初恋
name change
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長いようであっという間の2日間だった
新幹線を降り在来線に乗り継いでからというもの
2人は終始無言だった
最寄駅からの帰り道
初めに沈黙を破ったのは悟だった
「なぁ俺がこの石持って玄関入ったらさ、すぐあっちの世界に戻されんのかな」
「文献にはなんて書いてあったの?」
「時間軸までは記載なし。だからやってみないと分かんねーの。すぐなのか数日後、数年後なのか」
「そっか」
戻される・・・・という言い方を悟は無意識に使っていた
まだ心の整理は出来ていなかったけれど
気付けば玄関前にたどり着いていた
玄関ドアまであと数メートル
悟は立ち止まり名前を振り返った
「お前さ、俺が一緒に来てって言ったら…どうする?」
「え?」
「嘘。真に受けんなよ」
サングラスを外してつないでいた名前の手を
自身に引き寄せ腰をかがめると
その唇に唇を合わせた
「もう一回…」
「煽んなよ名前。離せなくなる」
名前の腰を引き寄せ後頭部を押さえつけると
再び合わさった唇
悟は唇を割り舌を絡めた
何度も何度も角度を変えて
口内を舐めまわしてお互いの唾液が溶けあっていく
最後に触れるだけのキスをして
悟は名前を玄関前へと導いた
彼女が鞄から鍵を出すが
手が震えていてなかなか鍵穴に鍵が入らない
その手に悟は自分の手を添えて導き
鍵穴に鍵を入れて回すと
がちゃりと音が鳴って鍵が開いた
玄関ドアを引いて開けると
悟は先に一人で中へと進んで行った
「名前ありがと。お前の事、大好きだった」
振り向いた悟が名前に笑顔を向けた
蒼い瞳が少し揺れていて名前は動けないでいた
気が付けば広がる仄暗い闇に溶ける様に
悟の姿は消えてなくなっていた
名前も中に入り玄関の扉を閉めた
「さとる…?」
名前の呼びかけに
応えはなかった
「さとる…」
「私も…大好きだったよ。さとる…」
仄暗い闇の中に
彼女の声も溶けてすうっと消えていった
悟の最後の言葉だけが
呪いの様に名前の心に残った
ーーーお前の事、大好きだった
.
新幹線を降り在来線に乗り継いでからというもの
2人は終始無言だった
最寄駅からの帰り道
初めに沈黙を破ったのは悟だった
「なぁ俺がこの石持って玄関入ったらさ、すぐあっちの世界に戻されんのかな」
「文献にはなんて書いてあったの?」
「時間軸までは記載なし。だからやってみないと分かんねーの。すぐなのか数日後、数年後なのか」
「そっか」
戻される・・・・という言い方を悟は無意識に使っていた
まだ心の整理は出来ていなかったけれど
気付けば玄関前にたどり着いていた
玄関ドアまであと数メートル
悟は立ち止まり名前を振り返った
「お前さ、俺が一緒に来てって言ったら…どうする?」
「え?」
「嘘。真に受けんなよ」
サングラスを外してつないでいた名前の手を
自身に引き寄せ腰をかがめると
その唇に唇を合わせた
「もう一回…」
「煽んなよ名前。離せなくなる」
名前の腰を引き寄せ後頭部を押さえつけると
再び合わさった唇
悟は唇を割り舌を絡めた
何度も何度も角度を変えて
口内を舐めまわしてお互いの唾液が溶けあっていく
最後に触れるだけのキスをして
悟は名前を玄関前へと導いた
彼女が鞄から鍵を出すが
手が震えていてなかなか鍵穴に鍵が入らない
その手に悟は自分の手を添えて導き
鍵穴に鍵を入れて回すと
がちゃりと音が鳴って鍵が開いた
玄関ドアを引いて開けると
悟は先に一人で中へと進んで行った
「名前ありがと。お前の事、大好きだった」
振り向いた悟が名前に笑顔を向けた
蒼い瞳が少し揺れていて名前は動けないでいた
気が付けば広がる仄暗い闇に溶ける様に
悟の姿は消えてなくなっていた
名前も中に入り玄関の扉を閉めた
「さとる…?」
名前の呼びかけに
応えはなかった
「さとる…」
「私も…大好きだったよ。さとる…」
仄暗い闇の中に
彼女の声も溶けてすうっと消えていった
悟の最後の言葉だけが
呪いの様に名前の心に残った
ーーーお前の事、大好きだった
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