笑う約束
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「伊地知さん、忙しいのにすみません」
「大丈夫ですよ。最悪五条さんだけ任務に向かってもらいますが…多分休むと言い出すでしょうね…」
困り顔の伊地知さんに再度頭を下げたら
名前さんが謝ることではありませんよと
優しい言葉をかけてもらった
「たまにはゆっくりしてきてください。」
そう伊地知さんに送り出してもらい
悟にばれる前に私から伝えないとと考えて
校内を探すために事務室を後にした
散々探し回ってようやく中庭のベンチで
昼寝をしている悟を見つけた
そっと近づいたはずなのに
「名前、僕に話があるのかな?」
「なんで気が付いたの?」
気配は仕方ない
私は所詮ど素人で相手は特級だ
でも今の素振りだと私の話まで読めてる言いぶり
「うん。来週お休み貰った」
「うん。見たよ。どうしたの?珍しいじゃんどっか行くの?誰と?」
おそらくタブレットで流れているスケジュールを
先に見られちゃったんだとすぐに分かった
問い詰められる前に言いたかったんだけど
仕方がない
「その日ね。10回忌なんだ。家族の」
笑顔でそう伝えると寝転がっていた悟が
がばっと起き上がって目隠しを取って私を見上げた
「なにそれ。僕、何も聞いてない」
「うん、今話してるじゃん。10回忌っていっても親族私だけだから一人「僕も行く」...いうと思った」
「当たり前でしょ?僕未来の旦那様だよ?ご家族の墓前であいさつさせて?」
悟が腕を伸ばしてきたのでそれに手を添えると
ぐいっと引き寄せられて気が付けば
腕の中にすっぽりと納まっていた
「今まで名前の家族の話してもらったことないから、なんか嬉しい」
「それを言ったら私も、悟の家族の話も聞いてないよ」
「ん~、それはいろいろ片づけるから、その後会いに行こうね」
知ってるよそのいろいろ
この前”五条家の人が来たから”と
喉まで出かかった言葉を飲み込んで
悟の心音を聞きながらそっと瞳を閉じた
ーーー
ーーーーー
当日休みをもぎ取った悟は上機嫌で
「今日は僕が運転するよ」と言って車のキーを取り
うちお墓のある墓地へと向かった
途中で花屋さんに寄りたいと言ったら
悟が「僕が買う」と言って選んだ花は
なぜか赤いバラとピンクのカーネーション
「えっと悟さん?これからお墓参りなんですけど」
「え?いいじゃん。きれいでしょ?それに父の日と母の日はこれだったよね」
10回忌には似合わないチョイスだけど
悟なりに考えた結果なようなので
むしろうちの両親を父母だと思ってくれたことが嬉しくて
「ありがとう」と笑顔で伝えた
「うちはごく普通の一般家庭でね。父はサラリーマン母はパートで医療事務、あと4つ下の弟がいてね。あ、悟から見たらお兄ちゃんか。当時学生だった。仲良くてね。よく2人でカラオケとかいったなぁ」
道中の車内で思い出話をする
家族の話を口にするのは何年ぶりだろうか
相槌を打ちながら黙って悟は話を聞いてくれた
「弟は私のマネするのが好きでね。好きなブランド物も当時はユニセックスな感じだったから、かばんや財布は私のおさがりよく使ってたな。また甘えるのも上手くて、「この漫画面白くない?」って態と1~2巻持ってきては残りを私が全巻買って2人でシェアしてた。あ、私がバイトとかしてお金が多少あるようになってからだよ?」
「へぇ。名前がカラオケ行ったり漫画読むのとか以外」
そう?と言って隣の悟に笑いかけると
「ちょっとお兄さんに妬きそう」とバカみたいなことを言った
「私が就職して2年目かな。スキー旅行に行くことになってね。私は仕事が忙しいから留守番。弟は両親についていった。そこで交通事故にあったんだ」
「…」
「遺体は見てない。私の元に帰ってきた時はみんな骨壺だった。遺体の損傷が激しかったからって言ってた」
「そっか」
横で運転している悟を見上げると
それ、呪いじゃないかと顔に書いてある
私もこの世界を知ってからそう考えたことあるよ
でも今となってはどうしようもないし
もう大丈夫だよ
「うちの両親一人っ子同士の結婚で、私が高校に上がるころには祖父母も全員亡くなってたから。そこから天涯孤独になったってわけ」
私は、強いから
「まあ、保険金がっつり入ったし。数年間は生まれ住んだ実家に一人暮らししてたんだけど...いろいろあってね。そこを売って今の家建てたのが数年前。全部過去だし変えられないから、思い切って捨てちゃった」
信号が赤になって悟が横に座る私を見たから
「もう過去だよ」と言って笑って見せた
「だから、この仕事出来て悟の手伝い出来てうれしいんだ。一人でも人を救えるのなら。悟と違って私に出来る事少ないけど」
「名前」
「悟は凄いよ。多くの人を助けられる。私はその手伝いが出来て嬉しかった 」
私みたいなのでも悟の隣に立てて光栄だし
時が止まればいいのにって真剣に考えるほど
今は幸せな時間だと思うよ
.
「大丈夫ですよ。最悪五条さんだけ任務に向かってもらいますが…多分休むと言い出すでしょうね…」
困り顔の伊地知さんに再度頭を下げたら
名前さんが謝ることではありませんよと
優しい言葉をかけてもらった
「たまにはゆっくりしてきてください。」
そう伊地知さんに送り出してもらい
悟にばれる前に私から伝えないとと考えて
校内を探すために事務室を後にした
散々探し回ってようやく中庭のベンチで
昼寝をしている悟を見つけた
そっと近づいたはずなのに
「名前、僕に話があるのかな?」
「なんで気が付いたの?」
気配は仕方ない
私は所詮ど素人で相手は特級だ
でも今の素振りだと私の話まで読めてる言いぶり
「うん。来週お休み貰った」
「うん。見たよ。どうしたの?珍しいじゃんどっか行くの?誰と?」
おそらくタブレットで流れているスケジュールを
先に見られちゃったんだとすぐに分かった
問い詰められる前に言いたかったんだけど
仕方がない
「その日ね。10回忌なんだ。家族の」
笑顔でそう伝えると寝転がっていた悟が
がばっと起き上がって目隠しを取って私を見上げた
「なにそれ。僕、何も聞いてない」
「うん、今話してるじゃん。10回忌っていっても親族私だけだから一人「僕も行く」...いうと思った」
「当たり前でしょ?僕未来の旦那様だよ?ご家族の墓前であいさつさせて?」
悟が腕を伸ばしてきたのでそれに手を添えると
ぐいっと引き寄せられて気が付けば
腕の中にすっぽりと納まっていた
「今まで名前の家族の話してもらったことないから、なんか嬉しい」
「それを言ったら私も、悟の家族の話も聞いてないよ」
「ん~、それはいろいろ片づけるから、その後会いに行こうね」
知ってるよその
この前”五条家の人が来たから”と
喉まで出かかった言葉を飲み込んで
悟の心音を聞きながらそっと瞳を閉じた
ーーー
ーーーーー
当日休みをもぎ取った悟は上機嫌で
「今日は僕が運転するよ」と言って車のキーを取り
うちお墓のある墓地へと向かった
途中で花屋さんに寄りたいと言ったら
悟が「僕が買う」と言って選んだ花は
なぜか赤いバラとピンクのカーネーション
「えっと悟さん?これからお墓参りなんですけど」
「え?いいじゃん。きれいでしょ?それに父の日と母の日はこれだったよね」
10回忌には似合わないチョイスだけど
悟なりに考えた結果なようなので
むしろうちの両親を父母だと思ってくれたことが嬉しくて
「ありがとう」と笑顔で伝えた
「うちはごく普通の一般家庭でね。父はサラリーマン母はパートで医療事務、あと4つ下の弟がいてね。あ、悟から見たらお兄ちゃんか。当時学生だった。仲良くてね。よく2人でカラオケとかいったなぁ」
道中の車内で思い出話をする
家族の話を口にするのは何年ぶりだろうか
相槌を打ちながら黙って悟は話を聞いてくれた
「弟は私のマネするのが好きでね。好きなブランド物も当時はユニセックスな感じだったから、かばんや財布は私のおさがりよく使ってたな。また甘えるのも上手くて、「この漫画面白くない?」って態と1~2巻持ってきては残りを私が全巻買って2人でシェアしてた。あ、私がバイトとかしてお金が多少あるようになってからだよ?」
「へぇ。名前がカラオケ行ったり漫画読むのとか以外」
そう?と言って隣の悟に笑いかけると
「ちょっとお兄さんに妬きそう」とバカみたいなことを言った
「私が就職して2年目かな。スキー旅行に行くことになってね。私は仕事が忙しいから留守番。弟は両親についていった。そこで交通事故にあったんだ」
「…」
「遺体は見てない。私の元に帰ってきた時はみんな骨壺だった。遺体の損傷が激しかったからって言ってた」
「そっか」
横で運転している悟を見上げると
それ、呪いじゃないかと顔に書いてある
私もこの世界を知ってからそう考えたことあるよ
でも今となってはどうしようもないし
もう大丈夫だよ
「うちの両親一人っ子同士の結婚で、私が高校に上がるころには祖父母も全員亡くなってたから。そこから天涯孤独になったってわけ」
私は、強いから
「まあ、保険金がっつり入ったし。数年間は生まれ住んだ実家に一人暮らししてたんだけど...いろいろあってね。そこを売って今の家建てたのが数年前。全部過去だし変えられないから、思い切って捨てちゃった」
信号が赤になって悟が横に座る私を見たから
「もう過去だよ」と言って笑って見せた
「だから、この仕事出来て悟の手伝い出来てうれしいんだ。一人でも人を救えるのなら。悟と違って私に出来る事少ないけど」
「名前」
「悟は凄いよ。多くの人を助けられる。私はその手伝いが出来て
私みたいなのでも悟の隣に立てて光栄だし
時が止まればいいのにって真剣に考えるほど
今は幸せな時間だと思うよ
.