キーワード:自粛 三密 解除







(rsnr)


出かけられないし、遊べない。
仕事終わりの外食とか、友達との飲み会も出来ない。

外に出ればマスクだし、人との距離にも注意してて…
たまに買って帰ろうとすれば、テイクアウトすら店の外で待たされることだってある。
雨風がすごくても、や。


生活しずらい、
窮屈で退屈。
多くの人が自宅を余儀なくされて、隠れていたり回避出来ていた出来事も、明るみになったり被害が大きくなったのも、ニュースで知って複雑だった。

でも。


ねるにとって今の状況は、ちょっと、ちょっとだけ、プラスだったりする。


やって。


りっちゃんが帰ってくるけん！



「ただいま〜」

「おかえり！りっちゃん！」



自宅で仕事をするねると
会社勤めのりっちゃん。

モテモテのりっちゃんは、先輩にも後輩にも、もちろん同期にだってモテモテで。

先輩さんには可愛がられ、
後輩ちゃんには憧れられて。
同期には、あのわんこみたいな雰囲気に、、。


やけん仕事終わりにまっすぐお家に帰ってくることは………多くない。
寂しかけど、付き合いやってお仕事やし。

早く帰ってきてなんて、重い女になるって分かっとるけん。


でも！
今はそんなん自粛やし
明らかな三蜜は、許されんけん！

りっちゃんの会社はテレワークを順番に行っとる！しばしそんな日ともお別れや！！


「どうしたの、ねる。にやにやしてる」

「えへへー。ご飯作ったんよー、食べよ？」

「ふふ。かわいい、」


りっちゃんのが可愛かけどなー。
ちっちゃい顔に、ねるの作ったごはんモグモグして。

頬が上がるのを我慢できない。
そんなねるを見て、理佐はご飯を飲み込んでから、ふふっと笑を零した。



「そんなに嬉しい？」

「え？」

「私が早く帰ってくるの」

「！！！」


ば、ばれてた！！
恥ずかしい！

何その勝ち誇った顔！
かっこいい！


わたわたするねるに、りっちゃんは


「私、明日休みもらおうかな」

「え？」

「ご飯食べたらお風呂入ろ？」

「ん？？」



………んんん？？
















「………も、むり」

「ねる、こっち向いて」


脱力した身体に、理佐の手が伸びて
ぐっと引っぱられる。


体は、勝手に。
理佐に反応して、熱を上げる。

もう、乾いたはずなのに
尽きたはずなのに。

どんどん溢れてっちゃう。



「ねる」



かっこいい、刺さるみたいな
熱を持った瞳が、ねるに向けられる。


たった2文字のその言葉。
人生でその2文字は数え切れないほど口にされてきたけど

理佐の声に、ゾクッとして体が震えた。



「ふふ、かわい」



りっちゃんがこんな絶倫なんて知らんかった。

もしかして。
ここのところ直帰しとるから、元気なん？

外出自粛が続いたら、こういうの増えるとか？
りっちゃんと触れ合えるのは嬉しかけど、こんなん続いたら、ねる体持たん……。


そんなことを、頭の片隅で考えてたら理佐に気づかれたみたいで
少し強引に、理佐へ意識を向けさせられる。



「っ、」

「ねーる。こっち向いて？」

「んん、あ！っ、！」




何度目かの真っ白な世界で、外出自粛の解除を願ってしまった。