好きだと言えない
name change
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2月に入ろうかという頃
名前に長期の出張の話が舞い込んできた
悟も忙しいのかここ数日見かけなかったし
LINEで何件かしているやり取りを見つつ
別にこちらからわざわざ出張だと連絡しなくてもいいかと考えつつ
名前はキャリーケースを転がしながら飛行機へと乗り込んだ
「名前さんと出張任務とか光栄です!しかも1週間!北海道!!」
「いや別に私なんて大したことないですよ。雪道慣れてるって聞いたんですが」
「私、青森出身なんですよ!安全運転に努めますね!」
朝からハイテンションでニコニコと話しかけてくる
補助監督の加藤さんは20代半ば位で名前と年が近く
可愛らしいという表現がぴったりの人だった
北海道と言っても広い
今回は函館から根室までの範囲で移動距離も半端なく
道内を飛行機で移動する箇所もある
タブレットに視線を向けながらも
名前の頭の中でふと悟の事を思い浮かべた
『名前、俺と付き合って。俺の彼女になって』
『いいだろ?俺、今彼氏だし』
『大丈夫。それに俺、名前が最優先事項だから』
付き合いだしてから約一か月が過ぎるが
名前は自分の気持ちがよくわからなかった
好きか嫌いか
その2択であればおそらく前者だ
でもそれが恋愛感情か、と問われると
―――でも。キスは嫌じゃなかった
「…さん。名前さん」
「あ、ごめんなさい加藤さん。なんでしたっけ?」
「大丈夫です?お疲れですか?」
「全然、北海道で美味しいもの食べたいなーなんて」
可愛らしく笑いながらおすすめのお店をすでに
リサーチしているという加藤さんの話を
聞いているうちに函館空港への着陸のアナウンスが流れた
ーーー
ーーーーー
ーーー
「はぁ?!名前北海道へ出張ーーーー?!」
「なんだ悟、聞いてなかったのか?」
「聞いてね―よ!あの雑誌の記事、全然ダメじゃん!!」
「雑誌の記事?」
悟の視線が一瞬、談話室に無造作に置かれていた
週刊誌に向いたのに気が付いて手に取ると
「恋愛は駆け引き!押してダメならピタリとやめろ!!」
と、でかでかと表紙に書かれていた
「で、名前さんに連絡でも絶っていたのかい?」
「…」
「もしかして、それから連絡ないとか?」
「ち、ちげーし!たった3日だからあいつ忙しいんだよ!!」
慌てて携帯を取り出しLINEを開いている
同級生に「かわいいね」と呟いたら傑は殴られた
空港へ着き携帯の電源を入れたとたん
いくつもの着信が届き名前は携帯が壊れたのかと思った
だが画面に現れた”五条悟”の文字を見て
思わず口からため息がこぼれた
加藤さんがレンタカーの手配をしている間
携帯をいじって内容を確認してみる
悟
≪お前今どこ?≫
悟
≪まさか、もう出発したとか?≫
悟
≪ねえ、返事しろよ≫
悟
≪傑に聞いたんだけど、一週間も北海道ってマジ?≫
悟
≪そんなに長い間名前の顔見れないとかマジ無理なんだけど≫
悟
≪あー昨日無理してでも会いに行けばよかった≫
悟
≪着いたら連絡しろ≫
悟
≪まだ?≫
悟
≪まさか怪我とかしてねーよな?≫
悟
≪いや、ほんとに大丈夫かよ≫
「はぁ…とりあえず返すか」
名前は返信内容を打っていると
加藤さんから声がかかり移動しなければならなくなり
とりあえず一言だけ返した
名前
≪今、空港着いた≫
するとすぐに既読が付き携帯が震えだした
画面には 着信中 五条悟 の文字
「もしもし」
「あれ、悟ー?聞こえてる?今移動中なんだけど」
『おっまえなーー!!!出張行くなら事前にそう言えよ!!!』
いきなり怒鳴り声が聞こえて
名前は思わず耳から携帯を遠ざけた
「ごめん、ばたばたしてたし、連絡ないから別にいいかと思ってた」
『…よくねーよ。俺から連絡なくても名前からも連絡しろよ』
「え?」
『…出張で会えないなら昨日会いに行ったのに』
「いや、悟も忙しいでしょ?」
『忙しくてもそれくらいの時間作れるっての!それとも』
『…それとも、俺だけこんなにお前に会いてーの?』
少しいつもよりも寂し気に聞こえたのは
北海道の凍てついた空気のせいだろうか
歩きながら話していた名前の足が一瞬立ち止まった
「…悟、もしかして寂しいの?」
言葉のチョイスを間違えたと思った時には遅すぎた
そう言ってしまえば3倍返しで罵詈雑言が戻ってくるはずだった
『…名前、会いたい』
「悟、帰るときにちゃんと連絡するよ」
『そっちにいる間も連絡寄こせ。俺も電話するから』
「電話?LINEじゃなくて?」
『せめてお前の声聴きてーの!悪かったな。じゃ夜連絡する』
悟に限らず男性から会いたいとか
声が聴きたいなんて言われたの
「初めてかも…」
.
名前に長期の出張の話が舞い込んできた
悟も忙しいのかここ数日見かけなかったし
LINEで何件かしているやり取りを見つつ
別にこちらからわざわざ出張だと連絡しなくてもいいかと考えつつ
名前はキャリーケースを転がしながら飛行機へと乗り込んだ
「名前さんと出張任務とか光栄です!しかも1週間!北海道!!」
「いや別に私なんて大したことないですよ。雪道慣れてるって聞いたんですが」
「私、青森出身なんですよ!安全運転に努めますね!」
朝からハイテンションでニコニコと話しかけてくる
補助監督の加藤さんは20代半ば位で名前と年が近く
可愛らしいという表現がぴったりの人だった
北海道と言っても広い
今回は函館から根室までの範囲で移動距離も半端なく
道内を飛行機で移動する箇所もある
タブレットに視線を向けながらも
名前の頭の中でふと悟の事を思い浮かべた
『名前、俺と付き合って。俺の彼女になって』
『いいだろ?俺、今彼氏だし』
『大丈夫。それに俺、名前が最優先事項だから』
付き合いだしてから約一か月が過ぎるが
名前は自分の気持ちがよくわからなかった
好きか嫌いか
その2択であればおそらく前者だ
でもそれが恋愛感情か、と問われると
―――でも。キスは嫌じゃなかった
「…さん。名前さん」
「あ、ごめんなさい加藤さん。なんでしたっけ?」
「大丈夫です?お疲れですか?」
「全然、北海道で美味しいもの食べたいなーなんて」
可愛らしく笑いながらおすすめのお店をすでに
リサーチしているという加藤さんの話を
聞いているうちに函館空港への着陸のアナウンスが流れた
ーーー
ーーーーー
ーーー
「はぁ?!名前北海道へ出張ーーーー?!」
「なんだ悟、聞いてなかったのか?」
「聞いてね―よ!あの雑誌の記事、全然ダメじゃん!!」
「雑誌の記事?」
悟の視線が一瞬、談話室に無造作に置かれていた
週刊誌に向いたのに気が付いて手に取ると
「恋愛は駆け引き!押してダメならピタリとやめろ!!」
と、でかでかと表紙に書かれていた
「で、名前さんに連絡でも絶っていたのかい?」
「…」
「もしかして、それから連絡ないとか?」
「ち、ちげーし!たった3日だからあいつ忙しいんだよ!!」
慌てて携帯を取り出しLINEを開いている
同級生に「かわいいね」と呟いたら傑は殴られた
空港へ着き携帯の電源を入れたとたん
いくつもの着信が届き名前は携帯が壊れたのかと思った
だが画面に現れた”五条悟”の文字を見て
思わず口からため息がこぼれた
加藤さんがレンタカーの手配をしている間
携帯をいじって内容を確認してみる
悟
≪お前今どこ?≫
悟
≪まさか、もう出発したとか?≫
悟
≪ねえ、返事しろよ≫
悟
≪傑に聞いたんだけど、一週間も北海道ってマジ?≫
悟
≪そんなに長い間名前の顔見れないとかマジ無理なんだけど≫
悟
≪あー昨日無理してでも会いに行けばよかった≫
悟
≪着いたら連絡しろ≫
悟
≪まだ?≫
悟
≪まさか怪我とかしてねーよな?≫
悟
≪いや、ほんとに大丈夫かよ≫
「はぁ…とりあえず返すか」
名前は返信内容を打っていると
加藤さんから声がかかり移動しなければならなくなり
とりあえず一言だけ返した
名前
≪今、空港着いた≫
するとすぐに既読が付き携帯が震えだした
画面には 着信中 五条悟 の文字
「もしもし」
「あれ、悟ー?聞こえてる?今移動中なんだけど」
『おっまえなーー!!!出張行くなら事前にそう言えよ!!!』
いきなり怒鳴り声が聞こえて
名前は思わず耳から携帯を遠ざけた
「ごめん、ばたばたしてたし、連絡ないから別にいいかと思ってた」
『…よくねーよ。俺から連絡なくても名前からも連絡しろよ』
「え?」
『…出張で会えないなら昨日会いに行ったのに』
「いや、悟も忙しいでしょ?」
『忙しくてもそれくらいの時間作れるっての!それとも』
『…それとも、俺だけこんなにお前に会いてーの?』
少しいつもよりも寂し気に聞こえたのは
北海道の凍てついた空気のせいだろうか
歩きながら話していた名前の足が一瞬立ち止まった
「…悟、もしかして寂しいの?」
言葉のチョイスを間違えたと思った時には遅すぎた
そう言ってしまえば3倍返しで罵詈雑言が戻ってくるはずだった
『…名前、会いたい』
「悟、帰るときにちゃんと連絡するよ」
『そっちにいる間も連絡寄こせ。俺も電話するから』
「電話?LINEじゃなくて?」
『せめてお前の声聴きてーの!悪かったな。じゃ夜連絡する』
悟に限らず男性から会いたいとか
声が聴きたいなんて言われたの
「初めてかも…」
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