お兄さまといっしょ
煜瓔と宣格が注文したジュースも運ばれてきて、食べ盛りの3人はランチを楽しく、美味しく堪能した。
「それで、今週末の煜瓔の誕生パーティーだけどさ」
楽しそうに羽牧が口を開いた。
煜瓔も、週末に羽牧と過ごせるのが嬉しくて、パーティーは楽しみにしている。
「僕も、煜瓔哥哥にプレゼントを持って行きます」
同じく楽しそうな宣格に、煜瓔は言葉を掛ける様子もない。
「ねえ、何が欲しいですか、煜瓔哥哥?」
「僕も知りたいな、煜瓔?」
宣格だけであれば知らん顔も出来たのだが、大好きな羽牧にまで言われると、煜瓔もさすがに無視できない。
「私は、欲しいものなんて…。羽牧哥哥がパーティーに来てくれるだけで嬉しいから」
ちょっとはにかむように煜瓔が言うと、優しく羽牧が微笑んだ。それだけのことなのに、煜瓔は嬉しくなった。
「え~、僕は煜瓔哥哥にプレゼント渡したいのに~」
ミックスジュースのストローを噛みながら、宣格は不満そうに呟いた。煜瑾は子供っぽい宣格の発言に呆れたように素知らぬ顔だが、羽牧は訳知り顔で苦笑した。「兄」である羽牧を独占出来ないからと拗ねた態度をとる煜瓔もまた、子供らしさを残していて可愛らしいと思うのだ。
「みんなが、そう思っているよ、瓔瓔 」
「え?」
プライドの高い煜瓔が、唯一羽牧にだけ許す呼び方が「瓔瓔」だった。少し子供っぽいこの呼び名を、煜瓔は両親にさえ使わせない。もちろん両親もまた、煜瓔の自立心を育てるため甘えた呼び名は好まなかった。
大好きな「兄」だけに許す、可愛い呼び名、「瓔瓔」。羽牧の声がその名を口にするたびに、煜瓔は何だか胸の奥が暖かく、こそばゆく、甘酸っぱい気持ちがするのだが、それが嫌では無かった。
「みんなが、大好きな唐煜瓔に喜んで欲しいって思ってるよ」
素直で、聡明な、キラキラした眼差しの羽牧に言われると、自意識が高く、皮肉屋の煜瓔も何も言えなくなってしまう。
「『みんな』だなんて、大げさな…」
照れ隠しのようにそう言って、煜瓔は急いで手にしたサンドイッチを食べた。
「僕は、煜瓔哥哥にプレゼントをあげたいし、あげるなら喜んでもらえるものを選びたいのにな~」
不服そうな宣格に、さすがの煜瓔も視線を送る。一途で素直な好意を向けられて、いつまでも冷ややかな態度をとれるほど、煜瓔は非情では無かったし、第一、まだ幼かった。
「小宣からのプレゼントなんて、なんでもいいよ」
強がった言い方をして、煜瓔はまた羽牧の方へ向き直った。
「じゃあ、ボクからは何にしようかな?ねえ、小宣。ボクと一緒に買いに行こうか?」
「本当に?」
優しい羽牧に誘われ、宣格も目を輝かせた。
「え~」
今度もまた煜瓔は不満そうにするが、それを楽しそうに見つめる羽牧だった。
「パーティー会場は、瓔瓔の自宅の大広間だって?さすが、大富豪の唐家の若様だねえ」
決して嫌味ではなく、素直に心から感心したように言う羽牧に、宣格も憧れるように目をキラキラさせた。
「で、誰を呼ぶんだい?ボクと、小宣以外には」
無邪気な羽牧の質問に、煜瓔は少し困ったような顔をした。
「それは…」
「それで、今週末の煜瓔の誕生パーティーだけどさ」
楽しそうに羽牧が口を開いた。
煜瓔も、週末に羽牧と過ごせるのが嬉しくて、パーティーは楽しみにしている。
「僕も、煜瓔哥哥にプレゼントを持って行きます」
同じく楽しそうな宣格に、煜瓔は言葉を掛ける様子もない。
「ねえ、何が欲しいですか、煜瓔哥哥?」
「僕も知りたいな、煜瓔?」
宣格だけであれば知らん顔も出来たのだが、大好きな羽牧にまで言われると、煜瓔もさすがに無視できない。
「私は、欲しいものなんて…。羽牧哥哥がパーティーに来てくれるだけで嬉しいから」
ちょっとはにかむように煜瓔が言うと、優しく羽牧が微笑んだ。それだけのことなのに、煜瓔は嬉しくなった。
「え~、僕は煜瓔哥哥にプレゼント渡したいのに~」
ミックスジュースのストローを噛みながら、宣格は不満そうに呟いた。煜瑾は子供っぽい宣格の発言に呆れたように素知らぬ顔だが、羽牧は訳知り顔で苦笑した。「兄」である羽牧を独占出来ないからと拗ねた態度をとる煜瓔もまた、子供らしさを残していて可愛らしいと思うのだ。
「みんなが、そう思っているよ、
「え?」
プライドの高い煜瓔が、唯一羽牧にだけ許す呼び方が「瓔瓔」だった。少し子供っぽいこの呼び名を、煜瓔は両親にさえ使わせない。もちろん両親もまた、煜瓔の自立心を育てるため甘えた呼び名は好まなかった。
大好きな「兄」だけに許す、可愛い呼び名、「瓔瓔」。羽牧の声がその名を口にするたびに、煜瓔は何だか胸の奥が暖かく、こそばゆく、甘酸っぱい気持ちがするのだが、それが嫌では無かった。
「みんなが、大好きな唐煜瓔に喜んで欲しいって思ってるよ」
素直で、聡明な、キラキラした眼差しの羽牧に言われると、自意識が高く、皮肉屋の煜瓔も何も言えなくなってしまう。
「『みんな』だなんて、大げさな…」
照れ隠しのようにそう言って、煜瓔は急いで手にしたサンドイッチを食べた。
「僕は、煜瓔哥哥にプレゼントをあげたいし、あげるなら喜んでもらえるものを選びたいのにな~」
不服そうな宣格に、さすがの煜瓔も視線を送る。一途で素直な好意を向けられて、いつまでも冷ややかな態度をとれるほど、煜瓔は非情では無かったし、第一、まだ幼かった。
「小宣からのプレゼントなんて、なんでもいいよ」
強がった言い方をして、煜瓔はまた羽牧の方へ向き直った。
「じゃあ、ボクからは何にしようかな?ねえ、小宣。ボクと一緒に買いに行こうか?」
「本当に?」
優しい羽牧に誘われ、宣格も目を輝かせた。
「え~」
今度もまた煜瓔は不満そうにするが、それを楽しそうに見つめる羽牧だった。
「パーティー会場は、瓔瓔の自宅の大広間だって?さすが、大富豪の唐家の若様だねえ」
決して嫌味ではなく、素直に心から感心したように言う羽牧に、宣格も憧れるように目をキラキラさせた。
「で、誰を呼ぶんだい?ボクと、小宣以外には」
無邪気な羽牧の質問に、煜瓔は少し困ったような顔をした。
「それは…」
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