甜甜的回億 ~甘い記憶~
煜瑾が、名残惜しそうに寝室に向かい、残された恭安楽は、煜瑾の前で見せていた穏やかな表情を一転させた。
「当分は、煜瑾ちゃんも変わりがないようね…」
「嘉里公寓の坊ちゃまのお部屋から、パソコンをお借りして、お仕事関係の確認をさせていただきました。差し迫る案件は無く、お待ちいただける内容のものは、こちらからご連絡済でございます」
さすがに唐家自慢の有能な執事の手配は抜かりがない。恭安楽は安心したように薄く微笑んだが、すぐにいつになく思いつめた様子で茅執事を見た。
「私は、今の煜瑾ちゃんの様子は心配だわ。できれば、まだそばに付き添いたいのだけれど…」
「もちろんですわ、奥様!奥様とご一緒の時の煜瑾さまの幸せそうなお顔!本当の13歳の頃でも、あれほど朗らかにはお過ごしではありませんでしたもの」
恭安楽の言葉にかぶせるように、胡娘が嬉々として声を上げた。
そこまでの感情は見せぬまでも、茅執事もどこか明るく口を開いた。
「実は、私からも奥様にさらなる唐家へのご滞在をお願いしたいと思っておりました」
名家の出身で、人の上に立つ「主」の品格を持つ恭安楽に、有能な執事は日ごろから敬意を抱いている。唐家の家庭内の私的な執務については完璧にこなす執事ではあるが、やはり唐家のような大きな邸宅には、「主人」というものが必要だ。
今は、本来の主人である、唐煜瓔が長い海外出張で留守のため、いつも以上の目配り、気配りが求められる。そこへ煜瑾のこの事故だ。仮とはいえ女主人役を引き受けるのに、恭安楽ほどの人材はないと、茅執事は考えていた。
「胡娘の言う通り、煜瑾坊ちゃまが13歳の頃には、物静かで、本当に手のかからないおとなしいお子様だと思っておりましたが、今思えば、おとなしすぎたようです。最近の煜瑾坊ちゃまは、本当に明るく無邪気で、良い意味で子供らしくお過ごしです。これも包家の奥様のおかげでございます。ぜひ、坊ちゃまのためにも、おそばにいてくださればと存じます」
茅執事の言葉にも、恭安楽は何もかも分かっているという顔をしていた。
「煜瑾ちゃんが本当の13歳の頃には、誰も子育て経験のない大人ばかりに囲まれていたのでしょう?みんな、どう関わればいいのか、誰も分かっていなかったのだもの、仕方ないわ。でも、今なら私だけでなく、胡娘だって子育ての経験もある。みんなで煜瑾ちゃんに楽しい13歳を過ごさせてあげましょうよ」
恭安楽の一言に、唐家の使用人一同に、反対するものは誰一人いなかった。
「当分は、煜瑾ちゃんも変わりがないようね…」
「嘉里公寓の坊ちゃまのお部屋から、パソコンをお借りして、お仕事関係の確認をさせていただきました。差し迫る案件は無く、お待ちいただける内容のものは、こちらからご連絡済でございます」
さすがに唐家自慢の有能な執事の手配は抜かりがない。恭安楽は安心したように薄く微笑んだが、すぐにいつになく思いつめた様子で茅執事を見た。
「私は、今の煜瑾ちゃんの様子は心配だわ。できれば、まだそばに付き添いたいのだけれど…」
「もちろんですわ、奥様!奥様とご一緒の時の煜瑾さまの幸せそうなお顔!本当の13歳の頃でも、あれほど朗らかにはお過ごしではありませんでしたもの」
恭安楽の言葉にかぶせるように、胡娘が嬉々として声を上げた。
そこまでの感情は見せぬまでも、茅執事もどこか明るく口を開いた。
「実は、私からも奥様にさらなる唐家へのご滞在をお願いしたいと思っておりました」
名家の出身で、人の上に立つ「主」の品格を持つ恭安楽に、有能な執事は日ごろから敬意を抱いている。唐家の家庭内の私的な執務については完璧にこなす執事ではあるが、やはり唐家のような大きな邸宅には、「主人」というものが必要だ。
今は、本来の主人である、唐煜瓔が長い海外出張で留守のため、いつも以上の目配り、気配りが求められる。そこへ煜瑾のこの事故だ。仮とはいえ女主人役を引き受けるのに、恭安楽ほどの人材はないと、茅執事は考えていた。
「胡娘の言う通り、煜瑾坊ちゃまが13歳の頃には、物静かで、本当に手のかからないおとなしいお子様だと思っておりましたが、今思えば、おとなしすぎたようです。最近の煜瑾坊ちゃまは、本当に明るく無邪気で、良い意味で子供らしくお過ごしです。これも包家の奥様のおかげでございます。ぜひ、坊ちゃまのためにも、おそばにいてくださればと存じます」
茅執事の言葉にも、恭安楽は何もかも分かっているという顔をしていた。
「煜瑾ちゃんが本当の13歳の頃には、誰も子育て経験のない大人ばかりに囲まれていたのでしょう?みんな、どう関わればいいのか、誰も分かっていなかったのだもの、仕方ないわ。でも、今なら私だけでなく、胡娘だって子育ての経験もある。みんなで煜瑾ちゃんに楽しい13歳を過ごさせてあげましょうよ」
恭安楽の一言に、唐家の使用人一同に、反対するものは誰一人いなかった。