緑⊿の短編系


「ねるは、私が守るよ」


そう言った、理佐のまっすぐな眼を覚えている。
少し暗くて、ただの使命感に命を費やすみたいな。ただそれだけに、自分は存在しているかのような。


「ねぇ理佐」

「なに?」

「……もし、私が死んだら、理佐はどうする?」

「……その質問は意味が無いよ」


その前に理佐が死ぬ。
そういうこと。

でも。私が聞きたいのは、そういうことじゃない。


「そういう話じゃなくて。もしだよ。架空の話」

「架空でもありえない」

「もお。頭固い」

「………」


やっぱりこの質問に意味はなかったか。
正しくは、私の聞き方のせいで意味を得られなかったか、。
まぁしょうがないか。理佐との押し問答のようなやり取りはこれが初めてではなくて。だから、不完全燃焼な感覚はまだ抱えるようかと思った。



「もし、ねるがいなかったら。っていう話なら」

「!」

「……私はやっぱり、この世にはいないよ」

「……─」


少し暗い。
悲しみを映すようで、でも、どこかスッキリした顔をしていた。
口角を少しあげて。もしくはその方が、良かったとでも言っているみたいだった。


「……死なない」

「……、、ふふ。私が守るからね」

「そうだけど、そうじゃなくて」



貴女にその方が良かったなんて、思わせない。
次、その言葉を吐かせる時には
絶対泣かせてやる。


あなたに会えないなんて、悲しいって。
















理佐
ねるの護衛兼世話人。
今の立ち位置になる前は生きる意欲もなかったが、今は主人のためにが生きる糧。他人へ自分の存在価値を依存する。


ねる
理佐の主人。
理佐への特別な思いがあるけれど伝わらない。理佐からの依存にも近い思いを自覚させて、両思いになりたい。
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