好きだと言えない
name change
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朝から雪が降っていた
天気予報では関東にも大雪注意報が出されていて
後部座席から降り積もる雪を名前はぼうっと眺めていた
「雪、結構降ってきましたね。今日は高専に戻らなくていいとメールが来ました」
「高専みたいな山奥はさらに積もってそうだもんね」
「名前さんも直帰ですので、任務頑張りましょうね」
都内の廃墟になったビルが本日最後の現場だった
シャッターにはスプレーで書かれたような落書き
ガガガとおおきな音をたてながら上へと押し上げる
中に足を踏み入れると雨漏りしているのか天井から
水が垂れ落ちてきていて少し前方の床に水たまりを作っていた
ぴちゃん
水音が響く
コンクリートむき出しの室内は
とても室内と言えない位寒く頬がピリピリとした
その中をコツコツとヒールの音を立てながら名前は歩いて行くが、なかなか相手は出てこない
「寒いんだから早く出てきてよ」
大きなため息と独り言を言いながら残穢を追い続けた
ーーー
ーーーーー
ーーー
「名前さん!お疲れ様です。珍しく時間かかりましたね。もう少しで応援呼ぶところでした」
そう言われて名前は自分の腕時計を確認すると
悠に2時間は過ぎていた
「ごめんなさい。肌感覚ではそこまで時間経ってなくて」
「時間も操る呪いだったのかもしれませんね。寒かったですよね顔真っ白ですよ?早く乗ってください」
温かい車内に入ると無意識にため息が出た
携帯を確認すると悟から写メ付きで色々届いていた
どうやら高専内はかなり積もっているみたいだ
最近ふと携帯を見ることが増えた気がする
悟がマメに連絡をくれるからと言うのもあるが
名前自身それを楽しみにしていた
―――まだ、あいつには言えないけど
ぴろん
再び携帯が着信を知らせたのでLINEを開く
悟
≪まだ仕事してんの?雪で帰れなくなんなよ≫
名前
≪今終わったから直帰。送ってもらうから大丈夫。≫
雪は未だに降り続いていて
車が大通りに出てもいつもは賑やかな街並みが
歩く人はほとんどいなくとても静かにみえた
そんな時にふと悟に会いたくなるのは
きっと寒さのせいで人肌が恋しいのだろうと
名前は窓にもたれてそっと瞳を閉じた
ピロン
悟
≪会いたいからお前の家行ってもいい?≫
夜になって部屋でくつろいでいると
いじけたような声で悟から電話がかかってきた
「なー。LINE既読スルーやめろよ」
「え?返したじゃん」
「…今日、俺がお前んち行くのやだった?」
慌てて名前は携帯を確認すると
見覚えのないメッセージに既読が付いていた
「ごめん、寝ながらあけてたのかも」
「マジかー。ならお前の部屋の前で待ってれば良かった」
会いたかったなと名前も思ったが
それはまだ素直に言葉には出来ないでいた
.
天気予報では関東にも大雪注意報が出されていて
後部座席から降り積もる雪を名前はぼうっと眺めていた
「雪、結構降ってきましたね。今日は高専に戻らなくていいとメールが来ました」
「高専みたいな山奥はさらに積もってそうだもんね」
「名前さんも直帰ですので、任務頑張りましょうね」
都内の廃墟になったビルが本日最後の現場だった
シャッターにはスプレーで書かれたような落書き
ガガガとおおきな音をたてながら上へと押し上げる
中に足を踏み入れると雨漏りしているのか天井から
水が垂れ落ちてきていて少し前方の床に水たまりを作っていた
ぴちゃん
水音が響く
コンクリートむき出しの室内は
とても室内と言えない位寒く頬がピリピリとした
その中をコツコツとヒールの音を立てながら名前は歩いて行くが、なかなか相手は出てこない
「寒いんだから早く出てきてよ」
大きなため息と独り言を言いながら残穢を追い続けた
ーーー
ーーーーー
ーーー
「名前さん!お疲れ様です。珍しく時間かかりましたね。もう少しで応援呼ぶところでした」
そう言われて名前は自分の腕時計を確認すると
悠に2時間は過ぎていた
「ごめんなさい。肌感覚ではそこまで時間経ってなくて」
「時間も操る呪いだったのかもしれませんね。寒かったですよね顔真っ白ですよ?早く乗ってください」
温かい車内に入ると無意識にため息が出た
携帯を確認すると悟から写メ付きで色々届いていた
どうやら高専内はかなり積もっているみたいだ
最近ふと携帯を見ることが増えた気がする
悟がマメに連絡をくれるからと言うのもあるが
名前自身それを楽しみにしていた
―――まだ、あいつには言えないけど
ぴろん
再び携帯が着信を知らせたのでLINEを開く
悟
≪まだ仕事してんの?雪で帰れなくなんなよ≫
名前
≪今終わったから直帰。送ってもらうから大丈夫。≫
雪は未だに降り続いていて
車が大通りに出てもいつもは賑やかな街並みが
歩く人はほとんどいなくとても静かにみえた
そんな時にふと悟に会いたくなるのは
きっと寒さのせいで人肌が恋しいのだろうと
名前は窓にもたれてそっと瞳を閉じた
ピロン
悟
≪会いたいからお前の家行ってもいい?≫
夜になって部屋でくつろいでいると
いじけたような声で悟から電話がかかってきた
「なー。LINE既読スルーやめろよ」
「え?返したじゃん」
「…今日、俺がお前んち行くのやだった?」
慌てて名前は携帯を確認すると
見覚えのないメッセージに既読が付いていた
「ごめん、寝ながらあけてたのかも」
「マジかー。ならお前の部屋の前で待ってれば良かった」
会いたかったなと名前も思ったが
それはまだ素直に言葉には出来ないでいた
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