詐欺師の姉妹
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「お姉ちゃーん、帰ったよー」
「おかえりなさい、首尾はどう?」
「上々!」
笑顔でそう答えて手でピースをつくってみせれば、目の前の姉は少し申し訳なさそうに微笑んだ。
「ごめんね、本当は夢子にこんな仕事やらせたくないんだけど」
姉は私が仕事から帰ってきたとき決まってこう言う。
「いいの!いつも言ってるでしょ、やりたくなかったらさっさと逃げ出してるよ。だから、お姉ちゃんが気にすることじゃないの!」
「ん、そうね、ありがとう」
下がり眉は相変わらずだったが、少しだけ明るくなった姉の表情ににこっと微笑み返す。
ここだけ見ればきっと私達はごく普通の姉妹に見えるだろう。
しかし、私達姉妹には他の姉妹と絶対的に違うところがあった。
二人ともが詐欺師。それが私達の大事な秘密。
ただ、たった二人の詐欺グループとはいえ、生活のためにやっている詐欺では回数がどうしても多くなる。
そろそろ警察が私達に目を付け始めている予感もする。
明日の仕事も気を付けないと、なんて考えていたところに玄関のベルが鳴った。
いくらなんでもタイミングが良すぎて、思わず姉の袖口を掴んでしまっていた。
姉は
「大丈夫よ、少し待ってね」
と小さい声で私に囁くと、玄関のドアに埋め込まれた小さなマジックミラーを覗き込んだ。