Succubus
サキュねるあかねん
「ねるちゃーん」
「、あかねん。どうしたと?」
「お腹すいちゃってさぁ、ちょっと理佐貸して? 夢でもいいから」
「っ、いけん!りっちゃんはねるのったい!あかねんには愛佳おるやん」
「ねるちゃんが愛佳食べちゃったからぜ〜んぜん足りないの!エッチしてもすぐ果てちゃうし…責任取ってよー」
「……っ、だめ!」
「じゃあ、私としよ?で、理佐に見ててもらお?」
「え!?」
「この間、私とねるが絡んだ時、欲情してたでしょ。あれ、充てられただけでも美味しそうだったんだよね」
「……、」
「ねるちゃんも気づいたでしょー?お預けされてる時の濃密なの。すっごく美味しいよ、絶対!」
「───っ!!」
「ねる?」
「「!!!」」
りっちゃんが部屋を覗いてきてびっくりする。昨日の夜泊まりに来ていたりっちゃんは、夕方愛佳と食事をするからとシャワー浴びていた。
その間にあかねんが来たから、みんなでびっくり顔になった。
「…守屋さん、来てたの」
「仕事じゃないんだから名前で呼んでくれたらいいのに」
「……ねる、顔赤いよ、大丈夫?」
「大丈夫、りっちゃんもう行くと?」
「うん。色々ありがとうね、お邪魔しました」
「うん、気をつけてね」
「愛佳によろしく〜」
「じゃあね」
ガチャん、と閉まる音がして次いで鍵が閉まる音がした。渡した合鍵は、いつの間にか当然のように互いの出入りを許可している。
「何食べに行くんだろ?聞いた?」
「ううん、聞いとらん」
「しっかり食べてきてくれないとなー。他の人漁っちゃいそう」
「愛佳のこと、好きなんやなかと?」
「好きな人と生きることが同じになってくれたら最高だけどね。なかなかないんじゃない?そういうの」
「………」
「もし愛佳が私を満足させてくれないなら私はまた他の人を探すよ。だって生きてけなくなるもん」
「ごめんね……」
「気にしないで、ねるだってサキュバスだしあの時誘ったのも私だもん。ただ。考えておいてもらえるといいな」
「……りっちゃんはだめ」
けど。あかねんと愛佳に囚われたあの時、溢れた理佐の欲情は熱くて濃くて、……。
ねるはあれを、理佐とのエッチで見たことがない。
「………」
「その顔は悩んでるなー?いい返事待ってるね、ねるちゃん」
そう言ったあかねんに、ついに私は拒否の言葉を飲み込んでしまった。