这个夏天我们并肩走~この夏ボクらは並んで歩こう~
「え?馬球の特訓?」
梁寧侯爵の私塾で、本日の授業が終了し、英明な蘇三涛老師が退出すると、嬉々とした申玄紀が羽小敏に囁き、小敏は驚いて大きな声を上げた。
明日から老師はひと月の間、故郷に戻ることになり、宿題こそたっぷり出されたが、私塾に通う少年たちには、思わぬ夏の休暇を得ることになっていた。
「何ですか?」
穏やかな笑みを浮かべた包文維が小敏に声を掛ける。
「馬球がなんだって?」
乗馬が苦手な唐煜瑾が聞き咎める。
羽小敏を取り囲むように、同じ私塾で学ぶ学友が集まった。それぞれ好奇心に満ちた表情で額を寄せ合う。
「でね、廷振兄上が秋の馬球大会に向けて、別荘の馬球場で特別に指導してもいいって!」
自慢げに年下の申玄紀が言うと、羽小敏は目を輝かせた。
「すごい!安瑶で一番の馬球選手の廷振王子が直々に指導だって?」
年上で、少し大人びた包文維は何も言わずにニコニコしているが、実の弟も同じである従弟が喜んでいる様子だけで微笑ましいと思っていて、特に馬球に関心があるわけでは無い。
「馬球大会に、出るのか?」
消極的な態度の唐煜瑾は、羽小敏と同じ年とは言え、この中で一番乗馬が苦手で、馬球も決して上手だとは言えない。
だが、乗馬も馬球も得意な羽小敏に少しずつ教わって、最近は何とか他の3人に追いつけるほどにはなった。羽小敏と申玄紀は安瑶でも話題になるほどの馬球の上級者で、包文維はさほど目立たないようにしているが、その長身と聡明さを活かした試合運びで、地味ではあるが優秀な選手だ。
この秋に開催される馬球大会は、例年の恭王殿下の開催されるものとは違い、禁軍の騎馬隊兵士の才がある者を見出すことが目的の王室主催の大規模な物だ。もちろん国王陛下の御臨席もある。
審判員には、例年馬球大会を主催する恭王殿下の他、王室からは王都一の馬球選手である廷振王子、禁軍の代表として小敏の父である羽将軍など名だたる顔が並ぶことになっていた。
もちろん4人の少年たちは騎馬兵士を目指しているわけでは無いが、国中から禁軍入りを目指す若者たちが集うのだ、王都代表の実力が低ければ、結局は禁軍兵士の基準が下がる、というのが廷振王子の言い分で、そのため実力のある4人の少年たちを鍛えようというのだった。
もちろん、馬球大好きの羽小敏と申玄紀は大はしゃぎだが、慎重な包文維と、馬球が苦手な唐煜瑾はほんの少し懐疑的だった。
「ねえ、行きましょうよ~文維兄上~ぇ♡」
「乗馬も、馬球も煜瑾侯弟のお世話は私がしますから~ぁ♡」
年下の小敏と玄紀に甘えた声を出されると弱い、文維と煜瑾だ。
「ちゃんと保護者の許可がもらえたら、行くことにしましょう」
聡明な年長の包文維の一言で、小敏と玄紀は手を取り合ってはしゃいだ。
王室の廷振王子の誘いとなれば、どの家庭でも拒む理由がなく、こうして4人は生れて初めての馬球合宿に出掛けることになったのだった。
梁寧侯爵の私塾で、本日の授業が終了し、英明な蘇三涛老師が退出すると、嬉々とした申玄紀が羽小敏に囁き、小敏は驚いて大きな声を上げた。
明日から老師はひと月の間、故郷に戻ることになり、宿題こそたっぷり出されたが、私塾に通う少年たちには、思わぬ夏の休暇を得ることになっていた。
「何ですか?」
穏やかな笑みを浮かべた包文維が小敏に声を掛ける。
「馬球がなんだって?」
乗馬が苦手な唐煜瑾が聞き咎める。
羽小敏を取り囲むように、同じ私塾で学ぶ学友が集まった。それぞれ好奇心に満ちた表情で額を寄せ合う。
「でね、廷振兄上が秋の馬球大会に向けて、別荘の馬球場で特別に指導してもいいって!」
自慢げに年下の申玄紀が言うと、羽小敏は目を輝かせた。
「すごい!安瑶で一番の馬球選手の廷振王子が直々に指導だって?」
年上で、少し大人びた包文維は何も言わずにニコニコしているが、実の弟も同じである従弟が喜んでいる様子だけで微笑ましいと思っていて、特に馬球に関心があるわけでは無い。
「馬球大会に、出るのか?」
消極的な態度の唐煜瑾は、羽小敏と同じ年とは言え、この中で一番乗馬が苦手で、馬球も決して上手だとは言えない。
だが、乗馬も馬球も得意な羽小敏に少しずつ教わって、最近は何とか他の3人に追いつけるほどにはなった。羽小敏と申玄紀は安瑶でも話題になるほどの馬球の上級者で、包文維はさほど目立たないようにしているが、その長身と聡明さを活かした試合運びで、地味ではあるが優秀な選手だ。
この秋に開催される馬球大会は、例年の恭王殿下の開催されるものとは違い、禁軍の騎馬隊兵士の才がある者を見出すことが目的の王室主催の大規模な物だ。もちろん国王陛下の御臨席もある。
審判員には、例年馬球大会を主催する恭王殿下の他、王室からは王都一の馬球選手である廷振王子、禁軍の代表として小敏の父である羽将軍など名だたる顔が並ぶことになっていた。
もちろん4人の少年たちは騎馬兵士を目指しているわけでは無いが、国中から禁軍入りを目指す若者たちが集うのだ、王都代表の実力が低ければ、結局は禁軍兵士の基準が下がる、というのが廷振王子の言い分で、そのため実力のある4人の少年たちを鍛えようというのだった。
もちろん、馬球大好きの羽小敏と申玄紀は大はしゃぎだが、慎重な包文維と、馬球が苦手な唐煜瑾はほんの少し懐疑的だった。
「ねえ、行きましょうよ~文維兄上~ぇ♡」
「乗馬も、馬球も煜瑾侯弟のお世話は私がしますから~ぁ♡」
年下の小敏と玄紀に甘えた声を出されると弱い、文維と煜瑾だ。
「ちゃんと保護者の許可がもらえたら、行くことにしましょう」
聡明な年長の包文維の一言で、小敏と玄紀は手を取り合ってはしゃいだ。
王室の廷振王子の誘いとなれば、どの家庭でも拒む理由がなく、こうして4人は生れて初めての馬球合宿に出掛けることになったのだった。
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