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日常

学校に着くとククイ博士は教員室へ、私は教室へ向かい、それぞれ別れて行動する。まあ、ククイ博士は担任の先生だから一瞬に過ぎないんだけれど。
教室に入ると親友のスイレンとマオが私を見るなり駆け寄ってきた。
「アローラ!サナ、久し振り!」
「おはよう、サナ!体調は良くなったの?」
心配そうに顔を覗き込んでくる二人に思わず笑みが溢れる。
「うん、バッチリ!ちょっと風邪引いちゃっただけだよ」
「いや、普通ちょっとで1週間も休まないからね!?」
すかさず突っ込みを入れるマオに苦笑いを浮かべながら席につくと鞄を机の上に置く。
「よっ、サナ。久しぶりだな」
「カキ!」
いつの間に登校していたのか肩をぽんと叩かれて振り返ればそこにはもう1人の親友の姿があった。
「もう身体は大丈夫なのか?」
「うん、ククイ博士が許してくれなくて…ほんとは最初の3日間くらいしか熱はなかったんだけど…」
「一度拗らせたら大変なんだろ?休んでおける間にしっかり治しとくのも大切だぞ」
「でも、あんまり休んだら授業について行けなくなっちゃう…」
「そこは俺達がフォローしてやるから安心しろって」
「そうだよっ!私達に任せておいて!」
胸を張って宣言するマオの隣でスイレンもうんうんと大きく首を縦に振っている。
「みんな……ありがとう……」
「いいのいいの、友達なんだし当然のことだって!」
笑顔を浮かべるマオにつられて私も自然と頬を緩ませる。やっぱり持つべきものは最高の友だ。
「とりあえず、これお前が休んでた分のノートな」
「え!?わざわざ写してきてくれたの!?」
差し出されたノートを見て思わず声を上げる。
「ああ、復習にもなるしな」
「ごめんね、お家のお手伝いもあるのに…」
手渡されたノートには1週間分の授業内容とその解説などがびっちりと書き込まれている。
「気にすんなって。ちゃんと勉強しないと単位取れないし、留年したら大変だからな」
「カキ、真面目だもんねー」
茶化すようにマオが言うとカキは少し恥ずかしそうに頭を掻いた。
「おい、それよりももうすぐチャイムが鳴るぞ。そろそろ自分の席に戻ったほうがいいんじゃないか?」
カキの言葉通りホームルーム開始5分前の予鈴が鳴っていた。慌てて荷物をまとめて自席に戻り始める2人を見送って自分も席に着いたところでククイ博士が入って来た。
「アローラ!皆おはよう!」
「「「おはようございます!!」」」
ククイ博士が挨拶すると生徒全員が大きな声で応える。これも毎朝の恒例行事だ。
「早速だが今日の連絡事項を伝えるぞ。えぇっと……今日は……」
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