“贖罪者”は自身の罪と合致する対象を殺害するか、“領域”へ永遠に捕らえることに成功すると消滅する。
“贖罪者”にとって消滅は一時的なモノであり、しかし永劫でもある。人々が持つ罪の意識によってふたたび形を成すが、それは記憶と姿を引き継いだ別の個体であり、少なくとも消滅した個体自体は、完全に消失する。

　彼らにとって、消滅できることは喜びであり、せめてもの慰めである。皆、自らが忌まわしい存在であることを知っており、世界から消えることだけが、唯一世界にしてやれることなのだ。