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3・善法寺伊作
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誰かに呼ばれた気がして、善法寺伊作は後を振り返った。が誰も居ない。
「あれ、気のせいか…」
ズボッ!!
ただ振り返っただけなのに、僕は見事に真下の土の中へと埋まった。
埋まったと言うよりかは多分、塹壕に落ちたのだ。
ゴホゴホとむせると、削られ積み上げられた土の向こうから同級生の声がする。
「あっ、伊作。大丈夫か?。」
何も悪びれた所もなく、明るいその声の主に僕は苦笑を浮かべた。
「小平太。大丈夫だよ。」
「そうか。」
僕の返事に小平太はニコッと笑った。
彼は謝るような事はしないから、暴君なんて言われてたりするけど、実は優しいのだ。
彼から伸ばされた手を掴み立ち上がる。
彼の笑顔は、いつもお日様みたいに明るい。そんなの見たら、なんだか怒る気がなくなってしまった。でも、むやみやたらと塹壕を掘るのはちょっと困るかな。
そんな事を考えながら僕は小平太に問い掛けた。
「小平太は自主練?。」
今、塹壕の中で見えているのは小平太一人だけなので、思わず聞いてしまった。
もし体育委員会で活動をしているのなら、彼の後ろにはボロボロになった後輩が転がっているはずだからだ。
そんな後輩達を保健委員長としては見逃せないのだけど………。
「あぁ、自主練中だ。」
今日は、彼らは居ないみたいだ。
小平太の返事に安堵しつつ、ふっと浮かんだ疑問を口にする。
「そういえば、さっき小平太が僕を呼んだの。」
彼の塹壕に落ちる前、誰かに呼ばれた気がしたのだ。
「いや、私じゃないぞ。」
小平太はブンブンと大きく首を振る。
―― じゃぁ、勘違いだったのかな。――
でも…
確かに、呼ばれた気がするんだ。
考えていた、僕の横で小平太が苦無を構える。
どうやらまだ、彼は塹壕を掘り進めるようだ。
「小平太!!。そっちは医務室に近いから駄目だよ。」
既に塹壕を掘る気満々の小平太の肩を掴み、軌道修正をした。
とりあえず、小平太をグランドの方向に変えてみる。
―― 余り被害がないといいけど。――
そんな事を思いながら僕は、相変わらず元気に塹壕を掘り進めて行く小平太を見送った。
そして、ある事に気付く。
「あっ!!。もしかして、さっきの乱太郎の声だったのかもしれない。」
仕事を手伝ってくれた後輩が、今だに戻って来ていないのだ。
「まさか、近くの穴に落ちたとか…。」
伊作は、焦った声で呟いた。
+3・善法寺伊作 +
「あれ、気のせいか…」
ズボッ!!
ただ振り返っただけなのに、僕は見事に真下の土の中へと埋まった。
埋まったと言うよりかは多分、塹壕に落ちたのだ。
ゴホゴホとむせると、削られ積み上げられた土の向こうから同級生の声がする。
「あっ、伊作。大丈夫か?。」
何も悪びれた所もなく、明るいその声の主に僕は苦笑を浮かべた。
「小平太。大丈夫だよ。」
「そうか。」
僕の返事に小平太はニコッと笑った。
彼は謝るような事はしないから、暴君なんて言われてたりするけど、実は優しいのだ。
彼から伸ばされた手を掴み立ち上がる。
彼の笑顔は、いつもお日様みたいに明るい。そんなの見たら、なんだか怒る気がなくなってしまった。でも、むやみやたらと塹壕を掘るのはちょっと困るかな。
そんな事を考えながら僕は小平太に問い掛けた。
「小平太は自主練?。」
今、塹壕の中で見えているのは小平太一人だけなので、思わず聞いてしまった。
もし体育委員会で活動をしているのなら、彼の後ろにはボロボロになった後輩が転がっているはずだからだ。
そんな後輩達を保健委員長としては見逃せないのだけど………。
「あぁ、自主練中だ。」
今日は、彼らは居ないみたいだ。
小平太の返事に安堵しつつ、ふっと浮かんだ疑問を口にする。
「そういえば、さっき小平太が僕を呼んだの。」
彼の塹壕に落ちる前、誰かに呼ばれた気がしたのだ。
「いや、私じゃないぞ。」
小平太はブンブンと大きく首を振る。
―― じゃぁ、勘違いだったのかな。――
でも…
確かに、呼ばれた気がするんだ。
考えていた、僕の横で小平太が苦無を構える。
どうやらまだ、彼は塹壕を掘り進めるようだ。
「小平太!!。そっちは医務室に近いから駄目だよ。」
既に塹壕を掘る気満々の小平太の肩を掴み、軌道修正をした。
とりあえず、小平太をグランドの方向に変えてみる。
―― 余り被害がないといいけど。――
そんな事を思いながら僕は、相変わらず元気に塹壕を掘り進めて行く小平太を見送った。
そして、ある事に気付く。
「あっ!!。もしかして、さっきの乱太郎の声だったのかもしれない。」
仕事を手伝ってくれた後輩が、今だに戻って来ていないのだ。
「まさか、近くの穴に落ちたとか…。」
伊作は、焦った声で呟いた。
+3・善法寺伊作 +