初恋
name change
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灯台下暗し、とは正にこのことだ
ずっと行き詰まっていた答えが名前の勤める
大学の図書室にあった
地域の歴史がまとめられている一角に
伝承などの文献を見つけた
そこに悟の探していた答えが見つかりそうだった
「名前ー今日は何時?事務室まで迎えに行くよ」
「勝手に入ってきて!バレたら「大丈夫!図書のお姉さんに入館証もらってるし」…いつの間に」
「じゃ、17時にはそっち行くから待ってろよ?」
そう約束をしたはずだったが
うっかり読み入ってしまい悟が気が付いた時には
18時近くになっていた
気配を探るがそこまで大きな呪いの気配は感じ取れない
なら大丈夫…と思った瞬間もう一つの可能性が脳裏に過った
再度気配を探って
悟は読みかけの本もそのままに走り出した
ーーー
ーーーーーー
ーーー
悟は忘れているんだろうか
それとも学生でもナンパしてるんだろうか
もしかしたらナンパされている側かもしれない
このところ生徒に限らず教師までも悟の噂をしている
モデル説・留学生説・どこかの国の王子説まである
「名前さんいいなーっあんなイケメン年下彼氏!羨ましすぎる!」
もう乾いた笑いしか出てこない
まさか異世界から来た居候とも言えないし
「彼氏」とみんなに言われているのは
それはすべて悟が校内で私にべったりだからだ
「今日もお迎え来てるんでしょ?今、図書室ー?」
「うん、留学中だから」
「それって向こうの国に帰国しちゃうかもしれないってこと?どうすんの?ついて行くの?」
そこで改めて気が付いた
悟はずっと私の近くにいる訳では無いという事に
いつかは消えてしまう、帰ってしまう
隣にいる事が当たり前になっていた
恋愛感情があるのか問われると
ないと言える
大人びているとはいえ
あの子はまだ高校生だ
ありえない
「…遠距離かなぁ」
「そっかぁ。今のうち甘えとかないとねー」
そう言った同僚に笑って答えたが
名前は悟が無事に帰れることを願っているんだ、と
心のどこかで言い聞かせていた
「じゃ、私帰るねー」
「ん。お疲れ様!」
彼女が出て行ったはずの扉が
再びガラガラと音を立てた
PCに目を向けたまま名前は言葉を紡いだ
「悟?遅刻し過ぎ!彼女楽しみにさっきまで待ってたのに」
「へぇ。悟っていうんだ。もう君は僕の事より彼に夢中なんだな」
すうっと伸びてくる腕がスローモーションの様に
見えたのもつかの間
ギリギリと首が締め上げられた
「君は僕が一番なんだよね?そう言ってたじゃないか」
息が出来ない
苦しい
指先がしびれる
「僕はわざと言ったんだ。君が僕を手放すわけない。それを確かめたかったんだ…」
「なのに君は別れを望んだ。それは「悟」がいたから?ずっと浮気してたの?僕がいたのに」
ぐっと喉に指が食い込む
思考が働かない
何を言ってるのか理解できない
脳裏にうかんだのは悟の顔だった
「さ……」
「なんだい?やっぱり僕が好きだって?僕も名前が好き「おい!!」…っ」
ふっとあんなに苦しかったものが解放されて
名前が息をひゅうっと吸い込み、咽かえった
悟は彼女をを抱きしめながら背中をさすった
「悪ぃ遅れた。おい、生きてるか?」
げほげほと嗚咽にも似た重い咳を何度も繰り返す
「ゆっくり息を吸え」と頭上から声がして久美はそれ従った
「ねぇ、あんたうちの名前に何してくれてんの?そんなに死にたい?」
部屋の温度が下がったかと錯覚するほど
低いトーンの声色
「お前が悪いんだ…お前が名前をたぶらかしやがった」
「…マジで俺本気出したら殺しちゃうけど。いい?」
名前は自分を抱く腕に力がこもらない指でしがみついた
止めなければいけないと本能が語っていた
「さ…と…だめ…」
「はぁ?!お前何されたか分かってんのかよ!」
「ころ…げほっごほっっ」
はぁぁという大きなため息とともに
再び名前の背中をさする
「わーったよ。殺さねえ。けど一発殴るぐらいはいいだろ?」
彼女から手を放し目の前の男を殴ると
壁までぶっ飛んで男は意識をなくしたようだった
「命拾いしたな?金輪際俺の…俺とこいつの視界に入るな」
それだけ言い放って名前の元へ歩いていくと
意識を手放してしまった彼女を抱きかかえた
「…ったく。しょうがねぇ奴」
.
ずっと行き詰まっていた答えが名前の勤める
大学の図書室にあった
地域の歴史がまとめられている一角に
伝承などの文献を見つけた
そこに悟の探していた答えが見つかりそうだった
「名前ー今日は何時?事務室まで迎えに行くよ」
「勝手に入ってきて!バレたら「大丈夫!図書のお姉さんに入館証もらってるし」…いつの間に」
「じゃ、17時にはそっち行くから待ってろよ?」
そう約束をしたはずだったが
うっかり読み入ってしまい悟が気が付いた時には
18時近くになっていた
気配を探るがそこまで大きな呪いの気配は感じ取れない
なら大丈夫…と思った瞬間もう一つの可能性が脳裏に過った
再度気配を探って
悟は読みかけの本もそのままに走り出した
ーーー
ーーーーーー
ーーー
悟は忘れているんだろうか
それとも学生でもナンパしてるんだろうか
もしかしたらナンパされている側かもしれない
このところ生徒に限らず教師までも悟の噂をしている
モデル説・留学生説・どこかの国の王子説まである
「名前さんいいなーっあんなイケメン年下彼氏!羨ましすぎる!」
もう乾いた笑いしか出てこない
まさか異世界から来た居候とも言えないし
「彼氏」とみんなに言われているのは
それはすべて悟が校内で私にべったりだからだ
「今日もお迎え来てるんでしょ?今、図書室ー?」
「うん、留学中だから」
「それって向こうの国に帰国しちゃうかもしれないってこと?どうすんの?ついて行くの?」
そこで改めて気が付いた
悟はずっと私の近くにいる訳では無いという事に
いつかは消えてしまう、帰ってしまう
隣にいる事が当たり前になっていた
恋愛感情があるのか問われると
ないと言える
大人びているとはいえ
あの子はまだ高校生だ
ありえない
「…遠距離かなぁ」
「そっかぁ。今のうち甘えとかないとねー」
そう言った同僚に笑って答えたが
名前は悟が無事に帰れることを願っているんだ、と
心のどこかで言い聞かせていた
「じゃ、私帰るねー」
「ん。お疲れ様!」
彼女が出て行ったはずの扉が
再びガラガラと音を立てた
PCに目を向けたまま名前は言葉を紡いだ
「悟?遅刻し過ぎ!彼女楽しみにさっきまで待ってたのに」
「へぇ。悟っていうんだ。もう君は僕の事より彼に夢中なんだな」
すうっと伸びてくる腕がスローモーションの様に
見えたのもつかの間
ギリギリと首が締め上げられた
「君は僕が一番なんだよね?そう言ってたじゃないか」
息が出来ない
苦しい
指先がしびれる
「僕はわざと言ったんだ。君が僕を手放すわけない。それを確かめたかったんだ…」
「なのに君は別れを望んだ。それは「悟」がいたから?ずっと浮気してたの?僕がいたのに」
ぐっと喉に指が食い込む
思考が働かない
何を言ってるのか理解できない
脳裏にうかんだのは悟の顔だった
「さ……」
「なんだい?やっぱり僕が好きだって?僕も名前が好き「おい!!」…っ」
ふっとあんなに苦しかったものが解放されて
名前が息をひゅうっと吸い込み、咽かえった
悟は彼女をを抱きしめながら背中をさすった
「悪ぃ遅れた。おい、生きてるか?」
げほげほと嗚咽にも似た重い咳を何度も繰り返す
「ゆっくり息を吸え」と頭上から声がして久美はそれ従った
「ねぇ、あんたうちの名前に何してくれてんの?そんなに死にたい?」
部屋の温度が下がったかと錯覚するほど
低いトーンの声色
「お前が悪いんだ…お前が名前をたぶらかしやがった」
「…マジで俺本気出したら殺しちゃうけど。いい?」
名前は自分を抱く腕に力がこもらない指でしがみついた
止めなければいけないと本能が語っていた
「さ…と…だめ…」
「はぁ?!お前何されたか分かってんのかよ!」
「ころ…げほっごほっっ」
はぁぁという大きなため息とともに
再び名前の背中をさする
「わーったよ。殺さねえ。けど一発殴るぐらいはいいだろ?」
彼女から手を放し目の前の男を殴ると
壁までぶっ飛んで男は意識をなくしたようだった
「命拾いしたな?金輪際俺の…俺とこいつの視界に入るな」
それだけ言い放って名前の元へ歩いていくと
意識を手放してしまった彼女を抱きかかえた
「…ったく。しょうがねぇ奴」
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