好きだと言えない
name change
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任務の後名前は補助監督に近くの駅で降ろしてもらい
新宿まで買い物に来ていた
5日とはいえ街はまだ正月ムードが漂っており
いつもよりも人通りが多い
デパートの中を見て回るものの
名前は悟のプレゼントを選べないでいた
この年末年始ずっと一緒に居たのもあり
彼の事は以前より近くに感じる
口は悪いが可愛い後輩であり頼れる優秀な術師
それでも自分より5つも年下の男の子がなにが欲しいのかわからないし
同じ1級術師で給料もそこそこもらっている
そもそも御三家の嫡男で普通の高校生ではないのだ
まったく欲しいものの見当がつかない
「こないだのリュックもTUMIだったしなぁ。年の割にいいもん持ち歩いてるんだよねーあいつ。金持ちだし」
いつも微かにいい香りもする香水の匂いもしていた
名前は詳しくないのでそれが
どこのブランドの物なのかもわからない
手袋、とも思ったが
悟の手の大きさを思い出して断念する
サイズが全く分からない
常に右手を繋いで歩いてくれた
足が長いのに歩幅を合わせてくれていた
口では散々なのだが時折見せる不器用な優しさに
ほっとできる、そんな気持ちでいたのを思い出した
―――ほっとできるなんて、変なの
ふと視線を向けた先のブランドのディスプレイ
冬物を纏ったマネキンがマフラーを纏っていた
名前はあの雪山でのことを思い出していた
悟は術式にはまって閉じ込められた自分を見つけてくれた
あの時名前が冷えない様に自分のマフラーを撒きつけ
背中におぶることでこれ以上風冷えしない様にしてくれていた
―――あのマフラー、悟の匂いがしたな
そんなことを考えながら店内に入り
名前は肌触りの良いカシミヤのマフラーを手に取り
悟に似合いそうな色合いはどれか、と選んでいた
ーーー
ーーーーー
ーーー
「なー傑」
「そんなに深刻な顔してどうしたんだい?あ、とうとう名前さん相手にやらかしたか」
「なっ…何をだよ!なんもやらかしてねーっつーの!」
「へぇ。で?」
「…あー。んー。お前はどうやって…」
なぜか煮え切らない態度の同級生を
傑は面白そうに眺めては「どうやって?」と次の言葉を促した
「お前、どうやって女囲ってんだよ」
「人聞きが悪いな。べつに囲っているつもりはないよ?」
「…今も何人か女いんだろ?なんて言って付き合ってんだよ」
どうやら同級生の悟は名前へのアプローチの仕方が
分からないようだ
彼の口から「付き合う」なんて聞くのは初めてだった
「別にどうと言われてもな。悟だって以前は彼女くらいいたろ?」
「あーいたけど。俺、自分で言ったことね―もん」
「それはそれは。でもキスの前後とかやる時くらいは言うだろう?」
「え?言うわけね―じゃん。そのまま顔近づけてチューしたり、フツーにヤらせてって言ってた」
傑はため息を付きながら目の前の男を見たが
この同級生は本気でそう言っている様である
「だって別にヤりたいだけだったし。そこそこ可愛いいやつとか後腐れなさそうなやつとかに言えば即ホテルだったし」
「…それは名前さんにも言ったのかい?」
「はぁ?!言うわけねーじゃん!!そりゃヤりたいけど、それだけじゃねーって言うか」
「ずっと一緒にいたいんだよ。笑ってるトコみてーし。怪我とかして欲しくねーし。守られるタイプじゃなくても俺が守りたいっつーか」
―――そう、大切に。大切にしたいんだ。
「悟、それって簡潔に言うと?」
「は?それって??」
「名前さんへの気持ちだよ。なんで守りたいのか、なんで傷ついて欲しくないのか」
「…好きだからに決まってんだろ」
「わかってるじゃないか。安心したよ。それすらわからないのかと思ったよ」
「傑、テメェ揶揄ってんのか?表出ろよ」
傑は舌を出して両手を軽く上げた
「やめとくよ。告白前の色男の顔面に傷とか、カッコつかないだろうからね」
「はぁ?!俺が殴られる前提なわけ?あり得ねぇだろーが!いいから出ろ!!」
「私は忙しいから遠慮するよ」
そう言って傑は自身の部屋に戻るため階段を数段上り
振り返って同級生に告げた
「悟。ちゃんと伝えなよハッキリと「好き」って言わないと名前さんは気が付かないよ?」
「わかってるっつーの!!」
.
新宿まで買い物に来ていた
5日とはいえ街はまだ正月ムードが漂っており
いつもよりも人通りが多い
デパートの中を見て回るものの
名前は悟のプレゼントを選べないでいた
この年末年始ずっと一緒に居たのもあり
彼の事は以前より近くに感じる
口は悪いが可愛い後輩であり頼れる優秀な術師
それでも自分より5つも年下の男の子がなにが欲しいのかわからないし
同じ1級術師で給料もそこそこもらっている
そもそも御三家の嫡男で普通の高校生ではないのだ
まったく欲しいものの見当がつかない
「こないだのリュックもTUMIだったしなぁ。年の割にいいもん持ち歩いてるんだよねーあいつ。金持ちだし」
いつも微かにいい香りもする香水の匂いもしていた
名前は詳しくないのでそれが
どこのブランドの物なのかもわからない
手袋、とも思ったが
悟の手の大きさを思い出して断念する
サイズが全く分からない
常に右手を繋いで歩いてくれた
足が長いのに歩幅を合わせてくれていた
口では散々なのだが時折見せる不器用な優しさに
ほっとできる、そんな気持ちでいたのを思い出した
―――ほっとできるなんて、変なの
ふと視線を向けた先のブランドのディスプレイ
冬物を纏ったマネキンがマフラーを纏っていた
名前はあの雪山でのことを思い出していた
悟は術式にはまって閉じ込められた自分を見つけてくれた
あの時名前が冷えない様に自分のマフラーを撒きつけ
背中におぶることでこれ以上風冷えしない様にしてくれていた
―――あのマフラー、悟の匂いがしたな
そんなことを考えながら店内に入り
名前は肌触りの良いカシミヤのマフラーを手に取り
悟に似合いそうな色合いはどれか、と選んでいた
ーーー
ーーーーー
ーーー
「なー傑」
「そんなに深刻な顔してどうしたんだい?あ、とうとう名前さん相手にやらかしたか」
「なっ…何をだよ!なんもやらかしてねーっつーの!」
「へぇ。で?」
「…あー。んー。お前はどうやって…」
なぜか煮え切らない態度の同級生を
傑は面白そうに眺めては「どうやって?」と次の言葉を促した
「お前、どうやって女囲ってんだよ」
「人聞きが悪いな。べつに囲っているつもりはないよ?」
「…今も何人か女いんだろ?なんて言って付き合ってんだよ」
どうやら同級生の悟は名前へのアプローチの仕方が
分からないようだ
彼の口から「付き合う」なんて聞くのは初めてだった
「別にどうと言われてもな。悟だって以前は彼女くらいいたろ?」
「あーいたけど。俺、自分で言ったことね―もん」
「それはそれは。でもキスの前後とかやる時くらいは言うだろう?」
「え?言うわけね―じゃん。そのまま顔近づけてチューしたり、フツーにヤらせてって言ってた」
傑はため息を付きながら目の前の男を見たが
この同級生は本気でそう言っている様である
「だって別にヤりたいだけだったし。そこそこ可愛いいやつとか後腐れなさそうなやつとかに言えば即ホテルだったし」
「…それは名前さんにも言ったのかい?」
「はぁ?!言うわけねーじゃん!!そりゃヤりたいけど、それだけじゃねーって言うか」
「ずっと一緒にいたいんだよ。笑ってるトコみてーし。怪我とかして欲しくねーし。守られるタイプじゃなくても俺が守りたいっつーか」
―――そう、大切に。大切にしたいんだ。
「悟、それって簡潔に言うと?」
「は?それって??」
「名前さんへの気持ちだよ。なんで守りたいのか、なんで傷ついて欲しくないのか」
「…好きだからに決まってんだろ」
「わかってるじゃないか。安心したよ。それすらわからないのかと思ったよ」
「傑、テメェ揶揄ってんのか?表出ろよ」
傑は舌を出して両手を軽く上げた
「やめとくよ。告白前の色男の顔面に傷とか、カッコつかないだろうからね」
「はぁ?!俺が殴られる前提なわけ?あり得ねぇだろーが!いいから出ろ!!」
「私は忙しいから遠慮するよ」
そう言って傑は自身の部屋に戻るため階段を数段上り
振り返って同級生に告げた
「悟。ちゃんと伝えなよハッキリと「好き」って言わないと名前さんは気が付かないよ?」
「わかってるっつーの!!」
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