デート
晩御飯を食べ終わって、日課の皿洗いをしていると隣で鍋やフライパンの汚れを退治していたククイ博士がそういえば、と口を開いた。
「サナ、今度の休みはどうしたい?探索に出かけるかい?買い物でもポケモンバトルでもなんでも付き合うぜ」
なんでも、という言葉に思わずお皿を落としそうになってしまう。ククイ博士はたまにこういう、甘い言葉をさっくり口にするから心臓に悪い。
「そ、そんな…急に聞かれても……」
手持ち無沙汰にスポンジをこねくり回す。
「せっかくの休日なのに、博士を付き合わせるのは悪いですよ……」
「水臭いこと言うなって。俺は他でもない君にだから、何かしてやりたいんだよ」
「ありがとうございます……」
ククイ博士の真っ直ぐな言葉に頬が熱くなる。私はいつもこうやって照れてしまって、言葉が出なくなってしまう。博士はそんな私をからかったり笑ったりしないで、いつも静かに待ってくれるから余計に胸がギュッと苦しくなるのだ。「……あ、あの…折角なんですけど…私、博士と一緒にいるだけで……楽しいから……何か特別したいことがあるとか、そういうのがなくて…」
ああもうどうしてこんなに可愛げのないことばかり口走ってしまうんだろう。なんでもっと気の利いた言葉が出てこないの。
博士がこっちをまっすぐ見ている気配がする。見なくても分かるから、余計に顔を上げられない。
お皿をすすぐ水音だけがキッチンに響く。なにか喋った方がいいのかな、でもなんて言って切り上げたらいいのか分からない……。ぐるぐる思考がまとまらないでいると、博士がふいに口を開いた。
「……サナ」
もうこの沈黙に耐えられないと思った矢先の発言だったから、肩がビクッと跳ねてしまう。
「…参ったな…そんなに嬉しいことを言われると、本当にどうしたらいいか分からないぜ……」
「……え?」
驚いて思わず顔を上げてしまうと、博士が困ったように眉毛を下げて笑っているのが見えた。頬が赤く染まって見えるのは気のせいだろうか。
「ククイ博士……もしかして照れてるの……?」
「そりゃそうさ」
博士は私の頭をくしゃりと撫でる。
「好きな子にそんなこと言われて何食わぬ顔していられる男なんていないだろ?」博士の優しい手に触れられて、頭の中が真っ白になる。
「え、えっと……あの……そ、それって……」
どういう意味なの?なんて聞けるほど私の肝は座っていない。今までにないくらい心臓がばくばく音を立てている。全身の血液が沸騰したように熱い。今私の顔は熟れたリンゴみたいに真っ赤に違いない。そんな私を見下ろして、ククイ博士は笑う。
「君さえ良ければデートしないか?」
そう尋ねられた私はゆっくりと首を縦に振ったのだった。
「サナ、今度の休みはどうしたい?探索に出かけるかい?買い物でもポケモンバトルでもなんでも付き合うぜ」
なんでも、という言葉に思わずお皿を落としそうになってしまう。ククイ博士はたまにこういう、甘い言葉をさっくり口にするから心臓に悪い。
「そ、そんな…急に聞かれても……」
手持ち無沙汰にスポンジをこねくり回す。
「せっかくの休日なのに、博士を付き合わせるのは悪いですよ……」
「水臭いこと言うなって。俺は他でもない君にだから、何かしてやりたいんだよ」
「ありがとうございます……」
ククイ博士の真っ直ぐな言葉に頬が熱くなる。私はいつもこうやって照れてしまって、言葉が出なくなってしまう。博士はそんな私をからかったり笑ったりしないで、いつも静かに待ってくれるから余計に胸がギュッと苦しくなるのだ。「……あ、あの…折角なんですけど…私、博士と一緒にいるだけで……楽しいから……何か特別したいことがあるとか、そういうのがなくて…」
ああもうどうしてこんなに可愛げのないことばかり口走ってしまうんだろう。なんでもっと気の利いた言葉が出てこないの。
博士がこっちをまっすぐ見ている気配がする。見なくても分かるから、余計に顔を上げられない。
お皿をすすぐ水音だけがキッチンに響く。なにか喋った方がいいのかな、でもなんて言って切り上げたらいいのか分からない……。ぐるぐる思考がまとまらないでいると、博士がふいに口を開いた。
「……サナ」
もうこの沈黙に耐えられないと思った矢先の発言だったから、肩がビクッと跳ねてしまう。
「…参ったな…そんなに嬉しいことを言われると、本当にどうしたらいいか分からないぜ……」
「……え?」
驚いて思わず顔を上げてしまうと、博士が困ったように眉毛を下げて笑っているのが見えた。頬が赤く染まって見えるのは気のせいだろうか。
「ククイ博士……もしかして照れてるの……?」
「そりゃそうさ」
博士は私の頭をくしゃりと撫でる。
「好きな子にそんなこと言われて何食わぬ顔していられる男なんていないだろ?」博士の優しい手に触れられて、頭の中が真っ白になる。
「え、えっと……あの……そ、それって……」
どういう意味なの?なんて聞けるほど私の肝は座っていない。今までにないくらい心臓がばくばく音を立てている。全身の血液が沸騰したように熱い。今私の顔は熟れたリンゴみたいに真っ赤に違いない。そんな私を見下ろして、ククイ博士は笑う。
「君さえ良ければデートしないか?」
そう尋ねられた私はゆっくりと首を縦に振ったのだった。
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