好きだと言えない
name change
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携帯のアラーム音がして悟が目を覚ました
いつの間にか名前のベッドの脇で床に座り込んだまま
頭を預けて眠ってしまったようだった
名前が携帯をタップして音を消したのを
ぼんやりと眺めながら口を開いた
「今、何時?」
「ん…4時」
「は?こんな時間に結界張り直すの?ってかお前」
名前が上体を起こしたのと
呪いの気配が濃くなったのが同時だった
「ちっ仕方ねぇな。俺があっち行くから名前、お前は結界な」
「ちょっと仕切んないでよ、私の方が先輩なんですけど」
「けっ 使えねー癖に口だけは一人前でやんの」
「無理、すんなよ。すぐ戻るし」
先に襖戸を開けた悟は振り返らずにそう一言残して出ていった
呪いの気配は本館から立ち込めている
宿泊客に被害が出る前に悟なら何とでも対処するだろう
名前は来ていた浴衣を軽く整え
上から羽織を羽織ってから離れの貸切風呂へと足を速めた
離れにある風呂場の入り口の引き戸をギギギと開けた
ここにはまだ呪いの気配はない
今のうちに結界を張ってしまおうと名前は
電気を付けて中へと入る
結界の中心へと手を伸ばすと彼女は意識を集中する
建物全体に格子状に呪力の糸を張り巡らせる
念のため祠の時と同じように結界を2重にしている途中で
背後に濃い呪いの気配を感じた
やばい
これを途中でやめてしまう訳にいかない
だが結界を張っている途中で攻撃に切り替えることは出来ない
ギャギャギャギャギャギャ
目をぎゅっと閉じて背後からくる衝撃に備えると
呪いの気配がスッと消えた
その代わりに別の呪力を感じると肩の力がふっと抜けた
「今度は間に合ったな。ほら、とっとと終わらせろ」
悟の声に名前は振り向くことなく頷いた
格子状に張り巡らせていた糸に呪力を乗せていく
最後に祠で施した結界とここの結界を強固に結ぶために
柏手 をパンっと打つとキインっと結界が張られた
「痛っったーーーーっ」
「はぁ。本当バカかよ」
「イタタ…でも、ちゃんと張れたよ?」
「へいへい。名前ちゃんよくできまちたねー」
「腹立つ」
入口の扉にもたれかかりながら
こちらを見ていた悟の手がまっすぐに伸びてくる
「手」
「なに?」
「手、かせって言ってんの。それともお姫様抱っこして欲しいってか?重いくせに図々しいな」
「どっちもいらないし」
目の前を通り過ぎようとした彼女の手首を
無理矢理掴むと悟はゆっくりと部屋へと歩き出した
「強がりは良くねーって言ってんだろ?ほら帰って寝るぞ」
ふと歩き出して名前は気付いた
いつもよりもゆっくりと歩いてくれている事に
彼なりに気を使ってくれている
それに気が付くとくすぐったいような気持ちになった
「悟、ありがと」
小さく呟いた言葉は背の高い彼に届かなかったようで
振り向かれることなく部屋へと導かれて行った
.
いつの間にか名前のベッドの脇で床に座り込んだまま
頭を預けて眠ってしまったようだった
名前が携帯をタップして音を消したのを
ぼんやりと眺めながら口を開いた
「今、何時?」
「ん…4時」
「は?こんな時間に結界張り直すの?ってかお前」
名前が上体を起こしたのと
呪いの気配が濃くなったのが同時だった
「ちっ仕方ねぇな。俺があっち行くから名前、お前は結界な」
「ちょっと仕切んないでよ、私の方が先輩なんですけど」
「けっ 使えねー癖に口だけは一人前でやんの」
「無理、すんなよ。すぐ戻るし」
先に襖戸を開けた悟は振り返らずにそう一言残して出ていった
呪いの気配は本館から立ち込めている
宿泊客に被害が出る前に悟なら何とでも対処するだろう
名前は来ていた浴衣を軽く整え
上から羽織を羽織ってから離れの貸切風呂へと足を速めた
離れにある風呂場の入り口の引き戸をギギギと開けた
ここにはまだ呪いの気配はない
今のうちに結界を張ってしまおうと名前は
電気を付けて中へと入る
結界の中心へと手を伸ばすと彼女は意識を集中する
建物全体に格子状に呪力の糸を張り巡らせる
念のため祠の時と同じように結界を2重にしている途中で
背後に濃い呪いの気配を感じた
やばい
これを途中でやめてしまう訳にいかない
だが結界を張っている途中で攻撃に切り替えることは出来ない
ギャギャギャギャギャギャ
目をぎゅっと閉じて背後からくる衝撃に備えると
呪いの気配がスッと消えた
その代わりに別の呪力を感じると肩の力がふっと抜けた
「今度は間に合ったな。ほら、とっとと終わらせろ」
悟の声に名前は振り向くことなく頷いた
格子状に張り巡らせていた糸に呪力を乗せていく
最後に祠で施した結界とここの結界を強固に結ぶために
「痛っったーーーーっ」
「はぁ。本当バカかよ」
「イタタ…でも、ちゃんと張れたよ?」
「へいへい。名前ちゃんよくできまちたねー」
「腹立つ」
入口の扉にもたれかかりながら
こちらを見ていた悟の手がまっすぐに伸びてくる
「手」
「なに?」
「手、かせって言ってんの。それともお姫様抱っこして欲しいってか?重いくせに図々しいな」
「どっちもいらないし」
目の前を通り過ぎようとした彼女の手首を
無理矢理掴むと悟はゆっくりと部屋へと歩き出した
「強がりは良くねーって言ってんだろ?ほら帰って寝るぞ」
ふと歩き出して名前は気付いた
いつもよりもゆっくりと歩いてくれている事に
彼なりに気を使ってくれている
それに気が付くとくすぐったいような気持ちになった
「悟、ありがと」
小さく呟いた言葉は背の高い彼に届かなかったようで
振り向かれることなく部屋へと導かれて行った
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