好きだと言えない
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五条side
早咲きの桜が咲いていたあの日
高専入学前に俺が
あの任務に同行したのがすべての始まりだった
『子どもを守るのは大人の務めだよ』
ぼろぼろで血塗れなのにそう笑った
そんな名前に惚れた僕はイカれているのかもしれない
年上の同階級の術師
僕が言うのはなんだけど
これと言って可愛いわけでも綺麗なわけでもなく
スタイルも良くないし…取り合えずチビだ
またまた口を開けば素直じゃない
僕もよく煽るけどあいつも煽ってた気がする
一緒にいた期間はたった半年
その間ぼろぼろのあいつを何度助けた事か
僕らしくなくすげー心配したし
離れてる間も何度か名前は大けがを負ったっけ
もちろん会いに行った
…あいつ寝てたけど
間違いなくこの4年間、名前のせいで最強の僕の寿命は縮んだと思う
我ながらこんな遠距離でよく耐えたと思う
浮気なんてする気も起きないくらい惚れてたし
高専時代、思春期の僕の彼女は必然的に僕の右手になっていた
こっそり名前に会いに行っていたのは内緒
その都度撮った写真(隠し撮り)や他の人からもらった写真
時には名前と電話してる時の彼女の声を聞きながら…
それらが全て僕のおかずだった事はもっと秘密だ
それも今日でお終い
4年も彼氏ほったらかしてあいつなにやってんだよ
あったら文句言いながらどろどろになるまで
甘えて甘えさせてやるんだ
まずは空港でハグしてそのまま濃厚なキスをして
足腰立たなくなったあいつを抱っこして運んでやる
どんなに恥ずかしがっても絶対にやめてやんないんだから
スマホをタップしてヨーロッパからの到着時間を
確認しようとしたらLINEに気が付いた
名前
≪ごめん!飛行機 1便早くなったの言うの忘れてた!≫
名前
≪で、成田近くで任務入ったから終わったら連絡するね!≫
「はぁーーーーっ?!」
名前の愛車のMINIを運転してきたので飛ぶわけにもいかない
あーーーーっもう!!
なんでそんなに自由人なんだよ!!!
「会ったらマジで覚悟しとけよ?」
思わず独り言が昔の口調になってしまった
とりあえず補助監督の柊さんに電話を入れた
「あ、もしもし柊さん?僕だけど名前の任務ってどこか、わかります?」
『五条さんお疲れ様です。場所分かります。すみません、1~2級の盗伐で夏油さんも今日出張でいなくて…』
まさかそれって僕が休みたいって言って蹴った任務にあいつ当てたって事?
「位置情報だけ送ってもらえる?じゃよろしく」
大きなため息を付いてアクセルを踏み込んだ
ーーー
ーーーーー
ーーー
初めて悟と話した時の印象は
「生意気そうな後輩」
この一言に尽きると思う
御三家が一つ、五条家の嫡男
自分の任務の見学に来ると決まった時は本当に嫌だった
だって400年ぶりの六眼と無下限のかけ合わせってみんな言ってたし
後輩だろうとなんだろうと
私は一般人の出身、偉い人にはかかわりたくもなかった
あの日彼を庇ったのも正直成り行きだ
彼でも彼じゃなかったとしても私は庇ったと思う
半年後たまたま寄った高専で悟と再会した
なんか嫌味言うし、言う事全てが鼻につく
やはり御三家嫌いって言うのが正直な感想
どんなに術式が良かろうと六眼持ってようと
腹が立つ奴、それが彼への感想だった
きっと坊ちゃんは蝶よ花よと育てられたに違いない
何の因果か知らないが
怪我からの復帰後1年と絡む任務が多かった
すぐに硝子と傑とは打ち解けたけど
悟とは時間がかかった気がする
そのむかつく後輩がどうやら私に好意を抱いてると知ったのは
だいぶ月日がたっていた気もする
言われるまで気が付かなかった
嫌われてるとさえ思っていたのに
いつの間にか
私も好きになっていた
あの彼 を腕の中で無くしてから
もう恋なんて一生しないと思っていたのに
自分の気持ちに気が付いてからは早かった
―――なんで悟が私なんかが好きなの?
いくらでも悟は選びたい放題なはず
家柄のいい人、お金や権力を持っている家のお嬢様
美人で可愛いそれこそ芸能人みたいな人
若くて守りがいがある女性らしい美人な非術師
そう考えると止まらなくて
いつか捨てられるんじゃないか
私は遊ばれているんじゃないか
あの時みたいに置いて行かれるんじゃないか…
そう思ったら全てが怖くなった
私がもっと強ければ
精神的にも術師としても強ければ問題ない
もっと堂々と隣で並んでいたい
自分に自信を持ちたかった
離れている間に捨てられても
仕方がないとさえ思っていたのに
悟は私を離さなかった
毎日の様にLINEや電話をした
任務で大怪我を負った時には怒られたけど
すごく心配してくれて愛されてるなって内心嬉しくなった
アメリカからヨーロッパへと拠点を移す時は
悟と一緒に引っ越しをした
本当に行くのかと何度も聞かれたけど
不貞腐れながらも最後は笑って送り出してくれた悟は
大人になったなぁってちょっと感慨深かった
悟の4年間もいろんな事があったと思う
最強になった彼の話は海外の術師の中でも有名だ
今度は隣で貴方を支えるよ
他人に弱みを見せない不器用な貴方だから
私に、なにが出来るか分からないけど
「…さとる、戻ってきたよ」
.
早咲きの桜が咲いていたあの日
高専入学前に俺が
あの任務に同行したのがすべての始まりだった
『子どもを守るのは大人の務めだよ』
ぼろぼろで血塗れなのにそう笑った
そんな名前に惚れた僕はイカれているのかもしれない
年上の同階級の術師
僕が言うのはなんだけど
これと言って可愛いわけでも綺麗なわけでもなく
スタイルも良くないし…取り合えずチビだ
またまた口を開けば素直じゃない
僕もよく煽るけどあいつも煽ってた気がする
一緒にいた期間はたった半年
その間ぼろぼろのあいつを何度助けた事か
僕らしくなくすげー心配したし
離れてる間も何度か名前は大けがを負ったっけ
もちろん会いに行った
…あいつ寝てたけど
間違いなくこの4年間、名前のせいで最強の僕の寿命は縮んだと思う
我ながらこんな遠距離でよく耐えたと思う
浮気なんてする気も起きないくらい惚れてたし
高専時代、思春期の僕の彼女は必然的に僕の右手になっていた
こっそり名前に会いに行っていたのは内緒
その都度撮った写真(隠し撮り)や他の人からもらった写真
時には名前と電話してる時の彼女の声を聞きながら…
それらが全て僕のおかずだった事はもっと秘密だ
それも今日でお終い
4年も彼氏ほったらかしてあいつなにやってんだよ
あったら文句言いながらどろどろになるまで
甘えて甘えさせてやるんだ
まずは空港でハグしてそのまま濃厚なキスをして
足腰立たなくなったあいつを抱っこして運んでやる
どんなに恥ずかしがっても絶対にやめてやんないんだから
スマホをタップしてヨーロッパからの到着時間を
確認しようとしたらLINEに気が付いた
名前
≪ごめん!飛行機 1便早くなったの言うの忘れてた!≫
名前
≪で、成田近くで任務入ったから終わったら連絡するね!≫
「はぁーーーーっ?!」
名前の愛車のMINIを運転してきたので飛ぶわけにもいかない
あーーーーっもう!!
なんでそんなに自由人なんだよ!!!
「会ったらマジで覚悟しとけよ?」
思わず独り言が昔の口調になってしまった
とりあえず補助監督の柊さんに電話を入れた
「あ、もしもし柊さん?僕だけど名前の任務ってどこか、わかります?」
『五条さんお疲れ様です。場所分かります。すみません、1~2級の盗伐で夏油さんも今日出張でいなくて…』
まさかそれって僕が休みたいって言って蹴った任務にあいつ当てたって事?
「位置情報だけ送ってもらえる?じゃよろしく」
大きなため息を付いてアクセルを踏み込んだ
ーーー
ーーーーー
ーーー
初めて悟と話した時の印象は
「生意気そうな後輩」
この一言に尽きると思う
御三家が一つ、五条家の嫡男
自分の任務の見学に来ると決まった時は本当に嫌だった
だって400年ぶりの六眼と無下限のかけ合わせってみんな言ってたし
後輩だろうとなんだろうと
私は一般人の出身、偉い人にはかかわりたくもなかった
あの日彼を庇ったのも正直成り行きだ
彼でも彼じゃなかったとしても私は庇ったと思う
半年後たまたま寄った高専で悟と再会した
なんか嫌味言うし、言う事全てが鼻につく
やはり御三家嫌いって言うのが正直な感想
どんなに術式が良かろうと六眼持ってようと
腹が立つ奴、それが彼への感想だった
きっと坊ちゃんは蝶よ花よと育てられたに違いない
何の因果か知らないが
怪我からの復帰後1年と絡む任務が多かった
すぐに硝子と傑とは打ち解けたけど
悟とは時間がかかった気がする
そのむかつく後輩がどうやら私に好意を抱いてると知ったのは
だいぶ月日がたっていた気もする
言われるまで気が付かなかった
嫌われてるとさえ思っていたのに
いつの間にか
私も好きになっていた
あの
もう恋なんて一生しないと思っていたのに
自分の気持ちに気が付いてからは早かった
―――なんで悟が私なんかが好きなの?
いくらでも悟は選びたい放題なはず
家柄のいい人、お金や権力を持っている家のお嬢様
美人で可愛いそれこそ芸能人みたいな人
若くて守りがいがある女性らしい美人な非術師
そう考えると止まらなくて
いつか捨てられるんじゃないか
私は遊ばれているんじゃないか
あの時みたいに置いて行かれるんじゃないか…
そう思ったら全てが怖くなった
私がもっと強ければ
精神的にも術師としても強ければ問題ない
もっと堂々と隣で並んでいたい
自分に自信を持ちたかった
離れている間に捨てられても
仕方がないとさえ思っていたのに
悟は私を離さなかった
毎日の様にLINEや電話をした
任務で大怪我を負った時には怒られたけど
すごく心配してくれて愛されてるなって内心嬉しくなった
アメリカからヨーロッパへと拠点を移す時は
悟と一緒に引っ越しをした
本当に行くのかと何度も聞かれたけど
不貞腐れながらも最後は笑って送り出してくれた悟は
大人になったなぁってちょっと感慨深かった
悟の4年間もいろんな事があったと思う
最強になった彼の話は海外の術師の中でも有名だ
今度は隣で貴方を支えるよ
他人に弱みを見せない不器用な貴方だから
私に、なにが出来るか分からないけど
「…さとる、戻ってきたよ」
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