緑⊿の短編系

ペラリ、、、

という紙が捲られる音が静かな空間にぱらぱら聞こえる。

今は、ねるが私の部屋に遊びに来てるんだけど
ひとしきり喋ったら、お互いの時間を過ごしていた。

2人で本を持っているけど
私は寝転んで雑誌を。
ねるは横のソファーで小説を読んでいる。




ふと、ねるが私を呼んだ。




「ねえ、理佐?」

「んー?」




ぺらり。
またページをめくる。
あ、これかわいい。






「ちゅーしたい」


「…………は?」





かわいい格好のそれへの思考は途絶えて、後回しにする。それどころじゃない。

何を言い出したんだ。
何を言ってるんだ。この子は。




「ねるちゃん?」

「理佐は、今までちゅーしたことある?」

「そりゃあ、」

「本気のやつよ?ガチのヤツ」





ガチ、とは。


気持ちが?行為が??




自分の体をねじって、ソファーに座るねるを見上げていたけど、
じっと見つめてくる目に、思わず顔を逸らしてしまう。




「したい。りっちゃん」

「待って待って。え、なにどうしたの」



ぐいぐい近づいてくるねるは、ガチだと思う。
ガチが何だかはよく分からないけど。


のし、
っと私の上に乗るように、体を重ねてくる。




「理佐と、キスしたい」

「…………」




ねるは、後ろから腕を回してきて私の体に抱きついてきた。




どこかで読んだ、『世界で一番重いのは、愛してない女の体』とかなんとかいう言葉が、
唐突に頭に浮かび上がってきたのは、自分でも謎だった。




「………重くなんてないけど……」

「え?」

「あ、なんでもない」




ぎゅうってされる力が心地いい。
胸がきゅんとするのはこういう時なのかな。




「りさ?」

声のする方に改めて目を向けると、上目遣いのねると目が合う。


………かわいい…。

あ。
きゅんてのは、これの事か。








「キス、したいの?」

「えへへ、りっちゃん耳真っ赤」

「うるさいな」





私の言葉をOKと受け取ったらしいねるが、体を浮かせて、
寝転ぶ私に顔を近づけてくる。


ねるって、本当に
可愛い顔をしてる………

そんなことを思いながら、私の目はどんどんねるの唇に引き寄せられていって





初めて経験する、ねるの柔らかい唇に触れた。

















「………ねるって私のこと好きなの?」

「りっちゃん、今更すぎるんですけど」




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