好きだと言えない
name change
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真っ暗闇の中離れの部屋に戻り
時計を確認すると
思ったよりも早くまだ食事まで時間があった
2人は一度別れて大浴場に向かった
名前は服を脱ぎながら自分の怪我を確認した
体中が痣だらけになっていた
一番酷かったのは左腕で
肘から下の色が変わっていた
「あーあ。これやっちゃったな」
名前はポーチから痛み止めを取り出し飲み込むと
片手で体や頭を洗い入浴を済ませ部屋に戻った
「あれ?随分早いじゃん。ちゃんと温まったのかよ」
「うん」
長風呂したいのは山々だがこの腕では温まると痛くなる
悟の前を素通りした名前は
広縁に置いてあったキャリーケースをあさり
ポーチからシップと包帯を取り出し自分で手当てしだした
「こそこそなにしてんだよ。お前、その腕折れてんじゃね?」
「たぶん平気。ひびくらい」
「ふーん。…それ貸せ」
後ろから覗き込んでいた悟が無理矢理名前から包帯を奪うと
彼女に自分の方を向かって座らせた
「準備万端すぎねぇ?いつも持ち歩いてんの?弱っちいと荷物多くて苦労すんねー」
「…生傷いつも絶えないし」
「弱っいのは認めんのかよ。調子狂うわ」
悟は器用に包帯を巻いていく
しっかりと固定され先程より痛みもマシになった気がした
手当てが終わるタイミングで扉がノックされて
夕食が運ばれてきた
「ごゆっくりどうぞ」
和室の座卓には豪華な会席膳が並べられた
悟におかずを分けながら名前は気になっていたことを聞いた
「そう言えば、さっき言ってた嵌められたってどういう事?」
「あー。俺がこっちで祓った呪いの大元があったんだよ。山奥の祠にあったやつのおそらくつがいだろ」
「え?それって」
「寄神様だね。こっちのは石?化石みたいなやつ。呪力駄々洩れの」
2人がここに着いた時にくみは
一通り宿の中を見て回っている
だがその時呪力は感じ取っていない
「お前の見落としじゃねーよ。俺の目でも見えてなかったから、俺らが来た時点ではなかったはずだ」
「じゃあ祠に向かっている間に何者かが仕掛けたって事?」
「ご名答。呪符を剥がした可能性もあるがそれは薄いな。呪符の時点で俺、見えるもん」
「目的は…?」
悟は横に首を振って
「さあね」と答えた
「ま、犯人の狙いが俺らなら寝込みでも襲ってくんじゃね?」
「そうだね。念のため、今日は一緒に寝ようか」
「……は?」
ーーー
ーーーーー
ーーー
悟が宿内を見まわりに行っている間
名前はタブレットでここの土地神について
調べていた
やはり今日結界を張り直した祠がこの近辺では一番古い
だがご神体についての記述はなく
悟が封印したそれが片割れなのかどうかは
分からず仕舞いだった
悟と名前のどちらかを狙っているのか
それとも高専関係者なら誰でも良かったのか
―――そもそも悟が同行することは知らなかったはず
だとしたら…
「ただいまー」
「おかえり。なにか異変あった?」
「なーんもねえ。ま、考え過ぎで俺もお前も狙われてないかも知んねーし」
「それって非術師狙いって事?」
「そ。非術師に犠牲者出して、任務失敗による失脚が狙いとかな。胸糞わりーけど」
それならあり得ない話ではない
今日ここに誰が来たとしても関係ない
名前でも悟でもほかの誰かでもよかったのだ
悟が名前の目の前に腰を下ろすとすっと手を伸ばし
彼女の額にその大きな手のひらを当てた
「顔赤いと思ってみればやっぱ熱あんじゃん。それ、やっぱ折れてんだろ。寝てれば?」
「大丈夫」
「ばーか、寝言は寝て言え。いざって時に倒れて足手まといにでもなる気?それこそ迷惑なんだよ」
名前の怪我をしていない右手首を掴むと
無理矢理に立たせベッドルームへと連れて行った
「俺、まだ起きてるし少しでいいから寝てろ」
名前がなにか言おうとしているのも無視して
ベッドルームと和室を仕切っている襖戸を閉めた
しばらくしてから悟は名前の様子を見に
そっと襖戸を開ける
部屋の入り口からベッドへと視線を向けると
布団が微かに上下していたので寝ているのだと安堵した
ゆっくりと気配を消して彼女に近づいた
名前の顔を覗き込むと上気した頬
腕が痛むのか眉間に皺が寄っている
額に手を伸ばすとそこは明らかに熱った
悟は洗面でタオルを濡らし名前の額にのせた
床に座り込み名前のベッドに肘を付きながら
その寝顔をぼんやりと眺めた
「俺らしくねー…」
「ん…」
「名前?」
「なんだよ。まだ寝てんのか」
ギシ…
眠る名前の顔の横に手をついて
そっと自分の唇で彼女の唇を塞いだ
.
時計を確認すると
思ったよりも早くまだ食事まで時間があった
2人は一度別れて大浴場に向かった
名前は服を脱ぎながら自分の怪我を確認した
体中が痣だらけになっていた
一番酷かったのは左腕で
肘から下の色が変わっていた
「あーあ。これやっちゃったな」
名前はポーチから痛み止めを取り出し飲み込むと
片手で体や頭を洗い入浴を済ませ部屋に戻った
「あれ?随分早いじゃん。ちゃんと温まったのかよ」
「うん」
長風呂したいのは山々だがこの腕では温まると痛くなる
悟の前を素通りした名前は
広縁に置いてあったキャリーケースをあさり
ポーチからシップと包帯を取り出し自分で手当てしだした
「こそこそなにしてんだよ。お前、その腕折れてんじゃね?」
「たぶん平気。ひびくらい」
「ふーん。…それ貸せ」
後ろから覗き込んでいた悟が無理矢理名前から包帯を奪うと
彼女に自分の方を向かって座らせた
「準備万端すぎねぇ?いつも持ち歩いてんの?弱っちいと荷物多くて苦労すんねー」
「…生傷いつも絶えないし」
「弱っいのは認めんのかよ。調子狂うわ」
悟は器用に包帯を巻いていく
しっかりと固定され先程より痛みもマシになった気がした
手当てが終わるタイミングで扉がノックされて
夕食が運ばれてきた
「ごゆっくりどうぞ」
和室の座卓には豪華な会席膳が並べられた
悟におかずを分けながら名前は気になっていたことを聞いた
「そう言えば、さっき言ってた嵌められたってどういう事?」
「あー。俺がこっちで祓った呪いの大元があったんだよ。山奥の祠にあったやつのおそらくつがいだろ」
「え?それって」
「寄神様だね。こっちのは石?化石みたいなやつ。呪力駄々洩れの」
2人がここに着いた時にくみは
一通り宿の中を見て回っている
だがその時呪力は感じ取っていない
「お前の見落としじゃねーよ。俺の目でも見えてなかったから、俺らが来た時点ではなかったはずだ」
「じゃあ祠に向かっている間に何者かが仕掛けたって事?」
「ご名答。呪符を剥がした可能性もあるがそれは薄いな。呪符の時点で俺、見えるもん」
「目的は…?」
悟は横に首を振って
「さあね」と答えた
「ま、犯人の狙いが俺らなら寝込みでも襲ってくんじゃね?」
「そうだね。念のため、今日は一緒に寝ようか」
「……は?」
ーーー
ーーーーー
ーーー
悟が宿内を見まわりに行っている間
名前はタブレットでここの土地神について
調べていた
やはり今日結界を張り直した祠がこの近辺では一番古い
だがご神体についての記述はなく
悟が封印したそれが片割れなのかどうかは
分からず仕舞いだった
悟と名前のどちらかを狙っているのか
それとも高専関係者なら誰でも良かったのか
―――そもそも悟が同行することは知らなかったはず
だとしたら…
「ただいまー」
「おかえり。なにか異変あった?」
「なーんもねえ。ま、考え過ぎで俺もお前も狙われてないかも知んねーし」
「それって非術師狙いって事?」
「そ。非術師に犠牲者出して、任務失敗による失脚が狙いとかな。胸糞わりーけど」
それならあり得ない話ではない
今日ここに誰が来たとしても関係ない
名前でも悟でもほかの誰かでもよかったのだ
悟が名前の目の前に腰を下ろすとすっと手を伸ばし
彼女の額にその大きな手のひらを当てた
「顔赤いと思ってみればやっぱ熱あんじゃん。それ、やっぱ折れてんだろ。寝てれば?」
「大丈夫」
「ばーか、寝言は寝て言え。いざって時に倒れて足手まといにでもなる気?それこそ迷惑なんだよ」
名前の怪我をしていない右手首を掴むと
無理矢理に立たせベッドルームへと連れて行った
「俺、まだ起きてるし少しでいいから寝てろ」
名前がなにか言おうとしているのも無視して
ベッドルームと和室を仕切っている襖戸を閉めた
しばらくしてから悟は名前の様子を見に
そっと襖戸を開ける
部屋の入り口からベッドへと視線を向けると
布団が微かに上下していたので寝ているのだと安堵した
ゆっくりと気配を消して彼女に近づいた
名前の顔を覗き込むと上気した頬
腕が痛むのか眉間に皺が寄っている
額に手を伸ばすとそこは明らかに熱った
悟は洗面でタオルを濡らし名前の額にのせた
床に座り込み名前のベッドに肘を付きながら
その寝顔をぼんやりと眺めた
「俺らしくねー…」
「ん…」
「名前?」
「なんだよ。まだ寝てんのか」
ギシ…
眠る名前の顔の横に手をついて
そっと自分の唇で彼女の唇を塞いだ
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