デート
「〜♪」
明日はポケモンスクールがお休みの日。
なのに、私は寝る時間になっても鼻歌を口ずさむ程浮足立っていた。
「サナ、今日はずいぶんとご機嫌だな?」
そんな私を見て、ククイ博士が不思議そうに首を傾げる。
「だって明日はカキとお出かけなんです!ここ数日体調も良いし、今度こそ大丈夫だと思います!」
食い気味に言葉を返すと、ククイ博士は少しだけ複雑そうな顔をした。
「……ああ、何度か中止になっていたからな。高熱が出ていても行くと言って聞かなかった君を止めるのはかなり苦労したんだぞ?」
「うぅ……その節は本当にすみませんでした……」
実は、カキと約束をするのはこれで3回目だ。
でも未だにその約束が果たされたことはない。
それも全て私のドタキャンで終わってしまっている。
一度目は前日に突然発熱して行けなくなり、二度目は当日になって発熱してしまい行けなくなった。
カキにはもう何回も謝ったけど、彼は全く怒る様子をみせず、むしろとても心配してくれていた。
『あー、まぁ気にすんなって。また元気な時に行こうぜ』
そう言っていつも笑って許してくれるのだ。
そんな彼の優しさに触れる度に、胸の奥がきゅっと締め付けられるような感覚を覚える。その感覚の正体など知る由もなく、ただ彼への罪悪感だけが募っていった。
(どうしてこんな気持ちになるんだろう…)
自分の胸に手を当てて考えてみるけれど、答えは全く出てこなくて考えれば考えるほどわかんなくなっていく。
「でも、今回こそは大丈夫です!最近ずぅーっと調子が良いので!!」
暗示のように何度も同じ言葉を繰り返す私をみて、ククイ博士は再び苦笑を浮かべながら頭を掻いた。
「まあ確かに顔色は良くなったけどな……」
そう言って、ククイ博士はじっと私の目を見つめてきた。
まるで心の中まで見透かされてしまいそうな瞳に思わずドギマギしてしまう。
「ど、どうしました?」
「……やっぱり外じゃなくて研究所に遊びに来てもらった方がいいんじゃないか?君はいつも通り部屋で安静にしてる方が俺としては安心なんだが……」
「大丈夫ですよ!それに、せっかくのお誘いなので行きたいです!」
「しかしなぁ……。もしまた何かあったらと思うと気が気じゃないんだよ」
「えへへっ、ありがとうございます。でも、本当に平気だから安心してください!」
「全く君って子は………そこまで言うなら信じるよ。ただし、少しでも具合が悪くなったりしたらすぐに連絡すること。いいな?」
「わかりました!それじゃあおやすみなさい」
ククイ博士に挨拶をしてロフトにある自室へと駆け上がる。
まるで羽でも生えたかのように体が軽い。
きっと今日はぐっすり眠れそうだ。
明日はポケモンスクールがお休みの日。
なのに、私は寝る時間になっても鼻歌を口ずさむ程浮足立っていた。
「サナ、今日はずいぶんとご機嫌だな?」
そんな私を見て、ククイ博士が不思議そうに首を傾げる。
「だって明日はカキとお出かけなんです!ここ数日体調も良いし、今度こそ大丈夫だと思います!」
食い気味に言葉を返すと、ククイ博士は少しだけ複雑そうな顔をした。
「……ああ、何度か中止になっていたからな。高熱が出ていても行くと言って聞かなかった君を止めるのはかなり苦労したんだぞ?」
「うぅ……その節は本当にすみませんでした……」
実は、カキと約束をするのはこれで3回目だ。
でも未だにその約束が果たされたことはない。
それも全て私のドタキャンで終わってしまっている。
一度目は前日に突然発熱して行けなくなり、二度目は当日になって発熱してしまい行けなくなった。
カキにはもう何回も謝ったけど、彼は全く怒る様子をみせず、むしろとても心配してくれていた。
『あー、まぁ気にすんなって。また元気な時に行こうぜ』
そう言っていつも笑って許してくれるのだ。
そんな彼の優しさに触れる度に、胸の奥がきゅっと締め付けられるような感覚を覚える。その感覚の正体など知る由もなく、ただ彼への罪悪感だけが募っていった。
(どうしてこんな気持ちになるんだろう…)
自分の胸に手を当てて考えてみるけれど、答えは全く出てこなくて考えれば考えるほどわかんなくなっていく。
「でも、今回こそは大丈夫です!最近ずぅーっと調子が良いので!!」
暗示のように何度も同じ言葉を繰り返す私をみて、ククイ博士は再び苦笑を浮かべながら頭を掻いた。
「まあ確かに顔色は良くなったけどな……」
そう言って、ククイ博士はじっと私の目を見つめてきた。
まるで心の中まで見透かされてしまいそうな瞳に思わずドギマギしてしまう。
「ど、どうしました?」
「……やっぱり外じゃなくて研究所に遊びに来てもらった方がいいんじゃないか?君はいつも通り部屋で安静にしてる方が俺としては安心なんだが……」
「大丈夫ですよ!それに、せっかくのお誘いなので行きたいです!」
「しかしなぁ……。もしまた何かあったらと思うと気が気じゃないんだよ」
「えへへっ、ありがとうございます。でも、本当に平気だから安心してください!」
「全く君って子は………そこまで言うなら信じるよ。ただし、少しでも具合が悪くなったりしたらすぐに連絡すること。いいな?」
「わかりました!それじゃあおやすみなさい」
ククイ博士に挨拶をしてロフトにある自室へと駆け上がる。
まるで羽でも生えたかのように体が軽い。
きっと今日はぐっすり眠れそうだ。
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