「あ、そうだ。朝ご飯できてるよ」
「分かった、直ぐに行く。…アレン」
「なに?」
「大丈夫か?」
父のその質問に、アレンは一瞬目を丸くする。
試験のことかと察したアレンは、元気に答えた。
「うん、全然平気!楽しみだよ!!」
「そうか」
軽く笑みを浮かべてクラピカは再び本や書類を片付ける。
その父の背中をじっと見つめて、アレンはそのままくるりと向きを変えて、自分の部屋に戻っていく。
部屋に戻ったアレンは服に着替えた。
くしを使って寝癖を直していく。
出発の支度が終えて、アレンは自分の部屋をぐるりと見回した。
よく、散らかした服や漫画やゲームを母さんが片づけていた。
そのたびに呆れた口調で、アレンは本当に片づけるのが下手なんだからぁとため息をついていた。
だがとうとう、住み慣れたこの部屋を出ていく日が来た。
自分が決めた新しい旅立ちに、まだ少し戸惑っている。
ハンターになりたいと初めて母に相談したとき、いつも優しい母を今までの中で一番、怒らせた。
ハンター試験で死んだ人間は山ほどいる。
あれほど厳しくて危険な試験はないからだと。
そして、昨日も…。
母さんが心配するのはよく分かる。
でもオレは、どうしても父さんみたいなハンターになりたい。
ハンターになって、広い世界をこの目で見たい。
色々なことを知りたい。
自分の力を試したい。
だからオレは、立派なハンターになる。
ぜったいに。
アレンは部屋を出ると最後に母の部屋に足を運んだ。
母の部屋の机に飾ってあるのは、1年前に亡くなったラディウスの写真。
アレンはその写真に話しかける。
「おじいちゃん、何かあったら守ってね。…行ってきます」
アレンは一つ頭を振り、部屋を出てドアをきちんと閉めたーーー…
ーーーその頃、レオリオは…
高級ホテルの広大なスパエリアで綺麗な若い水着姿の女性に話かけ、仲良く会話を楽しんでいる。
その二人の姿を見て、睨み付ける女性が一人…
突然ここに来いって呼び出しておいて…いったい何してるのよ!!
心の中で怒鳴り込むサラ。
女性の肩に手まで回していたレオリオは、やがてその女性に笑顔で手を振りながら別れて、その場を後にする。
女性が一人になったところで、サラは憤懣やるかたないといった体で、ズカズカとその女性に近づいた。
「ちょっと!!」
そしてサラはその女性の前に立ちはだかり、後ろの壁に強く平手で衝撃音を出して脅した。
「な、なんですかっ!?」
「15年も同じことさせないでくれる?」
女性を真っ直ぐ見るサラから目が逸らせない。
「はぁ?」
「さっきあなたと仲良く話してた男、私の夫よ!分かった!?」
「それじゃあ…あなたがサラさん?」
「私の事を知ってるようね」
女性は一息つき、大声を出した。
「ねぇ!!サラさんが来たわよ~!!」
それを聞いて慌てて走ってきたレオリオ。
「オイ、もう来たのか!!」
サラは燃え上がる目でレオリオを睨み付けた。
「なによ、現場を押さえるのが早すぎた?…あなたって人は、何年経っても何一つ変わってないじゃないの!!」
「来るのが早ェーんだよ!!」
ぶちっ。
怒りの臨界点、突破。
「なによ!もっと遅く来てこの人とベッドにいるところ見ろって!?」
「落ち着けって!お前の到着が早すぎたからこうして時間を稼いでるんだろ!?」
「え?」
レオリオがホテルの乗務員に合図を出す。
突然、室内全体の明かりが消えて、遠くから何本かろうそくの明かりが見える。
それがだんだんと近づいてきたとき、サラは目を見開いた。
ホテルの乗務員が運んできたもの、それは…
色鮮やかな花に囲まれた豪華な誕生日ケーキ。
「オレからのバースデーケーキだ!!」
レオリオは自慢げにそう言うと、照れくさそうに笑った。
…言葉が出てこない。
これが感動で言葉を失うって事なのだろうか。
「どうした?嬉しくなかったか!?これはまだ序の口だぜ?」
そう言って取り出した四角い箱、それは…
大きなダイヤモンドが光るシルバーの婚約指輪。
「…医者の仕事で忙しくて、結婚式も挙げられねーし、婚約指輪も用意できなかった。
でもサラは、こんなオレに呆れながらもずっと着いて来てくれた。本当にすまねぇな」
サラはレオリオを見つめたまま首を横に振った。
レオリオは更につづけた。
「最初の6年、別れて2年、再会し結婚して15年が過ぎた。相変わらずオレはサイテーな最悪な男で、お前を何度か傷つけちまった。でもオレはきっと変わらねェーと思う。ずっとガキのままだ。
そしてこんな風にお前の事を驚かせたり、感動させたり、楽しませてみせるからよ。
だからこれからもオレの妻として、アイツらの母親としてよろしくな」
サラは嬉し涙をこぼしながら、幸せな笑みを浮かべた。
周りの客は二人に祝福のあたたかい拍手を贈った。
《誰にでも一度は魔法の瞬間が訪れる。それは、愛が完成する瞬間であったり…》
ーーーーそして、ゴンは…
一つ年下の彼女、エリンと海沿いを仲良く歩いていた。
その時、浜辺に何かを見つけたエリンは目を見開いた。
「あ!なにかしら??」
「ん?」
「ほら、あそこで何か光ってるわ!」
エリンが指差す方向に透明のビンが浜辺に流れ着いている。
「本当だ!何かな?待ってて」
ゴンはそのビンを取りに行った。
手に取ると中には紙が一枚入っている。
ゴンは驚き、目を大きく見開いて大声を上げた。
「ああ!!なんでこれがここに!?」
「なんなの、それ?」
「3年前にオレがクジラ島でエリンに書いた手紙だよ!!」
その言葉にエリンは疑いながら笑った。
「もう嘘つき~!!」
「嘘じゃないよ!見て!!」
ビンから紙を取り出して見ると、確かに間違いなくゴンが書いたラブレターだ。
「本当だ!信じらんない!!これって奇跡だわ!!」
エリンはその手紙をまじまじと読んで、満面の笑みを浮かべる。
「こんな手紙受け取るなんて世界で私だけよね?ゴンありがと~っ!!」
「わっ!?///」
嬉しさの余りエリンはゴンに抱きつく。
こんなにも喜んでくれたことに感動し、ゴンもエリンを抱き締める。
二人は抱き合いながらぴょんぴょん飛び跳ねてお互い思いっきり喜んだ。
《愛が一層深まる瞬間であったり…》
ーーーーそして、キルアは…
青空の草原の下、旅の最中。
「キルア、抱っこしてー?」
アルカ=ゾルディックというゾルディック家、第四子。
キルアの妹が隣で抱っこをおねだりしている。
「いいよ」
キルアは優しく微笑むと、大事にアルカをお姫様抱っこした。
「…おもくない?」
「ん~重い」
「じゃあ、おろしてー」
足を軽くバタバタするアルカ。
「…キスしてくれたら下ろしてやる」
言われた通りアルカはキルアのほっぺにキスをした。
キルアはそっとアルカをその場に下ろした。
そして、二人は微笑みながら手を繋いで歩き出す。
《幸せを感じる瞬間であったり…》
ーーーー…
雨は上がり、厚い雲から眩しい太陽が顔を覗かせる。
家族4人はハンター試験行きの船に向かっていた。
アレンが船を見つけた瞬間、その幼さの顔に残る顔に浮かぶのは、期待を胸に膨らませた表情。
船乗り場に近くなるにつれて、アレンは立ち止まり暗い表情に変わった。
下を向いたとき、靴紐がほどけていることに気がつき、その場にしゃがんで靴紐を結ぶ。
その後ろを…
「アレン」
心配そうに声をかけるクラピカ。
しかしアレンは微動だにせず、ただ地面を見つめたまま。
「どうしたんだ?」
隣に並んで片膝をついて優しく声をかける父親に、アレンは不安な表情で呟く。
「…オレ、父さんみたいな立派なハンターになりたい。でも…もし試験落ちちゃったらどうしよう」
「どうしたんだ、先ほどまで強気だったではないか」
「そうなんだけど、なんか急に怖くなって…」
暗い面持ちのアレンに、クラピカは真っ直ぐに息子の目を見て言った。
「ハンター試験は甘くない、下手すれば命さえも失う危険性がある。だが、そんなものなど怖くないと思えるほどの大事な仲間に出会えるかもしれない」
「仲間?」
「そうだ。どんな状況でもハンターになるという希望を捨てず、自分の信じた道を進むんだ。そうすれば必ず、試験に合格する」
その後ろに、11才のクレアと手を繋いだソフィアが近づく。
立ち上がったアレンに、ソフィアは布で包んだお弁当を渡した。
『アレン、これ持っていきなさい』
「うん。…ありがとう、母さん」
頷いて、アレンは母親を見つめた。
「お兄ちゃん、頑張ってね」
クレアが寂しそうな笑みを浮かべる。
「あぁ、オレが合格して帰ってくるまで母さんと父さんよろしくな!」
「うん、分かった」
出港前の長声一発が鳴り始め、別れの時間が迫ってしまった。
「…じゃあ、そろそろオレ行くね!」
笑顔で言うアレンに、クラピカは眩しそうに目を細めて手を伸ばし、アレンを抱き締めた。
息を呑む気配が伝わった。
クラピカは体を離すと、愛おしげな眼差しでアレンを見つめた。
そして、ソフィアも涙を浮かべながらアレンを抱き締める。
母さんの腕の中、あたたかい。
でも少し震えている。
「…母さん、絶対合格してくるから。だから、心配しないでね」
体を離し真っ直ぐに見つめられて、ソフィアは困った目をしながら薄く微笑んだ。
『わかったわ。必ず合格して帰って来なかったら、お母さん許さないからね?約束よ』
アレンは何度か瞬きをして、安心させるように笑い返した。
「うん!大丈夫だよ母さん!…じゃあ、行ってきます!!」
アレンは家族に背を向けて走り出すと、船に乗った。
そして、船が動き出す。
船の上からアレンが大きく手を振る。
「父さん!!母さん!!クレア!!絶対、立派なハンターになって戻って来るからーーー!!」
そんな息子の姿を見つめて、クラピカは心の中でアレンに伝える。
お前の活躍を期待している。
父さんは試験場で先に待っているからな。
そしてお前の事を見守っててやる。
合格するまで、ずっとな。
船が見えなくなるまで見送るが、ソフィアはハンカチで拭きながらずっと涙を流している。
肩に手を置かれ、ソフィアは置かれた方に顔を向けると、クラピカが優しい笑顔で自分を見つめて言った。
「もう泣くな、アレンはきっと大丈夫だ。帰ろう、ソフィア」
『うん』
クラピカとソフィアは、間にクレアと手を繋いで歩き出す。
「ねぇ、ママ。ママはハンター試験でパパと出会ったんだよね?」
『本当は幼馴染だけど…まぁそうね』
「私もハンター試験を受けたら、素敵な人に出会えるかな?」
クレアが、ソフィアを見上げて首をかしげた。
その質問にクラピカが冷静に答える。
「それはどうかな」
「そういえば、ママの初恋はパパだって言ってたけど、パパは??」
クラピカは迷いもなく、穏やかに笑ったまま答える。
「勿論ママだよ」
クレアは、ぱっと目を輝かせた。
「そうなんだ!すごいね!わたしも早く初恋の人見つけたい」
「(キルアじゃなかったのか…)わざわざ急いで見つけなくても自然と現れる。それより、私の前で男の話はご法度だ。全てママに言いなさい」
「え、なんで?」
「何でもだ。お前に恋愛などまだ早い」
疑問を浮かべて父親を見つめるクレアに、ソフィアが笑って言った。
『パパは娘が取られるのが寂しいのよ』
そうなんだ、とクレアは納得した。
それに反論するクラピカ。
クレアは笑顔を浮かべてクラピカを見上げた。
「大丈夫だよパパ!まだ私はどこにも行かないから」
「まだ行かせてたまるか…」
誰にも聞こえない声でつづって、クラピカは娘の手を強く握り締める。
ソフィアはクラピカを見て笑いながら、ふと空を見上げた。
その空は、眩しく、透明で、果てしなく壮大な、青空が広がっていた。
それはもう、どこまでも限りなく、果てしなくーーー…
《そして、長年の夢が叶う瞬間であったり…》
ーーー「オレ、クラピカ」
『ソフィアよ!よろしくねっ!!』ーーー
クルタ村でクラピカと初めて出会った日。
ーーー『もう間違えないでね♪初めからやり直し!わたしはリリーです。よろしくね』
「私はクラピカだ。よろしく」ーーー
リリーとして出会ったハンター試験。
ーーー「分からないのか?いい加減にしろ!何故お前がそんなことを言うんだ!!」
『だってわたし、クラピカの事が…!…クラピカが、好きだから』ーーー
初めて気持ちを伝えた瞬間。
ーーー『…ありがとう。いつも守ってくれて、助けてくれて…。クラピカのおかげでわたし合格できたの。本当にありがとう』
「いや、礼を言うのは私の方だ。お前がいたから私は合格することが出来た。本当に感謝している」ーーー
ハンター試験終了。大好きなクラピカと別れた、最後の言葉。
ーーー「女、私のことを覚えているだろ?」
『知らないわよ!!早くウボォーの鎖を解いて!!』
「戯れ言を並べるな。私を知らないはずがない」ーーー
クロロに記憶を入れ替えられて、幻影旅団の団員として再会した。
クラピカを深く傷つけてしまったあの日。
ーーー「今まで、気がつかなくてすまなかった…っ」
『クラピカ、謝らないで…悪いのは、全部わたしなの…たくさん辛い思いをさせて…本当にごめんなさい…っ』ーーー
記憶が戻って、奇跡が起きた瞬間。
ーーー「好きだ……お前が、好きだ」
『わたしも、クラピカが好き…大好きだよ』ーーー
二人の気持ちが通じ合った瞬間。
ーーー「…何回された?」
『えっ』
「クモのリーダーに何回キスされた?」
『たぶん2回くらいかな…』
「ならば私は、その10倍の20回しよう…」ーーー
初めて妬いてくれたヨークシンの夜。
ーーー「ソフィア、お前が退院したら、直ぐにでも約束を果たしたいのだが…」
『え…?』
「正直なところ、私はソフィアを幸せに出来るかは分からない。その自信はないが、一生お前を好きでいる自信はある。私の人生をかけて、ソフィアを幸せにしていけるよう努力する。
だからソフィア…お前の残りの人生を私にくれないか?」
『もちろんだよ、ぜったい幸せにしてね。約束だよっ』ーーー
夢のような思いがけないプロポーズ。
ーーー「一体どういう関係だったのか詳しく話してくれないか?最初に君を思い出したのは、特別な理由があるからだろう」
『ある…クラピカは、わたしを愛してくれた。わたしもクラピカを愛してた』
「私達が、恋愛を!?」
『うん…結婚の約束もしてたんだよ』
「…それは本当の話か?一度頭を整理したい。出て行ってくれ」ーーー
運命のいたずら。クラピカがわたしの記憶を無くしてしまった事実。
ーーー『お願い、とにかく話を聞いて!なんでわたし達が付き合ってたのか全部説明する!わたしが…』
「いや、必要ない!私が自力で思い出さなければ意味がない!たとえ騙そうとして君が嘘をついても、私は…騙されたふりをしそうだ」ーーー
すれ違い、傷つけ合う日々。
ーーー「お前は…クモだったのか?今まで私を騙していたのか?」
『…違う、騙してた訳じゃない。今のクラピカには知らないけど、色々あってクモに入団させられたの…』
「だがお前は…クルタ族であったお前は…裏切った。我々同胞を裏切ったんだ!!」ーーー
二人の終わりを感じた瞬間。
ーーー『わたし…クラピカを本当に愛してたから。それは、忘れないでね。
わたしはどんなこともぜんぶ覚えておく…。一つ残らずぜんぶ…だからクラピカも、わたしのこと覚えててね…』ーーー
大好きなクラピカの幸せを心から祈った。
ーーー「ありがとう…ソフィア。最後に一つ、頼みがあるんだ。何でも聞いてくれるか?」
『いいよ、聞いてあげる。なんでも言って』
「ソフィア…キルアと付き合って欲しい。そしていつか、結婚してくれ」
『クラピカ…??』ーーー
クラピカが記憶を思い出し、連絡をくれた。
クラピカはわたしの幸せと引き換えに自分を犠牲にした。
温かいぬくもりが…離れたあの日。
ーーー「…もう絶対離さない」
『…え?』
「もう、お前の事、絶対に離さない…」ーーー
待っていた言葉。たどり着いた場所。
ーーー「嘘は言えない、お前を愛してるから夫になる訳じゃないからな」
『じゃあなんで?愛してないのに結婚するの??』
「お前を愛してるからではなく、お前しか愛せないからだ」ーーー
二度目のプロポーズ。念願のクラピカの妻になれたあの日。
ーーー「新郎、クラピカは、妻ソフィアを生涯愛することを誓いますか?」
「誓います」
「新婦、ソフィアは、夫クラピカを生涯愛することを誓いますか?」
『…誓います!』ーーー
結婚式。幸せな夢のような時間。
二人で交わした数えきれないくらいのたくさんの言葉は………すべて宝物。
そして、二人の間に何より愛しい輝く宝物ができた。
今もわたし達は愛し合い、支え合いながら、魔法のような毎日を過ごしている。
わたしはあなたとともに生きることができて、世界で一番…幸せです。
あなたがこれからもずっと笑顔である事を祈っています。
今、部屋には、たくさんの写真が飾られている。
二人の写真。子どもの写真。
すべて最愛の記録。
あなたに出会って、たくさんの想いを知りました。
苦しくて、悲しくて
切なくて、涙が溢れるような想いを。
そして……
優しくて、愛しくて
温かくて、幸せな気持ちを。
あなたに出会って、世界がこんなにも美しかったんだと知りました。
あなたはわたしの初恋の人。
あなたを好きになったことがわたしの始まりだった。
クラピカ…
クラピカ…愛してる。
ずっとずっと。ずーーっと。
わたしはこれからもあなたの事を…
「最初で最後」「一度だけしかない」
そう想って大切にしていきたい。
大好きな笑顔を守っていきたい。
わたしはいつだって、これが最後の初恋だから。
あのとき、あなたを失って気がついた。
「当たり前」は存在していないということを。
今、この幸せな瞬間が何よりも大切だということを。
あの初恋は、終わりだと諦めていた。
良い想い出として、大事に心のアルバムに閉まっていた。
でも、未来の事は誰にも分からない。
一つ言えることは、奇跡を信じれば必ず奇跡が起こるということ。
誰かに恋をして、誰かを愛することで
失うものは、何もない。
でも、愛することを怖がっていたら何も得られない。
今、恋をしている人がいたらわたしは願う。
どうか最後だと思える初恋が、終わらない永遠の恋になりますように…
最後の初恋 完結
end