異国を走れば厄介に当たる
大通りに出て、人混みに紛れながらホテルへと向かう道中、オリヴェールは預かっていた封筒を持ちながら言った。
「……イグナシオが関わっている封筒の男と話がついたよ。これからこいつのところに行く。ホテルで荷物を整理して、すぐ出発だ。細かいことは着いてからみんなで話し合おう」
「……わかりマシた」
二人はまずイグナシオの宿泊している部屋へ向かう。彼の荷物はもとより多くなかったので、簡単に整理するだけですぐ出ていくことができた。次にオリヴェールの部屋に向かう。こちらはスーツケースが大きいが、整理整頓されていたため、持ち出すだけで済む。
チェックアウトを行い、その際に空港行きのタクシーも手配する。来るときは長距離バスで移動費を節約したオリヴェールだったが、帰りはトーマスのおかげで国内線を使える。イレギュラーな事態に巻き込まれはしたが、帰りがぐっと早くなったのは彼にとって不幸中の幸いといえるだろう。
トーマスの指定した飛行機に乗り込み、二人はカナダを後にする。オリヴェールは離陸した途端、すっかり寝落ちてしまった。イグナシオは爆睡するオリヴェールを見た後、窓の外を眺めている。機内サービスでコーヒーを受け取り、特に代わり映えしない青空と機体の下に広がる雲海がひたすら続くところを眺めながら、今ここに至るまでを思い返していた。
マラソン大会の参加を誘われてからの日々は、今までのものとは全く違っていたし、まさか指示通りに行動したら殺されそうになるなんて思いもしなかった。もっとも、指示に反してもきっと違った形で命を狙われていたかもしれなかったが。
しかし行動しないまま、あの時の誘いを断っていたとしたら世界の広さを知らずに生きていたのだろう。
だが、イグナシオは知ってしまったのである。
どこから繋がるのかわからない縁に導かれた先にあるものを。
「……イグナシオが関わっている封筒の男と話がついたよ。これからこいつのところに行く。ホテルで荷物を整理して、すぐ出発だ。細かいことは着いてからみんなで話し合おう」
「……わかりマシた」
二人はまずイグナシオの宿泊している部屋へ向かう。彼の荷物はもとより多くなかったので、簡単に整理するだけですぐ出ていくことができた。次にオリヴェールの部屋に向かう。こちらはスーツケースが大きいが、整理整頓されていたため、持ち出すだけで済む。
チェックアウトを行い、その際に空港行きのタクシーも手配する。来るときは長距離バスで移動費を節約したオリヴェールだったが、帰りはトーマスのおかげで国内線を使える。イレギュラーな事態に巻き込まれはしたが、帰りがぐっと早くなったのは彼にとって不幸中の幸いといえるだろう。
トーマスの指定した飛行機に乗り込み、二人はカナダを後にする。オリヴェールは離陸した途端、すっかり寝落ちてしまった。イグナシオは爆睡するオリヴェールを見た後、窓の外を眺めている。機内サービスでコーヒーを受け取り、特に代わり映えしない青空と機体の下に広がる雲海がひたすら続くところを眺めながら、今ここに至るまでを思い返していた。
マラソン大会の参加を誘われてからの日々は、今までのものとは全く違っていたし、まさか指示通りに行動したら殺されそうになるなんて思いもしなかった。もっとも、指示に反してもきっと違った形で命を狙われていたかもしれなかったが。
しかし行動しないまま、あの時の誘いを断っていたとしたら世界の広さを知らずに生きていたのだろう。
だが、イグナシオは知ってしまったのである。
どこから繋がるのかわからない縁に導かれた先にあるものを。
