純愛
name change
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現場になっているのは山奥の
廃墟と化している日本家屋だった
中へ入ると湿った空気とカビの様な匂い
板の間は足を踏み入れるたびにギイギイと
嫌な音を立てていた
手前にいた下級は悟が難なく払っていく
名前が真希から借りた眼鏡も役に立っていたようで
どこにいてどこから攻撃が来るのかを
ちゃんと目視しながら悟の邪魔にならない様に
間合いに常にいる様に心がけていた
現れた特級も難なく祓う
最後に呪霊の姿が着物をまとった髪の長い女性の姿に替わった
「五条悟…貴方が来た時点で引けばよかったが、縛りによりそれも叶わなかった」
「お前もしかして」
「妾は鏡…妾は主に従ったまで…」
パリンっとはじける音とともに消え去る
呪霊の代わりに
名前の背後から声がした
「もう少し時間稼ぎが出来るはずだったんだが、使えんな」
悟が名前に手を伸ばして彼女を自分の背中に隠した
「君とやり合うつもりはないよ。そこの女性に興味があってね」
「君、何者?」
「そこの名前さんと同じ境遇とでも言えばわかるかな?たまたま付き合ってる彼女がね、教えてくれたんだよ」
「奴の呪いで呪力の有無を調べたのも私だよ。調べるついでにマーキングしてしまったようだけどね。奴が消えて呪いは解けているはずだ」
「最初はちょっと嫌がらせして、君から離れさせて私のところに来てもらおうかと思ったんだが、無理そうだから今は諦めるよ」
悟は無意識に唇を噛み
名前の手首をつかむ腕にも力が入っていた
「名前を連れて行ってどうするつもり?」
「元の世界に帰るんだよ」
「まぁ帰りたくなったらいつでもおいで山本名前。君の力があればあの世界に戻れるんだ」
帳が上がるのと同時に
目の前にいたはずの男の姿も消えていた
悟は名前に向き直り彼女の顔を覗き込んだ
「名前、大丈夫?」
「う、うん。あの人…」
「呪詛師の戯言かもしれないし、真に受けんな。目、見せて?」
悟が名前の瞳を覗き込むように見てみると
呪いはきれいに解けていた
「戻ろうか」
そう言ってから悟は名前の手を握り
自分の指をしっかりと絡めた
車に乗り込んでも無言で
悟は何かを考えているようだった
そんな悟に名前は運転しながら話しかけた
「私は、ここにいていいんだよね?」
助手席に座る悟が名前に振り向き
その横顔に声を荒げて行った
「はぁ??なにいってんの?当たり前でしょ!」
名前に向かって手を伸ばすと空いている
左手を取りそれを両手で包み込んだ
「いていいんじゃなくて、いて欲しいの!いてくれなきゃ困るの!」
「もし名前が元の世界に帰りたくなっても、あんな奴のところなんて絶対行くな。頼るなら僕を頼るって約束して」
「悟、後で少し時間くれないかな」
赤信号で車を止めると
名前が助手席の悟の方を見た
「ちゃんと、悟に話しておきたい」
「うん。わかった。でもいなくなるとか無しだからね?向こうに帰るなら僕もついて行くから」
そう言いながら名前の手を優しく撫でてから
自分の指を絡めてしっかりと握りしめた
「悟、手邪魔なんだけど」
「やだ。ほんとは抱きしめたいのに出来ないから、せめて手ぐらい握らせてよ。ちゃんと邪魔そうなときは離すから」
「大丈夫だよ。どこにも行かないよ」
名前の投げた言葉に返事はなかった
―――名前の言葉を信じてないわけじゃないけど
不安なんだよ。こうしていないと君がどこかへ消えちゃいそうで
その不安な気持ちをただただ飲み込んで
悟はただ優しく手を握り彼女の温もりを確かめていた
.
廃墟と化している日本家屋だった
中へ入ると湿った空気とカビの様な匂い
板の間は足を踏み入れるたびにギイギイと
嫌な音を立てていた
手前にいた下級は悟が難なく払っていく
名前が真希から借りた眼鏡も役に立っていたようで
どこにいてどこから攻撃が来るのかを
ちゃんと目視しながら悟の邪魔にならない様に
間合いに常にいる様に心がけていた
現れた特級も難なく祓う
最後に呪霊の姿が着物をまとった髪の長い女性の姿に替わった
「五条悟…貴方が来た時点で引けばよかったが、縛りによりそれも叶わなかった」
「お前もしかして」
「妾は鏡…妾は主に従ったまで…」
パリンっとはじける音とともに消え去る
呪霊の代わりに
名前の背後から声がした
「もう少し時間稼ぎが出来るはずだったんだが、使えんな」
悟が名前に手を伸ばして彼女を自分の背中に隠した
「君とやり合うつもりはないよ。そこの女性に興味があってね」
「君、何者?」
「そこの名前さんと同じ境遇とでも言えばわかるかな?たまたま付き合ってる彼女がね、教えてくれたんだよ」
「奴の呪いで呪力の有無を調べたのも私だよ。調べるついでにマーキングしてしまったようだけどね。奴が消えて呪いは解けているはずだ」
「最初はちょっと嫌がらせして、君から離れさせて私のところに来てもらおうかと思ったんだが、無理そうだから今は諦めるよ」
悟は無意識に唇を噛み
名前の手首をつかむ腕にも力が入っていた
「名前を連れて行ってどうするつもり?」
「元の世界に帰るんだよ」
「まぁ帰りたくなったらいつでもおいで山本名前。君の力があればあの世界に戻れるんだ」
帳が上がるのと同時に
目の前にいたはずの男の姿も消えていた
悟は名前に向き直り彼女の顔を覗き込んだ
「名前、大丈夫?」
「う、うん。あの人…」
「呪詛師の戯言かもしれないし、真に受けんな。目、見せて?」
悟が名前の瞳を覗き込むように見てみると
呪いはきれいに解けていた
「戻ろうか」
そう言ってから悟は名前の手を握り
自分の指をしっかりと絡めた
車に乗り込んでも無言で
悟は何かを考えているようだった
そんな悟に名前は運転しながら話しかけた
「私は、ここにいていいんだよね?」
助手席に座る悟が名前に振り向き
その横顔に声を荒げて行った
「はぁ??なにいってんの?当たり前でしょ!」
名前に向かって手を伸ばすと空いている
左手を取りそれを両手で包み込んだ
「いていいんじゃなくて、いて欲しいの!いてくれなきゃ困るの!」
「もし名前が元の世界に帰りたくなっても、あんな奴のところなんて絶対行くな。頼るなら僕を頼るって約束して」
「悟、後で少し時間くれないかな」
赤信号で車を止めると
名前が助手席の悟の方を見た
「ちゃんと、悟に話しておきたい」
「うん。わかった。でもいなくなるとか無しだからね?向こうに帰るなら僕もついて行くから」
そう言いながら名前の手を優しく撫でてから
自分の指を絡めてしっかりと握りしめた
「悟、手邪魔なんだけど」
「やだ。ほんとは抱きしめたいのに出来ないから、せめて手ぐらい握らせてよ。ちゃんと邪魔そうなときは離すから」
「大丈夫だよ。どこにも行かないよ」
名前の投げた言葉に返事はなかった
―――名前の言葉を信じてないわけじゃないけど
不安なんだよ。こうしていないと君がどこかへ消えちゃいそうで
その不安な気持ちをただただ飲み込んで
悟はただ優しく手を握り彼女の温もりを確かめていた
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