好きだと言えない
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
翌朝名前が目覚めると隣のベットはがらんとしていて
一瞬寝坊したのかと思いがばっと身を起こした
和室へとつながる襖戸を開くと
座卓に伏せて悟が眠っていたようで
彼女の気配で身を起こすと同時に部屋をノックする音が聞こえた
朝食を運んできたに女将さんに無事に終わったことを伝えると
お礼にとお土産に菓子折りを渡された
2人は朝食後支度をして宿を出て駅へと向かい
昼の新幹線に乗り込むとすぐに名前はPCを広げた
起動したPCに今回の報告書を打ち込んでいく
「痛っ」
「ばっかじゃねぇ。そりゃ痛いに決まってんだろ折れてんだから。そんなの後ででいーじゃん」
「まぁ、そうなんだけど。今回は悟の視点も書き上げたくて」
「もういい、貸せ」
悟はシートのテーブルを横から引き出すと名前のPCを奪った
座席は「足が長いと狭い」との理由により最前列だ
「で、何書くのー」
カタカタカタ…
「…説明する前に打ってるじゃん」
「まあ、いいから、いいから」
カタカタカタカタカタ…カチっ
「ま、こんなもんじゃね?」
見せられた画面には
綺麗にまとめられた報告が打ち込まれていた
「あ、そういえばご神体は?」
「あー俺のコートのポケット」
「はぁ?扱い雑すぎ!それ頂戴」
「やだよ。今のお前に持たせたら、すぐ奪われそうじゃん」
確かに悟の言うことはもっともだったので
仕方なく預けておくことにした
「で、お前のそれ、どうすんだよ」
「それ?」
「けが。硝子が高専戻ってくるの5日だぞ。あと4日もそうしてるつもりかよ」
「まぁ、そうなるかな」
「…ちょっと待て。救急診療調べっから」
「え?」
「ちゃんと見てもらえって事。薬だって病院の方がマシだろ?」
携帯で検索しだした悟を一瞥したのち
名前は窓の外を眺めた
確かに左手は痛みでドクドクいっている
熱も下がっていないので思考もまばらなのは否めない
名前が痛む左手をさすっていると
「寝てれば?寝てれば痛みも少しはまぎれんだろ」
「ん、そうする」
窓にもたれかかろうとしたら
左手が当たって激痛が走った
「~~~!!」
「ばーかっ俺が態とこっち側に座った意味わかってねーだろ。ほら、頭こっち」
背後から悟の腕が回って後頭部に手が添えられると
名前の頭を自分に引き寄せた
「寄っかかってろよ。それとも名前ちゃん膝枕にするー?」
「…これでお願いします」
名前が答えると悟は彼女の頭を肩に回している方の手で撫でた
「ほら。早く寝ろ。子守歌でも歌ってやろーか?」
「だ、大丈夫、おやすみ」
無理矢理に瞳を閉じた名前の心臓が
トクンと鳴った
―――悟はただの後輩なはずなのに
東京に着くと当たり前の様に悟は
名前のキャリーケースを引き反対の手で彼女の右手をとった
「お前、また熱出てきた?さっきより手が熱いじゃん」
「んー大丈夫、歩けるよ」
「ほんと、お前の大丈夫信用なんねー」
旅館を出る時は頑なに手を繋ぐのも荷物を持たせるのも
断っていた名前に対して「俺、荷物これだけだし」と
ビジネスリュックを指さし無理矢理彼女の荷物を奪っていた
今は当たり前の様に小さな手が繋がれる
それを恥ずかしがることも嫌がることも
なさそうなのを悟は心の中で喜んでいた
「このまま高専近くの病院行くぞ。駅の近くのメディカルセンター空いてるっぽいから」
「ん―…ん?悟、帰らないの?」
「は?帰んねーよ?帰るっても寮な」
ーーー
ーーーーー
ーーー
診療結果はやはり折れていて
ギプスで固定された名前をみて悟はケラケラ笑った
「ダサ―っ正月早々ウケんね。やっぱヒビじゃなくて折れてたじゃん」
「うー。まあ左で良かった」
「負け惜しみー?ま、硝子が来るまでの辛抱な。飯、どうする?」
「うーん。帰ろうかな。家で食べる」
「じゃ、なんかテイクアウトしてこーぜ。俺も寮だし、まだ飯ねーんだわ」
―――きっと熱のせい。じゃなかったらこんな事言葉にしない
名前は繋がれている大きな手をぎゅっと握って
少しだけ前を歩く後ろ姿に声をかけた
「じゃあ、私の家で一緒に食べる?」
「は?」
.
一瞬寝坊したのかと思いがばっと身を起こした
和室へとつながる襖戸を開くと
座卓に伏せて悟が眠っていたようで
彼女の気配で身を起こすと同時に部屋をノックする音が聞こえた
朝食を運んできたに女将さんに無事に終わったことを伝えると
お礼にとお土産に菓子折りを渡された
2人は朝食後支度をして宿を出て駅へと向かい
昼の新幹線に乗り込むとすぐに名前はPCを広げた
起動したPCに今回の報告書を打ち込んでいく
「痛っ」
「ばっかじゃねぇ。そりゃ痛いに決まってんだろ折れてんだから。そんなの後ででいーじゃん」
「まぁ、そうなんだけど。今回は悟の視点も書き上げたくて」
「もういい、貸せ」
悟はシートのテーブルを横から引き出すと名前のPCを奪った
座席は「足が長いと狭い」との理由により最前列だ
「で、何書くのー」
カタカタカタ…
「…説明する前に打ってるじゃん」
「まあ、いいから、いいから」
カタカタカタカタカタ…カチっ
「ま、こんなもんじゃね?」
見せられた画面には
綺麗にまとめられた報告が打ち込まれていた
「あ、そういえばご神体は?」
「あー俺のコートのポケット」
「はぁ?扱い雑すぎ!それ頂戴」
「やだよ。今のお前に持たせたら、すぐ奪われそうじゃん」
確かに悟の言うことはもっともだったので
仕方なく預けておくことにした
「で、お前のそれ、どうすんだよ」
「それ?」
「けが。硝子が高専戻ってくるの5日だぞ。あと4日もそうしてるつもりかよ」
「まぁ、そうなるかな」
「…ちょっと待て。救急診療調べっから」
「え?」
「ちゃんと見てもらえって事。薬だって病院の方がマシだろ?」
携帯で検索しだした悟を一瞥したのち
名前は窓の外を眺めた
確かに左手は痛みでドクドクいっている
熱も下がっていないので思考もまばらなのは否めない
名前が痛む左手をさすっていると
「寝てれば?寝てれば痛みも少しはまぎれんだろ」
「ん、そうする」
窓にもたれかかろうとしたら
左手が当たって激痛が走った
「~~~!!」
「ばーかっ俺が態とこっち側に座った意味わかってねーだろ。ほら、頭こっち」
背後から悟の腕が回って後頭部に手が添えられると
名前の頭を自分に引き寄せた
「寄っかかってろよ。それとも名前ちゃん膝枕にするー?」
「…これでお願いします」
名前が答えると悟は彼女の頭を肩に回している方の手で撫でた
「ほら。早く寝ろ。子守歌でも歌ってやろーか?」
「だ、大丈夫、おやすみ」
無理矢理に瞳を閉じた名前の心臓が
トクンと鳴った
―――悟はただの後輩なはずなのに
東京に着くと当たり前の様に悟は
名前のキャリーケースを引き反対の手で彼女の右手をとった
「お前、また熱出てきた?さっきより手が熱いじゃん」
「んー大丈夫、歩けるよ」
「ほんと、お前の大丈夫信用なんねー」
旅館を出る時は頑なに手を繋ぐのも荷物を持たせるのも
断っていた名前に対して「俺、荷物これだけだし」と
ビジネスリュックを指さし無理矢理彼女の荷物を奪っていた
今は当たり前の様に小さな手が繋がれる
それを恥ずかしがることも嫌がることも
なさそうなのを悟は心の中で喜んでいた
「このまま高専近くの病院行くぞ。駅の近くのメディカルセンター空いてるっぽいから」
「ん―…ん?悟、帰らないの?」
「は?帰んねーよ?帰るっても寮な」
ーーー
ーーーーー
ーーー
診療結果はやはり折れていて
ギプスで固定された名前をみて悟はケラケラ笑った
「ダサ―っ正月早々ウケんね。やっぱヒビじゃなくて折れてたじゃん」
「うー。まあ左で良かった」
「負け惜しみー?ま、硝子が来るまでの辛抱な。飯、どうする?」
「うーん。帰ろうかな。家で食べる」
「じゃ、なんかテイクアウトしてこーぜ。俺も寮だし、まだ飯ねーんだわ」
―――きっと熱のせい。じゃなかったらこんな事言葉にしない
名前は繋がれている大きな手をぎゅっと握って
少しだけ前を歩く後ろ姿に声をかけた
「じゃあ、私の家で一緒に食べる?」
「は?」
.