純愛
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「いいかい?僕が迎えに来るまでぜーーーったいここから出るなよ?」
翌日悟は調べものがあるからと言いどこかへ出かけ
その間名前は事務室で仕事をしていた
珍しく固定電話が鳴り
名前はそれに手を伸ばした
ーーー
ーーーーー
ーーー
「伊地知。例のメールの件だけど進展は?」
「五条さん、この人物で間違えないですか?」
悟が伊地知の持つタブレットに視線を移す
記載事項をざっと読み、口角を上げた
「ご名答。へぇ、あいつの彼氏だったんだ。かわいそうに。」
「それって、彼女がですか?それとも男の方ですか?」
「どっちもだよ。知らなかったとか通用しないよね。名前に手を出したんだから。呪いを使って」
「伊地知、今日中にこの男の素性を調べて。特に過去ね」
「過去、ですか?」
彼の言ったことが真実であったなら
過去は存在しないし
親もいないだろう
あっちの世界から来たという証拠なんてない
ならば過去や戸籍などを追ってみるのも一つだと
悟は考えていた
「じゃ、僕名前のとこ戻るから。よろしくね?」
「は、はい」
ーーー奴にはほとんど呪力はなかった
だとしたらどうやって呪霊あれを使役した?
道具?あの特級は鏡だったし
でも縛りって?
考えが纏まらないうちに事務室にたどり着き
声をかけながら扉を開いた
「名前ー昼飯どうする?たまには外に…名前?」
悟の視線の先には
誰もいない机、引かれたままになっている椅子と
「名前!!」
その陰で青白い顔をして倒れ込んでいる彼女がいた
ーーー僕の目の前が、一瞬で真っ暗になった
出口の見えない仄暗い闇の中に閉じ込められた様な気がした
「五条」
「硝子、名前は?」
「外傷は何も…」
悟は医務室のパイプ椅子に腰を掛けながら
硝子の診断を聞いていた
低体温症
最低限の心拍数、呼吸で生命維持をしているような状態
原因不明というところだが呪いだという事は
明らかだった
外れていた受話器からはなにやら読経が聞こえたが
相手がいる訳では無く音声が流れているだけだった
悟は彼女を抱いた時の体の冷たさ
その感覚を鮮明に体が覚えていた
いつものやわらかい笑顔も
温かい肌の温もりも
今朝まで自分の腕の中にあったのに
名前は青白くただ眠るように見えるものの
これが長引けば死が近づくのは明らかだった
「五条?震えてんのか?」
硝子に言われて悟は初めて自分の手が
震えてることに気が付いた
かたん
椅子から立ち上がると名前の眠るベッドへと近づき
震える手で彼女の頬に触れた
その頬は柔らかさはいつもと変わらずとも
人の肌とは思えない位、冷たかった
同時に心臓を抉られたかの様な感覚を受け
喉の奥がひゅうっと鳴いた
ーーー息が苦し…
いや、今苦しいのはお前だよな。名前
「名前、行ってくるね。死ぬなよ?お前、死んだら殺すから」
そう告げて彼女の唇に触れるだけのキスを落とした
唇から伝わる冷たさに悟は自分の唇を嚙みしめ
そこから血が滲んでいた
「硝子、傑…いなかったら七海でも呼んどいて。一応護衛で」
「どこ行くんだ?居場所分かんの?」
「だいたいね。目星はついてる」
「五条…やりすぎんなよ?」
「保証は出来ない。硝子、名前に何かあればすぐ俺に電話ね。もしくは伊地知」
「了解、名前は任せろ。でも出来だけ早めに片付けてこい。起きた時に独りぼっちじゃ可哀想だろ?」
ドアへ向かって歩いていた悟が
扉を開けたところで振り返った
「誰に言ってんの? 秒で帰ってくんよ」
悟は廊下を早歩きながら電話をかけた
「ーーーーやっぱな。伊地知、車回して速攻でやりにいく」
「…名前に手ぇ出したこと、後悔させてやる」
.
翌日悟は調べものがあるからと言いどこかへ出かけ
その間名前は事務室で仕事をしていた
珍しく固定電話が鳴り
名前はそれに手を伸ばした
ーーー
ーーーーー
ーーー
「伊地知。例のメールの件だけど進展は?」
「五条さん、この人物で間違えないですか?」
悟が伊地知の持つタブレットに視線を移す
記載事項をざっと読み、口角を上げた
「ご名答。へぇ、あいつの彼氏だったんだ。かわいそうに。」
「それって、彼女がですか?それとも男の方ですか?」
「どっちもだよ。知らなかったとか通用しないよね。名前に手を出したんだから。呪いを使って」
「伊地知、今日中にこの男の素性を調べて。特に過去ね」
「過去、ですか?」
彼の言ったことが真実であったなら
過去は存在しないし
親もいないだろう
あっちの世界から来たという証拠なんてない
ならば過去や戸籍などを追ってみるのも一つだと
悟は考えていた
「じゃ、僕名前のとこ戻るから。よろしくね?」
「は、はい」
ーーー奴にはほとんど呪力はなかった
だとしたらどうやって呪霊あれを使役した?
道具?あの特級は鏡だったし
でも縛りって?
考えが纏まらないうちに事務室にたどり着き
声をかけながら扉を開いた
「名前ー昼飯どうする?たまには外に…名前?」
悟の視線の先には
誰もいない机、引かれたままになっている椅子と
「名前!!」
その陰で青白い顔をして倒れ込んでいる彼女がいた
ーーー僕の目の前が、一瞬で真っ暗になった
出口の見えない仄暗い闇の中に閉じ込められた様な気がした
「五条」
「硝子、名前は?」
「外傷は何も…」
悟は医務室のパイプ椅子に腰を掛けながら
硝子の診断を聞いていた
低体温症
最低限の心拍数、呼吸で生命維持をしているような状態
原因不明というところだが呪いだという事は
明らかだった
外れていた受話器からはなにやら読経が聞こえたが
相手がいる訳では無く音声が流れているだけだった
悟は彼女を抱いた時の体の冷たさ
その感覚を鮮明に体が覚えていた
いつものやわらかい笑顔も
温かい肌の温もりも
今朝まで自分の腕の中にあったのに
名前は青白くただ眠るように見えるものの
これが長引けば死が近づくのは明らかだった
「五条?震えてんのか?」
硝子に言われて悟は初めて自分の手が
震えてることに気が付いた
かたん
椅子から立ち上がると名前の眠るベッドへと近づき
震える手で彼女の頬に触れた
その頬は柔らかさはいつもと変わらずとも
人の肌とは思えない位、冷たかった
同時に心臓を抉られたかの様な感覚を受け
喉の奥がひゅうっと鳴いた
ーーー息が苦し…
いや、今苦しいのはお前だよな。名前
「名前、行ってくるね。死ぬなよ?お前、死んだら殺すから」
そう告げて彼女の唇に触れるだけのキスを落とした
唇から伝わる冷たさに悟は自分の唇を嚙みしめ
そこから血が滲んでいた
「硝子、傑…いなかったら七海でも呼んどいて。一応護衛で」
「どこ行くんだ?居場所分かんの?」
「だいたいね。目星はついてる」
「五条…やりすぎんなよ?」
「保証は出来ない。硝子、名前に何かあればすぐ俺に電話ね。もしくは伊地知」
「了解、名前は任せろ。でも出来だけ早めに片付けてこい。起きた時に独りぼっちじゃ可哀想だろ?」
ドアへ向かって歩いていた悟が
扉を開けたところで振り返った
「誰に言ってんの? 秒で帰ってくんよ」
悟は廊下を早歩きながら電話をかけた
「ーーーーやっぱな。伊地知、車回して速攻でやりにいく」
「…名前に手ぇ出したこと、後悔させてやる」
.