初恋
name change
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何故だか校門がざわめいている
何事かと思い名前は職員室の窓から外を除いて
驚愕したと同時に走り出した
「さ、悟!!!あんたなに「お!名前お疲れー。ちょっと早いけど来ちゃった」来ちゃったってねぇ!!」
周りの生徒の視線が痛いくらい突き刺さる
そんなのお構いなしで悟は私の肩に腕を回して屈みながら
耳元で喋った
「まさか大学教師とかマジでウケんだけど。それより名前が終わるまで図書室借りれない?」
「私は事務職だけどね。図書室…あ、なるほど。いいよ多分大丈夫」
「じゃ、行こっか名前」
わざとらしく微笑みかけてくる悟の笑みが
偽物だと気付いているのは名前くらいだろう
そのまま悟は名前の手を取ると指を絡めて構内へと進んでいった
「悟、ちょ、手っ」
「いいじゃん。なに、照れてんの?」
「照れてない!」
「ほらっいいから行くよ」
校内に入り図書室まで案内すると
悟は名前にしか聞こえない位の音量で告げた
「たぶんさっきのところにいたと思うよ、例の奴」
「え?」
「俺、とりあえずここにいるけどなんかあったらすぐに来いよ。終わりは何時になりそう?」
「今日は18時には終わると思う」
「りょーかい。その時間には事務室に向かうから。ちょっと気になることもあるしそこ、動くなよ?」
悟に念を押されて名前は頷いた
書類を届けに職員室に入ると「あれは誰か」と
数人の女性教員に尋ねられたがうまくかわして
名前は事務室へ戻り定時で帰るべく作業を開始した
「ちょっと職員室に行ってくる」
いってらっしゃいと同僚を見送り
手元の資料に視線を戻した時だった
部屋の蛍光灯がぱちぱちと瞬きをするかのように
点滅した
その直後に内線電話が鳴りだした
プルルルル、プルルルル…
あたりの空気が急激にヒヤッとする
11月も半ばを過ぎたので確かに冷えるが
そういう寒さとは異なる気がした
プルルルル、プルルルル…
電話に出るのを直感的にためらう
だが仕事の電話なら出なくてはならない
受話器に手を伸ばすが何故だか手が震えていた
「名前!!」
受話器を取る瞬間自分を呼ぶ声が聞こえて
入口のドアに視線を移すと悟が扉に手をかけていた
瞬間、部屋が明るくなった気がした
いつの間にか電話は鳴りやんでいたが
代わりに心臓の音がやけにうるさく感じた
「無事か?」
「うん。何かあった?」
「それ、お前も気付いたろ」
ーーーー呪霊だ
「呪い?…っておばけってこと?」
「まあ若干違うけどな。学校って集まりやすいんだよ。でもこの感じ…」
名前がじっと悟を見つめて次の言葉を待っていたが
「後で」と悟に話題を変えられた
「ところでもう仕事終わんの?ここで待っててもいい?」
「ん。今日は何食べよっか。悟何食べたい?」
悟がこれ以上喋らないと悟ったのか名前も
話題を変えてきた
そんなやり取りは嫌いではない
悟はむしろ好意的にすら感じた
「じゃ生姜焼き。こないだの旨かった」
「豚肉ないなー買って帰るか」
「飯はタイマーセットしてきた」
えらいえらいと子どもをあやすように褒める名前に
ガキ扱いすんなと思うものの
それを悟は心地よいとも感じてしまう自分もいた
「…俺が守ってやるよ」
悟の言葉は向けられた本人には届くことなく
仕事をするためにPCに向かった彼女の横顔を
悟は近くの椅子に腰を降ろしながらずっと見つめていた
ーーー
ーーーーーー
ーーー
名前の家のリビングには
キッチンから漂う醤油の香ばしい香りが広がっている
悟は気が付いていた
帰り道で視線が校門から家の前まで続いていた事に
おそらく名前は気が付いていない
男避けで着いて行ったが返って男を煽ってしまったようだ
おそらく彼女の事務室に現れたのはストーカーに
なりつつある名前の元カレの呪いだろう
決して彼女の呪力量は低くない
自分のような人間がいないここ ではいらない能力だろうが
自分のいた場所に一緒に戻ることが出来たら
いい呪術師になりそうだ
六眼で初めて出会った時にすでに見えていた
名前の特殊な術式もすべて
だから背後に回り首を絞めたが
まさかの本人は呪力の呪の字すらわからない
ど素人だった
「全部俺の思い違いとか。ウケるんだけど」
「なにがウケるの~?出来たから運んでくれる?」
「オッケー。お、旨そっ」
もう当たり前の様にテーブルで2人向かい合って取る食事
ずっと続けばいいのにと悟は思ってしまった
「旨い!俺帰れるようになったら名前も連れて帰りてぇ」
「えーなにそれ?」
「俺専用のコックで雇うよ」
冗談めいて交わした言葉に
少しの真実が見え隠れしていた
無理なのは頭で理解しているからこそ
悟はあえて言葉に乗せた
「結構本気ー。俺、結構お前の事気に入ってんだけど」
「悟があと10歳年取ってたら考えたんだけどなー」
そう言って笑う彼女に
どんどん惹かれていくのは
きっと別れが明確に見えているから
.
何事かと思い名前は職員室の窓から外を除いて
驚愕したと同時に走り出した
「さ、悟!!!あんたなに「お!名前お疲れー。ちょっと早いけど来ちゃった」来ちゃったってねぇ!!」
周りの生徒の視線が痛いくらい突き刺さる
そんなのお構いなしで悟は私の肩に腕を回して屈みながら
耳元で喋った
「まさか大学教師とかマジでウケんだけど。それより名前が終わるまで図書室借りれない?」
「私は事務職だけどね。図書室…あ、なるほど。いいよ多分大丈夫」
「じゃ、行こっか名前」
わざとらしく微笑みかけてくる悟の笑みが
偽物だと気付いているのは名前くらいだろう
そのまま悟は名前の手を取ると指を絡めて構内へと進んでいった
「悟、ちょ、手っ」
「いいじゃん。なに、照れてんの?」
「照れてない!」
「ほらっいいから行くよ」
校内に入り図書室まで案内すると
悟は名前にしか聞こえない位の音量で告げた
「たぶんさっきのところにいたと思うよ、例の奴」
「え?」
「俺、とりあえずここにいるけどなんかあったらすぐに来いよ。終わりは何時になりそう?」
「今日は18時には終わると思う」
「りょーかい。その時間には事務室に向かうから。ちょっと気になることもあるしそこ、動くなよ?」
悟に念を押されて名前は頷いた
書類を届けに職員室に入ると「あれは誰か」と
数人の女性教員に尋ねられたがうまくかわして
名前は事務室へ戻り定時で帰るべく作業を開始した
「ちょっと職員室に行ってくる」
いってらっしゃいと同僚を見送り
手元の資料に視線を戻した時だった
部屋の蛍光灯がぱちぱちと瞬きをするかのように
点滅した
その直後に内線電話が鳴りだした
プルルルル、プルルルル…
あたりの空気が急激にヒヤッとする
11月も半ばを過ぎたので確かに冷えるが
そういう寒さとは異なる気がした
プルルルル、プルルルル…
電話に出るのを直感的にためらう
だが仕事の電話なら出なくてはならない
受話器に手を伸ばすが何故だか手が震えていた
「名前!!」
受話器を取る瞬間自分を呼ぶ声が聞こえて
入口のドアに視線を移すと悟が扉に手をかけていた
瞬間、部屋が明るくなった気がした
いつの間にか電話は鳴りやんでいたが
代わりに心臓の音がやけにうるさく感じた
「無事か?」
「うん。何かあった?」
「それ、お前も気付いたろ」
ーーーー呪霊だ
「呪い?…っておばけってこと?」
「まあ若干違うけどな。学校って集まりやすいんだよ。でもこの感じ…」
名前がじっと悟を見つめて次の言葉を待っていたが
「後で」と悟に話題を変えられた
「ところでもう仕事終わんの?ここで待っててもいい?」
「ん。今日は何食べよっか。悟何食べたい?」
悟がこれ以上喋らないと悟ったのか名前も
話題を変えてきた
そんなやり取りは嫌いではない
悟はむしろ好意的にすら感じた
「じゃ生姜焼き。こないだの旨かった」
「豚肉ないなー買って帰るか」
「飯はタイマーセットしてきた」
えらいえらいと子どもをあやすように褒める名前に
ガキ扱いすんなと思うものの
それを悟は心地よいとも感じてしまう自分もいた
「…俺が守ってやるよ」
悟の言葉は向けられた本人には届くことなく
仕事をするためにPCに向かった彼女の横顔を
悟は近くの椅子に腰を降ろしながらずっと見つめていた
ーーー
ーーーーーー
ーーー
名前の家のリビングには
キッチンから漂う醤油の香ばしい香りが広がっている
悟は気が付いていた
帰り道で視線が校門から家の前まで続いていた事に
おそらく名前は気が付いていない
男避けで着いて行ったが返って男を煽ってしまったようだ
おそらく彼女の事務室に現れたのはストーカーに
なりつつある名前の元カレの呪いだろう
決して彼女の呪力量は低くない
自分のような人間がいない
自分のいた場所に一緒に戻ることが出来たら
いい呪術師になりそうだ
六眼で初めて出会った時にすでに見えていた
名前の特殊な術式もすべて
だから背後に回り首を絞めたが
まさかの本人は呪力の呪の字すらわからない
ど素人だった
「全部俺の思い違いとか。ウケるんだけど」
「なにがウケるの~?出来たから運んでくれる?」
「オッケー。お、旨そっ」
もう当たり前の様にテーブルで2人向かい合って取る食事
ずっと続けばいいのにと悟は思ってしまった
「旨い!俺帰れるようになったら名前も連れて帰りてぇ」
「えーなにそれ?」
「俺専用のコックで雇うよ」
冗談めいて交わした言葉に
少しの真実が見え隠れしていた
無理なのは頭で理解しているからこそ
悟はあえて言葉に乗せた
「結構本気ー。俺、結構お前の事気に入ってんだけど」
「悟があと10歳年取ってたら考えたんだけどなー」
そう言って笑う彼女に
どんどん惹かれていくのは
きっと別れが明確に見えているから
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