純愛
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悟はあれからその話題に触れなかった
だから名前も目前の仕事の話を進めていた
報告書を仕上げ明日の任務の確認をし
外で食事を済ませ2人で家に戻る頃には21時を回っていた
玄関の扉を閉めた瞬間
悟は名前に覆いかぶさり唇を塞いだ
こじ開けて侵入してくる舌はいつもより性急で
息もできないままお互いの唾液が混ざり合った
「…っさ、「黙って。黙って僕を受け入れて」…んぅ…」
かくんと足の力が抜けた名前を片腕で支えながらも
なおも彼女の口内を舐めまわしていく
ようやく離れた悟の唇はそのまま彼女の耳元へ寄せられた
「抱きたい…名前がここにいるって、僕の腕の中にいるって感じさせてよ」
そのまま彼女に有無を言わさず抱き上げると
寝室へ向かいベットに降ろし組み敷いた
悟は終始無言で
ただただ名前の体を暴いて己の欲望をぶつけていった
ーーー
ーーーーー
ーーー
「ごめん。こんな抱き方。嫌だったでしょ?」
腕の中に名前を閉じ込めながら悟が言った
彼女が顔を上げて悟を覗き込むと
その顔には先程までの切羽詰まった表情は消え
いつも通りの悟がばつが悪そうに視線を逸らしていた
「…なんかあった?今日の事?」
「んー。自信なくって、僕らしくないけど」
そう言って再び悟は名前の体を抱きしめた
「名前は本当は帰りたいんじゃないかとか。僕に遠慮して言い出せないんじゃないかとか。…僕に内緒でさっきの奴のところに行って、前触れもなく帰っちゃうんじゃないかとか考えたら。止まんなくなっちゃった」
「え?」
「僕は名前が向こうに置いてきたもの全ての代わりになりたいし、絶対に笑顔にさせるのは自分だと思う反面。僕でいいのかな、出来るのかなって。考えてたら、らしくなく自信なくなっちゃって」
「悟…」
「僕ばっかり名前が好きで、好きすぎて。どうしていいか分かんない。ただ…」
「ただ?」
「離れたくない。側にいたいし、側にいて欲しい…」
名前は悟に腕を回してぎゅうっと抱きしめた
「ごめんね。ちゃんと私が話さなかったから不安にさせちゃったね。ちゃんと話すから悟、顔見せて?」
名前が腕を緩めて顔を覗こうとすると
悟は顔をそむけた
「…顔、みないで。今、絶対情けない顔してるから」
「じゃあ顔見ないから。ちょっと私の昔話、聞いてくれる?」
「昔話?」
「悟も住んでたあの家の話。なぜ私があの一軒家に住んでいたのか」
名前は淡々と
でも時折愛おしそうに話し出した
彼女は養女だった
その事実を知ったのは高校卒業の時だった
教員だった父と母の元、何不自由なく育った彼女は
生みの親に会いたいとは不思議と思わなかった
なぜなら、沢山の愛情をもって育ててもらったから
名前も学校で働くことになった時も
自分の事の様に両親は喜び
退職を機に元の家を売って娘の職場の近くに小さな家を建てた
すでに一人暮らしをしていた彼女に引っ越しの前日
母が「引っ越しでどこに置いたか分からなくなると困るから」と言って大切な書類関係を名前に預けていた
「その時一緒にランチを食べたの。それが最後に見た母だった。引っ越し当日、車数台が炎上する事故にあってね。両親も、両親の荷物も全部なくなっちゃった」
引っ越して来たらいつでも帰ってこれるようにと
名前の部屋も用意されていた
だがそこに運ばれるはずの荷物は何一つなく
数日後、2つの骨壺だけが家に帰ってきた
「何もなくなっちゃってね。あの家が私にとっての親からの形見だったの。前の家はもう新しい人に渡ってたから」
悟はふと思い出した
数回だけ入った彼女の部屋に
両親と思われる写真が飾られていたことを
「だから、私にとって悟とのあの家での生活は本当に楽しかったの。家で待ってってくれる人がいて嬉しかった。ずっとあの家では独りぼっちだったから」
「名前…」
「確かに友達とか同僚とか会えない人いっぱいいるけど、私が消えて悲しむ家族はもういないから。帰りたいって思うことはきっと無いよ。悟さえよければここにいたい」
「いいに決まってる」
「うん。そう言ってくれると嬉しい」
悟は名前を抱きしめて細い首元に顔をうずめた
「名前、」
「悟、少しは安心してくれた?」
「うん」
「どこにも行かないから、離さないでね」
名前の言葉に
悟は抱く腕の力をぎゅうっと一瞬強めた
「離さないよ。僕は年下だけどお前位余裕で支えられるから、もっと名前は甘えてよ」
「もう甘えてるよ」
「もっとだよ!僕、名前の笑顔見たいし、笑顔にさせたいの!」
そう言って笑った悟は
いつもの自信に満ちあふれている悟だった
ーーー
ーーーーー
ーーー
ふと意識が覚醒して無意識に
隣で眠っているぬくもりに腕を伸ばした
どこにも行かせたくない
誰にも渡したくない
自分だけのものにしたい
そんな独占欲の裏側には
失ってしまった時の恐怖や
忘れる事の出来ないあの時の喪失感が
潜んでいることを悟は分かっていた
『私が消えて悲しむ家族はもういないからーーー離さないでね』
そう言った名前の過去を知り
始めて自分に向けられていた優しさは
彼女が経験した悲しみの上にあったのだと理解した
名前と離れてから12年
ただその面影を追い求めてやっと手に入れた
ーーー寂しかったし、苦しかった。
あの時は戻ることしか出来なかったけど、今は違う
そっと名前の頭を撫でているだけで
彼女の温もりを感じているだけで
心が満たされて行くのを悟は心地よいと感じていた
だからこそ
そこに横槍を入れる奴が許せなかった
ましてや2度も彼女を傷つけた
その代償は大きい
ーーー裏で何者かが動いていたことは事実
名前と同じという事はやつもこの世界に
飛んで来たという事か?
そして彼女の呪力との関係性は?
ーーー早ければ明日にでも連絡が来るはず
もう二度と手出しはさせない
「名前、絶対守るからちゃんとここにいろよ?」
腕の中で眠る名前にそう呟いてから
悟も再び瞳を閉じた
.
だから名前も目前の仕事の話を進めていた
報告書を仕上げ明日の任務の確認をし
外で食事を済ませ2人で家に戻る頃には21時を回っていた
玄関の扉を閉めた瞬間
悟は名前に覆いかぶさり唇を塞いだ
こじ開けて侵入してくる舌はいつもより性急で
息もできないままお互いの唾液が混ざり合った
「…っさ、「黙って。黙って僕を受け入れて」…んぅ…」
かくんと足の力が抜けた名前を片腕で支えながらも
なおも彼女の口内を舐めまわしていく
ようやく離れた悟の唇はそのまま彼女の耳元へ寄せられた
「抱きたい…名前がここにいるって、僕の腕の中にいるって感じさせてよ」
そのまま彼女に有無を言わさず抱き上げると
寝室へ向かいベットに降ろし組み敷いた
悟は終始無言で
ただただ名前の体を暴いて己の欲望をぶつけていった
ーーー
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ーーー
「ごめん。こんな抱き方。嫌だったでしょ?」
腕の中に名前を閉じ込めながら悟が言った
彼女が顔を上げて悟を覗き込むと
その顔には先程までの切羽詰まった表情は消え
いつも通りの悟がばつが悪そうに視線を逸らしていた
「…なんかあった?今日の事?」
「んー。自信なくって、僕らしくないけど」
そう言って再び悟は名前の体を抱きしめた
「名前は本当は帰りたいんじゃないかとか。僕に遠慮して言い出せないんじゃないかとか。…僕に内緒でさっきの奴のところに行って、前触れもなく帰っちゃうんじゃないかとか考えたら。止まんなくなっちゃった」
「え?」
「僕は名前が向こうに置いてきたもの全ての代わりになりたいし、絶対に笑顔にさせるのは自分だと思う反面。僕でいいのかな、出来るのかなって。考えてたら、らしくなく自信なくなっちゃって」
「悟…」
「僕ばっかり名前が好きで、好きすぎて。どうしていいか分かんない。ただ…」
「ただ?」
「離れたくない。側にいたいし、側にいて欲しい…」
名前は悟に腕を回してぎゅうっと抱きしめた
「ごめんね。ちゃんと私が話さなかったから不安にさせちゃったね。ちゃんと話すから悟、顔見せて?」
名前が腕を緩めて顔を覗こうとすると
悟は顔をそむけた
「…顔、みないで。今、絶対情けない顔してるから」
「じゃあ顔見ないから。ちょっと私の昔話、聞いてくれる?」
「昔話?」
「悟も住んでたあの家の話。なぜ私があの一軒家に住んでいたのか」
名前は淡々と
でも時折愛おしそうに話し出した
彼女は養女だった
その事実を知ったのは高校卒業の時だった
教員だった父と母の元、何不自由なく育った彼女は
生みの親に会いたいとは不思議と思わなかった
なぜなら、沢山の愛情をもって育ててもらったから
名前も学校で働くことになった時も
自分の事の様に両親は喜び
退職を機に元の家を売って娘の職場の近くに小さな家を建てた
すでに一人暮らしをしていた彼女に引っ越しの前日
母が「引っ越しでどこに置いたか分からなくなると困るから」と言って大切な書類関係を名前に預けていた
「その時一緒にランチを食べたの。それが最後に見た母だった。引っ越し当日、車数台が炎上する事故にあってね。両親も、両親の荷物も全部なくなっちゃった」
引っ越して来たらいつでも帰ってこれるようにと
名前の部屋も用意されていた
だがそこに運ばれるはずの荷物は何一つなく
数日後、2つの骨壺だけが家に帰ってきた
「何もなくなっちゃってね。あの家が私にとっての親からの形見だったの。前の家はもう新しい人に渡ってたから」
悟はふと思い出した
数回だけ入った彼女の部屋に
両親と思われる写真が飾られていたことを
「だから、私にとって悟とのあの家での生活は本当に楽しかったの。家で待ってってくれる人がいて嬉しかった。ずっとあの家では独りぼっちだったから」
「名前…」
「確かに友達とか同僚とか会えない人いっぱいいるけど、私が消えて悲しむ家族はもういないから。帰りたいって思うことはきっと無いよ。悟さえよければここにいたい」
「いいに決まってる」
「うん。そう言ってくれると嬉しい」
悟は名前を抱きしめて細い首元に顔をうずめた
「名前、」
「悟、少しは安心してくれた?」
「うん」
「どこにも行かないから、離さないでね」
名前の言葉に
悟は抱く腕の力をぎゅうっと一瞬強めた
「離さないよ。僕は年下だけどお前位余裕で支えられるから、もっと名前は甘えてよ」
「もう甘えてるよ」
「もっとだよ!僕、名前の笑顔見たいし、笑顔にさせたいの!」
そう言って笑った悟は
いつもの自信に満ちあふれている悟だった
ーーー
ーーーーー
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ふと意識が覚醒して無意識に
隣で眠っているぬくもりに腕を伸ばした
どこにも行かせたくない
誰にも渡したくない
自分だけのものにしたい
そんな独占欲の裏側には
失ってしまった時の恐怖や
忘れる事の出来ないあの時の喪失感が
潜んでいることを悟は分かっていた
『私が消えて悲しむ家族はもういないからーーー離さないでね』
そう言った名前の過去を知り
始めて自分に向けられていた優しさは
彼女が経験した悲しみの上にあったのだと理解した
名前と離れてから12年
ただその面影を追い求めてやっと手に入れた
ーーー寂しかったし、苦しかった。
あの時は戻ることしか出来なかったけど、今は違う
そっと名前の頭を撫でているだけで
彼女の温もりを感じているだけで
心が満たされて行くのを悟は心地よいと感じていた
だからこそ
そこに横槍を入れる奴が許せなかった
ましてや2度も彼女を傷つけた
その代償は大きい
ーーー裏で何者かが動いていたことは事実
名前と同じという事はやつもこの世界に
飛んで来たという事か?
そして彼女の呪力との関係性は?
ーーー早ければ明日にでも連絡が来るはず
もう二度と手出しはさせない
「名前、絶対守るからちゃんとここにいろよ?」
腕の中で眠る名前にそう呟いてから
悟も再び瞳を閉じた
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