好きだと言えない
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五条side
高専に入学してずっと探していた人
任務の見学の時に出会ってしまった呪術師の
名前はすぐに調べが付いた
「天神名前」
昨年の卒業生で1級術師だった
つまり俺の5個上だ
高専主体で術師をしているならば
すぐに会えると思っていた
会ってどうする?
庇ってくれたお礼を言うとか
後輩としてあいさつするとか
どれもしっくりこないし俺らしくもない
答えも出ないまま
どこかで任務が被るだろうと高を括っていた
しかし被るどころか
その人には会えない日々が続いた
ようやく会えたのが夏休み明けの校内
遠目でもすぐに分かった
彼女独特の術式、呪力もそうだが
誰よりも小柄で透き通る声色
髪は切ったのかかなり短くなっていた
「よぉ。久しぶり」
「あ、五条の坊ちゃん。その節はどうも。1級になったんだって?流石ですね?」
あの後どうしていたのか?
怪我は大丈夫だったのか?
髪はどうして切ったのか?
今までどこにいたのか?
聞きたいことは山ほどあるのに
俺の口からは思いとは別の言葉が出てくる
「お前みたいなのと同じだと思うと反吐がでるわ。俺が1級ならお前4級とかじゃね?弱すぎんだよ」
「約100年ぶりの六眼、無下限のW持ちから見たらそうだろうね」
「しかもチビだし、体術も大したことねーし。あ、体でも売って媚びたんだろ?あのじじいどもに」
ふと目線が胸元へ落ちたら
肩から胸へ向かって大きな傷跡が見えた
なんで治してないんだよ
女の体にこんな傷跡って
ざわざわと胸が騒いでなんか言った記憶はあるが
何を言ったのか正直覚えていない
俺を庇った時の傷なのか?
あの後も本人に聞くことが出来ず
それどころか礼の一つも言えず仕舞いで今日まで来た
挙句の果てなんだ今日の俺
勝手にやつの彼氏に嫉妬して
無理矢理彼女にキスをした
どんなに過酷な任務でも
あんな大けがした時も
涙なんて見せた事なかったのに
「五条…か。ウケる…」
「悟」って名前で呼ばれるたびに嬉しかったのに
まんまと距離を置かれて苗字呼びされてりゃ世話ないわ
プレゼントもらうどころか
色々とやらかしたことは理解している
ぽと
ぽつん
いつの間にか寮の前まで歩いてきたようで
気が付くと雨に打たれていた
手のひらを上にして
それを受け止めようとしたけど
術式によって
雨粒を肌で感じる前に弾けていった
雨粒が俺だとしたら
幾度となく名前に降り注ぐ
俺の想いそのもの
でも全く伝わらなくて
目前であいつは弾くんだ
「どうしたらうまく言えんのかな」
小さな俺の言霊は
雨音にかき消されて消えていった
.
高専に入学してずっと探していた人
任務の見学の時に出会ってしまった呪術師の
名前はすぐに調べが付いた
「天神名前」
昨年の卒業生で1級術師だった
つまり俺の5個上だ
高専主体で術師をしているならば
すぐに会えると思っていた
会ってどうする?
庇ってくれたお礼を言うとか
後輩としてあいさつするとか
どれもしっくりこないし俺らしくもない
答えも出ないまま
どこかで任務が被るだろうと高を括っていた
しかし被るどころか
その人には会えない日々が続いた
ようやく会えたのが夏休み明けの校内
遠目でもすぐに分かった
彼女独特の術式、呪力もそうだが
誰よりも小柄で透き通る声色
髪は切ったのかかなり短くなっていた
「よぉ。久しぶり」
「あ、五条の坊ちゃん。その節はどうも。1級になったんだって?流石ですね?」
あの後どうしていたのか?
怪我は大丈夫だったのか?
髪はどうして切ったのか?
今までどこにいたのか?
聞きたいことは山ほどあるのに
俺の口からは思いとは別の言葉が出てくる
「お前みたいなのと同じだと思うと反吐がでるわ。俺が1級ならお前4級とかじゃね?弱すぎんだよ」
「約100年ぶりの六眼、無下限のW持ちから見たらそうだろうね」
「しかもチビだし、体術も大したことねーし。あ、体でも売って媚びたんだろ?あのじじいどもに」
ふと目線が胸元へ落ちたら
肩から胸へ向かって大きな傷跡が見えた
なんで治してないんだよ
女の体にこんな傷跡って
ざわざわと胸が騒いでなんか言った記憶はあるが
何を言ったのか正直覚えていない
俺を庇った時の傷なのか?
あの後も本人に聞くことが出来ず
それどころか礼の一つも言えず仕舞いで今日まで来た
挙句の果てなんだ今日の俺
勝手にやつの彼氏に嫉妬して
無理矢理彼女にキスをした
どんなに過酷な任務でも
あんな大けがした時も
涙なんて見せた事なかったのに
「五条…か。ウケる…」
「悟」って名前で呼ばれるたびに嬉しかったのに
まんまと距離を置かれて苗字呼びされてりゃ世話ないわ
プレゼントもらうどころか
色々とやらかしたことは理解している
ぽと
ぽつん
いつの間にか寮の前まで歩いてきたようで
気が付くと雨に打たれていた
手のひらを上にして
それを受け止めようとしたけど
術式によって
雨粒を肌で感じる前に弾けていった
雨粒が俺だとしたら
幾度となく名前に降り注ぐ
俺の想いそのもの
でも全く伝わらなくて
目前であいつは弾くんだ
「どうしたらうまく言えんのかな」
小さな俺の言霊は
雨音にかき消されて消えていった
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