初恋
name change
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名前は目覚めると昨日よりもすっきりしていた
一つ気になったのが
なぜか悟に抱きしめられていた事だった
夕べの記憶があいまいになっている
自分で側にいて欲しいと縋ったのかもしれない
自分より頭一つ分上にある寝顔は
相変わらず起きている時よりあどけなくて
彼がまだ学生なんだと嫌でも思い知らされた
20歳をとっくに超えている自分が
少年に恋をするなんてありえなかった
弟というか親戚の子どもが家にいる感覚だった
でもいつからかそんな悟に惹かれている自分がいた
だからこそ体調が悪くても今回行かないという
選択肢はありえなかった
今回を逃したら二度とないと
悟は元の世界に帰ってしまうと分かっていたから
昨日、悟が言っていた鍵が見つかった瞬間
心の奥底で見つからなければ良かったのにと思った
ーーー本当に消えちゃうの?
そんな事大人の自分から聞くこともできない
保護者面した変なプライドが邪魔をしている
常識で考えてありえない
しかも悟が自分に好意を持つこともあり得ない
でも
こんな生活がずっと続けばいいのにと
願っては止まなかった
「良かった…」
あの時出た言葉の真意は
今ここで消えなくて・・・・・・・・良かったという意味で口にしていた
彼は勘違いしたようだったけど
悟が少しづつ自分に好意を持ってくれている事は
なんとなく感じていたけれど
はっきりと言葉で聞きたくなかった
彼は一時の気の迷いで
年頃の可愛い子がいたらその子に恋をするだろう
その時残された自分はみじめだし
そもそもこの世界からいなくなる人だから
自分の保身を優先したに過ぎなかった
ふと見上げた悟の寝顔に違和感を感じた
目元が若干赤い
「涙の…あと…?」
見てしまった
知ってしまったら止められなかった
別に自分を思って泣いたなんて確証はどこにもない
ただの思い上がりの可能性の方が高い
だけど
ーーー私も出来るなら悟と離れたくない
悟を起こさない様に声を殺して
泣きながらその胸にすり寄った
悟のぬくもりを忘れない様に
悟の匂いを胸に記憶に刻みたいと願ってしまった
バレない様にしていたはずなのに
急に抱き寄せられて名前の心臓がはねた
「なに、一人で泣いてんだよ。名前」
「…何でもない」
「そっか。泣きたいなら泣けよ。今は…こうしてやれるから」
そのまま悟にぎゅうぎゅうと抱きしめられた
悟の言葉の真意を汲み取ってしまった名前は声をおし殺して泣いた
「…ごめん…この先もずっと名前が泣くときはこうしてやりたいけど」
「できないかも」と紡がれた声は震えていた
大きな悟の掌が何度も優しく背中を撫でるから
名前は涙が止まらなかった
「名前」
しばらくしてふと名前を呼ばれて顔を上げると
目の前には悟の顔があって
ゆっくりと唇が塞がれた
何度も何度もお互いに
優しく触れるだけのキスを繰り返した
言葉に出来ない想いを伝えたくて
悟はこつんとおでこを付けて
泣き続ける名前に言った
「俺の気持ち、伝わった?」
名前は溢れる涙をぬぐうことなく
笑顔を作って彼に応えた
「うん。私の…気持ちも…伝わった?」
再び悟は名前を腕の中に閉じ込めて
頭にキスを落として頷いた
「…泣き止んでよ。名前に泣かれると胸が苦しい」
「ん…ごめん」
「ふふっ謝んなくていーよ。泣かせてごめん。熱、下がった?」
「ん…」
「そっか。もうしばらくこうしててもいい?」
「ん…」
「もーー。涙腺弱すぎ!でもかわいいっ」
「ん…かわいくないよ」
でも俺は可愛いと思ってるっと言って
悟は再びキスを落とした
「名前が幸せになれるおまじないしてやる。だからもう泣きやめよ」
一人で泣くな、と
小さく小さく悟はつぶやいた
.
一つ気になったのが
なぜか悟に抱きしめられていた事だった
夕べの記憶があいまいになっている
自分で側にいて欲しいと縋ったのかもしれない
自分より頭一つ分上にある寝顔は
相変わらず起きている時よりあどけなくて
彼がまだ学生なんだと嫌でも思い知らされた
20歳をとっくに超えている自分が
少年に恋をするなんてありえなかった
弟というか親戚の子どもが家にいる感覚だった
でもいつからかそんな悟に惹かれている自分がいた
だからこそ体調が悪くても今回行かないという
選択肢はありえなかった
今回を逃したら二度とないと
悟は元の世界に帰ってしまうと分かっていたから
昨日、悟が言っていた鍵が見つかった瞬間
心の奥底で見つからなければ良かったのにと思った
ーーー本当に消えちゃうの?
そんな事大人の自分から聞くこともできない
保護者面した変なプライドが邪魔をしている
常識で考えてありえない
しかも悟が自分に好意を持つこともあり得ない
でも
こんな生活がずっと続けばいいのにと
願っては止まなかった
「良かった…」
あの時出た言葉の真意は
今ここで消えなくて・・・・・・・・良かったという意味で口にしていた
彼は勘違いしたようだったけど
悟が少しづつ自分に好意を持ってくれている事は
なんとなく感じていたけれど
はっきりと言葉で聞きたくなかった
彼は一時の気の迷いで
年頃の可愛い子がいたらその子に恋をするだろう
その時残された自分はみじめだし
そもそもこの世界からいなくなる人だから
自分の保身を優先したに過ぎなかった
ふと見上げた悟の寝顔に違和感を感じた
目元が若干赤い
「涙の…あと…?」
見てしまった
知ってしまったら止められなかった
別に自分を思って泣いたなんて確証はどこにもない
ただの思い上がりの可能性の方が高い
だけど
ーーー私も出来るなら悟と離れたくない
悟を起こさない様に声を殺して
泣きながらその胸にすり寄った
悟のぬくもりを忘れない様に
悟の匂いを胸に記憶に刻みたいと願ってしまった
バレない様にしていたはずなのに
急に抱き寄せられて名前の心臓がはねた
「なに、一人で泣いてんだよ。名前」
「…何でもない」
「そっか。泣きたいなら泣けよ。今は…こうしてやれるから」
そのまま悟にぎゅうぎゅうと抱きしめられた
悟の言葉の真意を汲み取ってしまった名前は声をおし殺して泣いた
「…ごめん…この先もずっと名前が泣くときはこうしてやりたいけど」
「できないかも」と紡がれた声は震えていた
大きな悟の掌が何度も優しく背中を撫でるから
名前は涙が止まらなかった
「名前」
しばらくしてふと名前を呼ばれて顔を上げると
目の前には悟の顔があって
ゆっくりと唇が塞がれた
何度も何度もお互いに
優しく触れるだけのキスを繰り返した
言葉に出来ない想いを伝えたくて
悟はこつんとおでこを付けて
泣き続ける名前に言った
「俺の気持ち、伝わった?」
名前は溢れる涙をぬぐうことなく
笑顔を作って彼に応えた
「うん。私の…気持ちも…伝わった?」
再び悟は名前を腕の中に閉じ込めて
頭にキスを落として頷いた
「…泣き止んでよ。名前に泣かれると胸が苦しい」
「ん…ごめん」
「ふふっ謝んなくていーよ。泣かせてごめん。熱、下がった?」
「ん…」
「そっか。もうしばらくこうしててもいい?」
「ん…」
「もーー。涙腺弱すぎ!でもかわいいっ」
「ん…かわいくないよ」
でも俺は可愛いと思ってるっと言って
悟は再びキスを落とした
「名前が幸せになれるおまじないしてやる。だからもう泣きやめよ」
一人で泣くな、と
小さく小さく悟はつぶやいた
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