緑⊿の短編系

夢を見た。
しかも続けて。

甘ったるい香りと、ねるのとろけた視線。

少しだけ汗ばんだ肌同士が張り付いて、熱くて心地いい。

ねるの手が伸びてきて、私に触れる。
艶めかしい、指使いで
頬に触れ、首筋をなぞり、鎖骨を撫でる。
胸全体を包むようにして持ち上げて、中心をねるの舌がぺろりと舐めて、
全身が、跳ねる。

そうして、ねるは私の手を握ると、自分のそこに───



───そんな追憶はどうでもよくて。

体に残る熱をなんでもない振りをして、布団を畳む。
カーテンを開けて、窓を開け、換気と称して自分を現実に引き戻したら
ねるのいるリビングへと乗り込んだ。


「ねる!」

「ん?」


ねるはエアコンの効いたリビングにのんびりと足を伸ばしてアイスを食べていた。
私の熱とは別に、彼女は涼しげだった。


「おはよ、りっちゃん。どがんしたと?」

「どうしたのじゃないよ。ここんとこずっと来てるでしょ」

「なんが?どこに?」

「あんな夢見せるのねるしかいないじゃん」

「………夢?」

「、え?」


ねるはアイスを食べ終えて、じわじわと口角を上げる。

これは、、もしかして、


「りっちゃん、えっちな夢見たと?ねる行っとらんのに」

「っ、嘘言わないでよ。ねるでしょ、」

「ここんとこずっと?夢見とると?」


堪えきれない笑みが、私に向けられる。
にっこにこして、瞳が見えないくらい。

口をすぼめて誤魔化そうとするけど、それはすぐへにゃ、と絆されていっていた。
すっと立ち上がると、ワンピースを太ももあたりから掴んですいっと持ち上げる。
上げられた裾からは、きれいな脚がのびて
見えるはずのない位置でとどまっているはずの布の奥を期待して、心臓が締まる。


「っ、」

「あは。りっちゃんのえっちー。ねるの見る?濡れてないけんね」

「なっ!は!?」

「理佐には濡れちゃうけん、ねるはしとらんって証拠ばい」


いやらしいのに、にこにこで。
爆弾発言は日常に流れていく。

ばくばく打ち出す心臓と
熱を上げる身体。

ぐっと喉が詰まる感覚がしたと思ったら、
私の中心を、ねるが撫でた。


「──っ!」

「理佐のえっちな夢、ねるにも分けて?」


あまりにも綺麗に、キスをされる。
ねるが纏ってきた甘くとろける熱に溶かされて
ねると、キスをする。


柔らかい唇が、脳をしびれさせて

まだ起きたばかりだと言うのに、私は早々と理性を手放した。




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